白か黒か。
4年に一度、オリンピックの舞台で競われるもう一つの戦い。
報道用カメラマン席にずらりと並ぶ、$10,000を軽く超える巨大なウルトラハイスペックレンズの色のことです。
キャノンの白に対して、ニコンの黒。
プロも愛用するキャノンの白、Lの望遠レンズを操作する喜びは、全くの自己満足でしかありませんが、実のところそれでいいのです。
左手にずしりとくる異質な重さは、初めとまどいを覚えましたが、曇りが取れたかのようにクリアで明るいファインダーを見ながら撮影に集中していると、いつの間にかその重量を感じなくなっている自分に気付くのです。
この一本を標準レンズとして使用しているという人がいると聞いていましたが、なるほど、それもまんざら大げさな表現ではないなと思いました。
プレミアムな“白”の輝き。
ユーザーの心理を巧みにくすぐるキャノンの企みに、嵌(はま)ってしまいました。