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6.23朝鮮高校「無償化」全国集会

2011年07月04日 | 集会報告
即刻朝鮮高校に「無償化」を!6.23集会――全国署名 集会 あらゆる行動へ」が豊島公会堂で開催された。場内は高校生も含め2階まで満席だった(参加 1000人)。
この日午前に文科省交渉を行い、また夕刻には東京と同じく大阪でも1000人規模の集会が開催された。
わたくしは遅刻し、来日した孫炳輝(ソン・ビョンフィ)さんのコンサートの途中から聞いた。引き続き韓国の音楽監督、歌手、俳優のビデオメッセージが上映され、映画監督・金明俊(キム・ミョンジュン)さんが日本語で「子どもたちをおとなの政治の世界に巻き込まないでほしい。高校無償化の『事件』は世界中のおとなの責任だ」とアピールした。韓国学校には就学支援金が支給されている。それにもかかわらず南北分断の壁を超え、韓国の人びとが日本の朝鮮学校問題に共感し、支援してくれた。

「当事者からの発言」として、東京朝鮮中高級学校高級部2年の生徒と校長、オモニ会副会長のスピーチ、「各地からの声」として、名古屋、長野、福岡の方から報告があった。そのなかから「名古屋三菱・朝鮮女子勤労挺身隊訴訟」原告団の方の報告を紹介する。

戦争末期、国民学校を卒業したばかりの少女300人が、甘言により三菱重工名古屋航空機製作所道徳工場に連れてこられた。99年3月1日少女や遺族7人が三菱重工業を被告として提訴し、最高裁まで闘ったが08年11月上告は棄却された。ただ高裁判決で強制連行、強制労働が認定され実質的には勝利した。三菱は残念ながら謝罪も補償もしないので毎週金曜に三菱重工本社前で抗議行動を続け、10年秋からやっと協議の席に着くことになった。
また厚生年金について、脱退手当金を支払うところまできた。ところが当時の月給に基づくとなんと「99円」。受け手の気持ちをまったく考慮しない金額を提示した。全国の人が怒り、本日社会保険審査会の再審査請求審理が開催され、80歳を越えた光州のハルモニ2人が来日した。光州の支援者は毎日昼休み行動を行ったところ、光州の三菱自動車販売店は閉店してしまった。いまは毎週金曜にソウルの三菱重工業の支店前で抗議活動を続けている。

わたくしには、最後のほうで行われた田中宏さんなど5人の方々の「今後どう闘うか」という討論が、現況を的確に紹介していて興味深かったので報告する。
田中宏さん(元・一橋大学教授)無償化措置は、1条校(学校教育法上の高校)、専修学校、各種学校のなかの外国人学校を、同じレベルで評価し、かつ国費を投入するという点で画期的な制度だ。インターナショナルスクール17校、ブラジル学校8校、中華学校2校、イギリス、フランス、ドイツ、韓国の各1校、計31校が適用を受けている。しかし朝鮮学校だけが除外されている。朝鮮学校10校がきちんと適用を受ければ民主党政権は歴史に残る仕事をしたことになる。しかし適用を認めなければ歴史に汚点を残すことになる。
金舜植(キム・スンシク)さん(弁護士)この問題は、1条校、専修学校、外国人学校という枠組みを一つにした点で、本当はシンプルなのに政府が複雑にした。文科省は、大学受験資格問題のときに、自国の政府が正規の学校と同等と認めたナショナルスクール、国際評価機関が認定したインターナショナルスクール、朝鮮学校を含む「その他」の3つに分けた。朝鮮学校は本国政府が認めているが、国交がないので公的には確認できないという理由だ。無償化にも、この3分類の枠組みを適用した。朝鮮学校が日本の高等学校の課程に類する課程をもつかどうか審査して、同等なら無償化の対象にすることになった。同等かどうかの基準は、文科省が設置した有識者の検討会議が昨年8月末に答申し、個々の教育内容には立ち入らず、授業時間数、カリキュラム数など外形的基準で決定するとされた。民主党内の検討を経て11月初め文科省は「11月30日までに申請してほしい」と伝えた。ところがその直後の11月23日にヨンビョン島砲撃事件が起こり、翌24日政府は「適用の一時停止」を発表しいまに至る。政治外交上の問題は配慮は含めないといっていたにもかかわらずである。その後2月初めに自民党参議院議員の「手続きの停止は何らかの法的な根拠に基づくものか」という質問に、菅首相は「法的根拠はない」との答弁書を出していたことが発覚した。きわめて不当である。
償ム明玉(ペ・ミョンオク)さん(弁護士)それだけでなく、日本の私立学校に比べて非常に少額だった地方自治体の補助金を、東京、大阪、宮城、埼玉、千葉の5都府県(大阪は高等部のみ、他は初中級部まで含む)が停止するという動きまで起こり始めた。愛知では補助金は継続しているが予断は許せない。オモニ会は補助金増額の運動を続けている。その際、役所の答えが変わってきた。「無償化が認められれば考えましょう」というのだ。つまり国の法律で、朝鮮学校が日本の私立学校並みというお墨付きがもらえれば、補助金も上がる可能性があるということで、非常に重要だ。
今月も愛知朝鮮学校を訪ねた。生徒たちは、国は2つに分かれていて、異国の地で生まれた朝鮮人として、差別もあれば支援してくれる日本人もいるという難しい状況のなか、日朝友好、祖国統一など、希望に満ちた話をしてくれた。人一倍がんばって勉強している生徒たちが差別されているのはおかしい。無償化の訴訟については、9人の弁護団を5月に立ち上げた。
金●裁判について東京朝鮮学校から相談を受けている。ただし大事なのは打たれても打たれても、最後まで立ち上がり闘う精神力、行動力だ。
慎吉雄さん(東京朝鮮中高級学校校長)今日文科省要請したあと記者会見で「これからどうするのか。要望するだけでよいのか」という質問があった。「当校でも訴訟の準備はしている。しかし文科省は裁判することなく即時審査を開始してほしい」と答えた。両面から取り組みたい。
田中●ブラジル学校は32,33校のうち8校だけ無償化が認められた。あとの学校も本国は学校と認めているのだが、各種学校でないというのが理由だ。朝鮮学校の問題が解決できたら、同じ高校なのに認められない問題にも目を向けてほしい。この問題は、日本の中で外国人学校をどう位置づけるかという重要な問題に結びついている。
長谷川和男さん(高校無償化からの朝鮮学校排除に反対する連絡会代表)昨年3月に連絡会の活動を始め、大きな集会は今日で5回目になる。集会を行うたびに次こそ勝利集会と思ったが、期待は裏切られ続けた。「もういい加減にしろ」という気持ちでいっぱいだ。
ただ裁判に訴えると、いまの民主党政権は「裁判の結論が出るまで知らんぷりしておこう」ということになり、そうはさせたくない。しかし次々に補助金がカットされ、国が無償化の適用をしない限り自治体の補助金カットの動きはますます広がる。この問題を放置すると教育問題が、差別の最も悪い見本として全国に害悪を垂れ流す状況が続く
連絡会には教育だけでなくさまざまな分野から327もの賛同団体が集まっている。われわれは、あくまでも文科省と民主党に無償化適用をあくまで求めるとともに、裁判に踏み切ったときには勝利に導くような支援体制をつくる。
田中●今日の集会に韓国の人が熱い思いを寄せてくれた。日本における外国人学校への冷遇は国連でもたびたび問題になっている。韓国に限らず世界の人権に関するさまざまな団体が関心を寄せている。無償化を実現せずして日本の国際的評価を勝ち取ることはできない。それと同時に日本の教育の質が問われている
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