「ご隠居はん、いてはりまっか」
「おう、おまはんか、まあこっち上がり」
「いやしかし、人間やっぱりシャキッと真面目にやらなあきまへんなあ」
「だらけた不真面目なおまはんがいきなり何を言いなはんねんな」
「いえね、さっき映画見てきたところですねんけどね」
「ほう、何を見てきなはったんや」
「えーっと、せごどんやのうて……」
「それは大河ドラマでっしゃろ、映画館ではやってまへんがな」
「カネゴンでもない……」
「それはウルトラQの怪獣やがな、コミカルでよかったけどな」
「はじめ人間ゴンやったかな……」
「わしらの世代はギャートルズのほうが馴染みがあるけどな……って、おまはんの言いたいのはペンタゴンでっしゃろが」
「そうそう、そのペンタゴン・ペーパーズですわ」
「手間のかかるお人やなあ」
「ペンタゴンがなかなか出んたごん」
「ほんで映画のほうはどないでしてんな」
「せやからさっき言うたように、人間シャキッとせなあかんなあって思いましたわ」
「ほう、おまはんがそないな教訓を学びますか」
「そうでっせ、なまくら者はあきまへんわ」
「あきまへんか」
「あきまへんわ、なまくら者は事実を隠蔽してベトナム戦争を泥沼化させてホンマに秘境やわ、ホンマなまくらはあきまへんなあ」
「どこまで手間をかけさせますねんな、それを言うならマクナマラでっしゃろが」
「そうそう、そのなまくらなマクナマラ、悪いやっちゃなあ」
「まあ彼も晩年には反省しとったみたいやけどな、でも大きい罪を犯しとるわなあ」
「そんな政府の大嘘を暴こうとする新聞社側がこれがねえ」
「ほう、新聞がどないしました」
「最前線の記者よりも、編集局のトップとか会社の社主とか、どっちかと言うと重鎮的なキャラクターがメインなんですけどね」
「ふむふむ」
「それでいてものすごく緊張感があって、アクション映画を見てるみたいに興奮させられましたわ」
「そうかいな、そらスピルバーグはんもなかなかやりますなあ」
「スピルバーグに感動して、お昼はハンバーグ食べてきましたわ」
「そないなことはどうでもよろし」
「最後は新聞社側が勝って、それからウォーターゲート事件の端緒が描かれたところで幕を閉じるんですわ、見応えありましたで」
「なるほどな、国民を欺き続けた大統領の失脚を示唆して終わるわけやな」
「この大統領の描き方がとっても憎そん」
「はいはい」
「ところで極秘文書を内部の者が持ち出して新聞社に託すって、これって……」
「そうやわな、まあ朝日新聞は入手源を明かしてないけど同じようなことやろな」
「いやなんともパセリセージローズマリーアンドタイムリー」
「だんだんイライラしてきたけどその通り、タイムリーですわなあ」
「日本でもこういう映画撮ってくれへんかなあ」
「どうやろなあ、あちらは相手が大物やったけど……」
「ホンマに憎そん」
「対するこちらは器の小さい小物やからなあ、おまはんの言うような娯楽的な面白さは生じないやろなあ」
「小物って、あの人がですか」
「ああ、人格がせせこましすぎるし言うてることが支離滅裂すぎるから映画化してもしょぼいもんにしかならへんで」
「さあご隠居はんのいつものやつがはじまりましたで」
「例えばやで、明恵夫人が進めてくださいと言ったというのは籠池がそう言ってるだけやっていう理屈な」
「へえ、つまり伝聞に過ぎないっての」
「けどあいつかて、私が妻に確認したところこう言ってました……と、伝聞に過ぎないことばっかり言うとるがな」
「ははあ、直接の発言でないという点では同じやと、でも籠池のおっさんとあの人とでは信ぴょう性がちょっとは違うでしょう」
「それもやな、籠池は噓八百や、詐欺を働くような人やって言うて、だから彼の言うことは信用できないという理屈をこねとるけどな」
