めいぷるアッシュEnnyの日々是好日



面白い本に出会った。
中央公論社から昭和29年に出版された復刻版の様な位置づけ、書かれた時期は昭和3年から昭和30年あたりまで、書いたのは大作家9人が犬との関わりについて書いている。
《目次》
赤毛の犬ー阿部知ニ
犬たちー網野菊
犬と私ー伊藤整
わが犬の記・愛犬家心得 ー川端康成
あかー幸田文
クマ・雪の遠足ー志賀直哉
トム公の居候ー徳川夢馨
「犬の家」の主人と家族ー長谷川如是閑
犬ー林芙美子
ゆっくり犬の冒険ークラフト・エヴィング商會

今とはペットを取り巻く環境が違いすぎるようですが、書かれている事は現在とあまり変わりはないように思えます。

中でも川端康成がこれほどの愛犬家だったとは知りませんでした。『わが犬の記』『愛犬家心得』二つの随筆(エッセイ)が掲載されている。
ホロリ😢とくる内容もあったりして。




とても羨ましい写真です。


『愛犬家心得』(昭和7年)より

◎血統書ばかりでなく、親犬の習性をよく調べた上で子犬を買ふのは愛犬家心得の一つである。

〈形がをかしくて小型長毛のテリヤのMIXの子犬飼った経験から〉

◎決して放し飼ひにしない事は、愛犬家心得の一つである。

〈当時は放し飼いが珍しくなかったから?と思いきや、川端康成はこう書いている。
放し飼いにしても人も盗まぬやうな犬ならば、盗まれても惜しくないような犬ならば、犬に似た動物に飯をくれてゐるといふだけの話である。女房や子供を夜昼表におつぽり出しておいて、どこをほつき歩いてゐようと気にかけぬ人間は、先ずあるまいが、それが犬だつて同じわけである。〉

◎犬を訓練所に入学させ、また犬猫病院へ入院させるにも、預け先の犬の扱ひをよく知っておくのは、愛犬家心得の一つである。



◎一時の気まぐれやたはむれ心から、犬を買ったり、貰ったりしないのは、愛犬家心得の一つである。
〈ふとした出来心から小型長毛のテリヤのMIXの子犬を買った。数年後里親に出して悲しい思いをさせる事になった。〉



◎数を少く、質をよく、そして1人1犬を原則とするのが、愛犬家心得の1つである。

◎犬も家族の一員のつもりで、犬の心の微妙な鋭敏さに親しむことは、愛犬家心得の一つである。

◎犬に人間の模型を強ひて求めず、大自然の命の現れとして愛することは、愛犬家心得の一つである。

◎純血種を飼ふことは、愛犬家心得の一つである。

◎病気の治療法を学ぶよりも、犬の病気を予知することを覚えるのが、愛犬家心得の一つである。

◎先ず牝犬を飼って、その子供を育ててみるのが、愛犬家心得の一つである。

〈犬の妙味といふものは、自分が臍の緒を切つてやつた子犬を育てあげないと、十分には知れないのである。〉


◎犬を飼ふといふよりも、犬を育てるといふ心持をどこまでも失わないのは、愛犬家心得の一つである。



川端康成は書いています、ご自身はとても神経質だと
「私なぞが買えば神経質の犬となる恐れがある。犬は私が神経質であることをちやんとしつてゐて、私の神経を見つめてゐるのがいけない。」

そんな神経質な飼い主さんにも犬はちゃんと合わせてくれるのでしょう。
グレイハウンド、ワイヤフォックステリア、狆とテリアのMIXを育てたようです。


我が家は神経質に育てていると思っていませんが、めいぷるとアッシュは神経を使っているようです。



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