山本飛鳥の“頑張れコリドラス!”

とりあえず、いろんなことにチャレンジしたいと思います。

「趣味の食卓」(中島義道)

2017-08-18 06:34:27 | 読書
中島義道という人の単行本「人生、しょせん気晴らし」を開き、最初の“「自由な生き方」という気晴らし”から読み始めると、その中の最初のエッセイが「趣味の食卓」である。

この本の題名が気に入って選んだものの、この1つ目のエッセイでいきなり嫌気がさす。

「陶磁器には特別の思い入れはない。」という一文から始まるこのエッセイは、陶磁器についての特別の思い入れを書いているのである。
まずは、ぐいのみに関しての条件を書き連ねている。大きさ・厚み・色。
萩と唐津で買ったものが気に入っているという。

「陶磁器一般のよさは、あまりわからない。」と書きながら「どんな器でもいいわけではない」そうで、「妻の母が茶道の教授なので、家には義母からもらったあるいは妻がなじみの骨董屋で買ってきたさまざまな主に唐風の食器があるが、私はその中で気に入ったものを選ぶだけである。」

こういう人間って、一般庶民からは嫌われるタイプだと思う。

さらに、「6年来ウィーンに家があるので、自然に向こうの陶器も集めることになる。」と始まり、ウィーンの陶器の話、それらのデザインの話となる。

「だが、彼の地で一番気に入っているのは(わが国にはほとんど紹介されていないが)以上の陶器よりはるかに庶民的ではるかに安価なグムンデンである。」

「(わが国ではほとんど紹介されていないが)」ここが鼻に付くわけである。
紹介されていないのは事実であろうし、それが高価な高級なものではないにしろ、こういう話し方をする人って、やはり庶民から嫌われると思う。

こういう人は、こういうタイプの人同士で友達になるのだろう。

つまり、一部で謙遜しながら結局自慢ですか?と感じるような言葉が、ちりばめられているのだ。

とはいえ、この人の境遇は本当にこういうものなんだから、本人としては、別に自慢じゃないんだろう。
ウィーン郊外の自宅で、萩や唐津のぐいのみに久保田や八海山などの日本酒をついで飲み、ロイヤルコペンハーゲンの皿に蟹味噌を載せてつまみにし、「ずれ」を楽しむのが趣味だそうだ。

まあ、そりゃ、楽しいかもしれないね、と今やっとこの最初のエッセイを一通り読んでみて思った。

昨日は、途中でうんざりして読むのをやめて“「読書」という気晴らし”のカミユのところに飛んでしまったのだ。

若い時に、何でも抵抗なく読書ができたのは、今のような格差意識ややっかみがなかったからなのだろう。

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
自分に合わない本は (masamikeitas)
2017-08-18 08:45:13
飛鳥さん、おはようございます。

>この本の題名が気に入って選んだものの、この1つ目のエッセイでいきなり嫌気がさす。

このような事ってありますよね。
自分に合わない本は、さっさと読むのをやめて、また新しい本を読んでください。
今度は良い本に巡り会えるといいですね。(笑)
返信する
Unknown (飛鳥)
2017-08-18 09:37:21
まったく、自分にしっくりとくる本をみつけることができません。
本に原因があるのではなく、自分がおかしいのかなあと思うこのごろです。
まあ、ぼちぼち探してみたいと思います。
返信する

コメントを投稿