「こねとるけど」
「でも佐川のおっさんかて公文書改ざんするような奴や、そいつが首相やその夫人の関与はないって宣誓証言したところで籠池と同じように信用できないはずやのに、しかしこっちは無条件に通して幕引きを図ろうとしとんねやな」
「全部自分に跳ね返ってきてますなあ」
「そやろ、それから、夫人が名誉校長を務めている学校はあまたあるとも言うとったけど、実は2校しかなかったんやな」
「あまたって漢字で数多って書くぐらい数の多いことのはずやのに、それが2つですかいな」
「そうや、しかもその2校というのが問題の籠池が開校しようとしてた小学校と、それから加計学園が運営する保育園やねんな」
「なんですか、それ」
「つまり己は妻のことを代弁できるほど知っとらんっちゅーこっちゃ」
「あ、まった!ってストップかけたいところでっしゃろなあ」
「しかしこれは単にあまたの意味を知らんだけなのかも知れんで、なんせ1月には国会で、エンゲル係数が上昇してるので国民生活は豊かになってるって答弁しおったそうやからな」
「そらまったく逆ちゃいますのん」
「つまりただのバカや」
「財務大臣兼副首相が漫画ばっかり読んでるバカやから新聞のことがわからないのは仕方ないやろけど、首相までバカやったとはでんでん思わなんだわ」
「まあそんなわけでやな、あいつはお腹と頭に重い病を抱えた気の毒なお人やからやな、悪役に仕立てても面白い映画になるわけがあらへんがな」
「ヘタレゴン・ペーパーズみたいな映画、誰も見に行きまへんわな」
「まあ撮れるとしたらコミックの映画化で、アベジャイヤーンズぐらいやろな」
「こんなんどうですか、ノブヒサ・サガワ/疑惑から政権を救おうとした男」
「そらアカデミー賞のメイクアップ賞獲れそうやな、元の姿をガラリと変える技術の卓越さで」
「でも本家と比べるとスケールが、うんともすんとも・チャチぃる」
「おう、おまはんか、まあこっち上がり」
「いやしかし、人間やっぱりシャキッと真面目にやらなあきまへんなあ」
「だらけた不真面目なおまはんがいきなり何を言いなはんねんな」
「いえね、さっき映画見てきたところですねんけどね」
「ほう、何を見てきなはったんや」
「えーっと、せごどんやのうて……」
「それは大河ドラマでっしゃろ、映画館ではやってまへんがな」
「カネゴンでもない……」
「それはウルトラQの怪獣やがな、コミカルでよかったけどな」
「はじめ人間ゴンやったかな……」
「わしらの世代はギャートルズのほうが馴染みがあるけどな……って、おまはんの言いたいのはペンタゴンでっしゃろが」
「そうそう、そのペンタゴン・ペーパーズですわ」
「手間のかかるお人やなあ」
「ペンタゴンがなかなか出んたごん」
「ほんで映画のほうはどないでしてんな」
「せやからさっき言うたように、人間シャキッとせなあかんなあって思いましたわ」
「ほう、おまはんがそないな教訓を学びますか」
「そうでっせ、なまくら者はあきまへんわ」
「あきまへんか」
「あきまへんわ、なまくら者は事実を隠蔽してベトナム戦争を泥沼化させてホンマに秘境やわ、ホンマなまくらはあきまへんなあ」
「どこまで手間をかけさせますねんな、それを言うならマクナマラでっしゃろが」
「そうそう、そのなまくらなマクナマラ、悪いやっちゃなあ」
「まあ彼も晩年には反省しとったみたいやけどな、でも大きい罪を犯しとるわなあ」
「そんな政府の大嘘を暴こうとする新聞社側がこれがねえ」
「ほう、新聞がどないしました」
「最前線の記者よりも、編集局のトップとか会社の社主とか、どっちかと言うと重鎮的なキャラクターがメインなんですけどね」
「ふむふむ」
「それでいてものすごく緊張感があって、アクション映画を見てるみたいに興奮させられましたわ」
