ぽんしゅう座

優柔不断が理想の無主義主義。遊び相手は映画だけ

■ サタンタンゴ (1994)

2020年01月07日 | ■銀幕酔談・感想篇「今宵もほろ酔い」
ひとりの人間にとって時間は単線で進む。その単線が無数に束なり世界は存在する。この時間の重層構造を支配する存在が神であり悪魔であるという警告。そして、神の託宣だろうが悪魔の囁きだろうが、人は個人をとり戻したときにのみ、神や悪魔の裏に潜む“気配”を察知するという示唆。

そして、神や悪魔は往々にして「主義」や「制度」や「権威」や「因習」のなかに潜んでいる。

上映時間が7時間18分と聞いてどうなることかと思ったが、間延びした2時間半のハリウッド大作の退屈さが大罪に思える充実度。希薄な「実時間」から乖離した濃密な「映像時間」に浸る心地よさ。

(12月31日/UPLINK吉祥寺)

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