山本飛鳥の“頑張れコリドラス!”

とりあえず、いろんなことにチャレンジしたいと思います。

「北野武」の本

2008-05-29 01:29:35 | 未分類過去
題名を忘れてしまった。今、北野武の書いた本を読んでいる。
いつもの毒舌で面白いんだけど、なんかじ~んとくるものもあるんだよ。
たとえば、この世に起こっていることって、どこに焦点を置くかでずいぶんと違うってこと。一方は大切に育てた鷲を野生に返す人がいて、一方は大切に育てた山鳩を野生に返す。その鷲がその山鳩を見つけて捕まえて食べることができたとすると、鷲の飼い主は野生で生きて行けると喜ぶけど、鳩の飼い主にしてみたら、野生に放したとたんに殺されちゃったってことだ。悲しくてしょうがないね。世の中って結局そんなことばかりである。
だから、一方だけを見て喜んだり悲しんだりすること、ある一部分だけをズームにしてみることに、落とし穴があるっていうか、本当にそれでいいの?って、どこか醒めたところがあるんだ。
となると、何か1つのことに非常に真心があったり優しかったりしても、それは別のものには冷血で残酷なことであるかもしれない。そうしたら、もともと何に対しても優しくもない人のほうが実は優しいのかもしれない。そんな逆説的なことになるほどと思う。
全てのものに対してまごころを向けるなんてことは事実上不可能なんだ。もしそんな人がいるなら偽善者だろうし、なんか勘違いしているのかもしれないな。
一方的な目で感動したり陶酔したりして篤くなっている人が、本当に優しい人というわけじゃなく、一歩引いて全てを見て客観視することのできるひとのほうが、実は心が深いのかもしれない。

たけしさんってそういうところで既成概念の殻をポロッと壊してくれるんですね。
だから、人生は面白おかしくて、かつ悲しいもんだよね。そういうことをよくわかっている武さんに人としての優しさを感じたりして、涙がでてくるんだろう。

まだ、読み始めたばかりだけど、読んで行きたいと思います。