「そうかいな、そらスピルバーグはんもなかなかやりますなあ」
「スピルバーグに感動して、お昼はハンバーグ食べてきましたわ」
「そないなことはどうでもよろし」
「最後は新聞社側が勝って、それからウォーターゲート事件の端緒が描かれたところで幕を閉じるんですわ、見応えありましたで」
「なるほどな、国民を欺き続けた大統領の失脚を示唆して終わるわけやな」
「この大統領の描き方がとっても憎そん」
「はいはい」
「ところで極秘文書を内部の者が持ち出して新聞社に託すって、これって……」
「そうやわな、まあ朝日新聞は入手源を明かしてないけど同じようなことやろな」
「いやなんともパセリセージローズマリーアンドタイムリー」
「だんだんイライラしてきたけどその通り、タイムリーですわなあ」
「日本でもこういう映画撮ってくれへんかなあ」
「どうやろなあ、あちらは相手が大物やったけど……」
「ホンマに憎そん」
「対するこちらは器の小さい小物やからなあ、おまはんの言うような娯楽的な面白さは生じないやろなあ」
「小物って、あの人がですか」
「ああ、人格がせせこましすぎるし言うてることが支離滅裂すぎるから映画化してもしょぼいもんにしかならへんで」
「さあご隠居はんのいつものやつがはじまりましたで」
「例えばやで、明恵夫人が進めてくださいと言ったというのは籠池がそう言ってるだけやっていう理屈な」
「へえ、つまり伝聞に過ぎないっての」
「けどあいつかて、私が妻に確認したところこう言ってました……と、伝聞に過ぎないことばっかり言うとるがな」
「ははあ、直接の発言でないという点では同じやと、でも籠池のおっさんとあの人とでは信ぴょう性がちょっとは違うでしょう」
「それもやな、籠池は噓八百や、詐欺を働くような人やって言うて、だから彼の言うことは信用できないという理屈をこねとるけどな」
「こねとるけど」
「でも佐川のおっさんかて公文書改ざんするような奴や、そいつが首相やその夫人の関与はないって宣誓証言したところで籠池と同じように信用できないはずやのに、しかしこっちは無条件に通して幕引きを図ろうとしとんねやな」
「全部自分に跳ね返ってきてますなあ」
「そやろ、それから、夫人が名誉校長を務めている学校はあまたあるとも言うとったけど、実は2校しかなかったんやな」
「あまたって漢字で数多って書くぐらい数の多いことのはずやのに、それが2つですかいな」
「そうや、しかもその2校というのが問題の籠池が開校しようとしてた小学校と、それから加計学園が運営する保育園やねんな」
「なんですか、それ」
「つまり己は妻のことを代弁できるほど知っとらんっちゅーこっちゃ」
「あ、まった!ってストップかけたいところでっしゃろなあ」
「しかしこれは単にあまたの意味を知らんだけなのかも知れんで、なんせ1月には国会で、エンゲル係数が上昇してるので国民生活は豊かになってるって答弁しおったそうやからな」
「そらまったく逆ちゃいますのん」
「つまりただのバカや」
「財務大臣兼副首相が漫画ばっかり読んでるバカやから新聞のことがわからないのは仕方ないやろけど、首相までバカやったとはでんでん思わなんだわ」
「まあそんなわけでやな、あいつはお腹と頭に重い病を抱えた気の毒なお人やからやな、悪役に仕立てても面白い映画になるわけがあらへんがな」
「ヘタレゴン・ペーパーズみたいな映画、誰も見に行きまへんわな」
「まあ撮れるとしたらコミックの映画化で、アベジャイヤーンズぐらいやろな」
「こんなんどうですか、ノブヒサ・サガワ/疑惑から政権を救おうとした男」
「そらアカデミー賞のメイクアップ賞獲れそうやな、元の姿をガラリと変える技術の卓越さで」
「でも本家と比べるとスケールが、うんともすんとも・チャチぃる」