ぽんしゅう座

優柔不断が理想の無主義主義。遊び相手は映画だけ

■ 現代っ子 (1963)

2022年07月15日 | ■銀幕酔談・感想篇「今宵もほろ酔い」

戦争を生きのびた父親が、戦後復興の象徴であり矛盾でもある交通戦争に散るという悲劇。残された母子一家をバイタリティとユーモアと哀愁で綴る倉本聡らしい物語を、力まず見せきる中平康の手堅い職人技。去り行く者への敬意と惜別を表した良質な児童映画でもある。

『キューポラのある街』でジュン(吉永小百合)の弟を演じた市川好郎が、ここでも圧倒的な存在感で憎めない“現代っ子”を好演する。

(7月7日/シネマヴェーラ渋谷)

★★★★


【あらすじ】
交通警官の父が突然殉職し市村一家はバラバラに暮らすことになった。母親の正子(菅井きん)は海運会社社長の石田(小沢栄太郎)邸の住み込み家政婦として高校生のチコ(中山千夏)と身を寄せる。石田家の次男健(前野霜一郎)は、同級生でしっかり者のチコと意気投合。一方、叔父(桂小金治)の家の居候となった責任感の強い長男やすし(鈴木ヤスシ)と何ごとにもドライな中学生の次男好夫(市川好朗)だが、叔母(新井麗子)の風当たりが強くてどうにも居心地が悪いのだった。逆境のなかを力強く生きる十代の子供たちの姿をユーモアを交えながら描く社会派ホームドラマ。原作は倉本聡企画/脚本の連続テレビドラマ。(白黒/95分)


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