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N響 2019年10月B定期(トゥガン・ソヒエフ 指揮)

2019年10月26日 | pocknのコンサート感想録2019
10月24日(木)トゥガン・ソヒエフ 指揮 NHK交響楽団
《2019年10月Bプロ》 サントリーホール


【曲目】
1.ベルリオーズ/劇的物語「ファウストの劫罰」~
 鬼火のメヌエット、ラコッツィ行進曲
2.ビゼー/交響曲第1番ハ長調
3.ドビュッシー/牧神の午後への前奏曲
4.ベルリオーズ/劇的交響曲「ロメオとジュリエッタ」Op.17(抜粋)

N響との共演で毎回心に残る演奏を聴かせてくれるソヒエフがフランスの作曲家のそれぞれ性格の異なる曲を集め、聴衆にまたまた幸せを運んでくれた。ソヒエフ/N響の演奏を一言で表すなら「おいしい演奏」。ソヒエフは超一流のシェフの技で、N響の各プレイヤーが元々持っている美味しい素材を余すところなく使い、それらを最良のタイミングとバランスで按配し、極上の一品に仕上げる。その一品は視覚的な色や形、盛り付けのバランスも申し分ない。

ソヒエフは演奏を作り上げる全ての過程を緻密で繊細に、力強くアクティブに、そして無駄なく進めて最高のものに完成させてしまうマエストロだ。ソヒエフが指揮台に立つとN響の音は一層磨かれて艶を増し、香りを高め、熱い血が通う。「ファウストの劫罰」の音楽からはピチピチで抜群のボディコン姉ちゃんが飛び出し、「牧神」からはたなびく霞からくっきりと浮かび上がるリアリティー溢れた、しかしどこまでも滑らかでエレガントな生き物の姿が見えた。「ロミオとジュリエット」の「愛の場面」では口の中でおいしさがほわっと広がった幸福感が身体全体に満たされた。最後の「マブ女王のスケルツォ」は、そんな幸福感の後味を楽しむ厳選された新鮮なフルーツをバランスよく盛り付けたお洒落なデザートといったところ。美味しいフルコースを堪能した気分。

ビゼーでもエレガントで生き生きとした美しい響きが広がり期待は高まったが、第2楽章から会場に補聴器のハウリングのような音が鳴り続け、すっかり演奏への集中力を失ってしまった。この音、演奏が止むところでは聴こえないので、もしかして自分の耳鳴りかとも思い休憩時間にスタッフに確かめたら、会場内のスタッフがハウリングを認識していたとのこと。後半開始前にアナウンスが入ったほかに、何人ものスタッフが客席を回って補聴器のハウリングへの注意を促してくれたおかげで、後半は静かな中で極上の音楽を楽しむことができた。ハウリングに出くわす度に書いていることだが、補聴器のハウリング音は本人には恐らく聴こえていない。周りの人が教えてあげないといけない。

休憩時間にロビーで「何とかしろ!」とスタッフに横柄な命令口調で怒鳴っているオヤジがいた。何様?こういう奴はカスハラで即刻退場させた方がいい。

ソヒエフ指揮N響:シェエラザード他(2019.1.17 サントリーホール)
♪ブログ管理人の作曲♪
金子みすゞ作詞「積もった雪」
MS:小泉詠子/Pf:田中梢
金子みすゞ作詞「私と小鳥と鈴と」
S:薗田真木子/Pf:梅田朋子
「子守歌」~チェロとピアノのための~
Vc:山口徳花/Pf:奥村志緒美
合唱曲「野ばら」
中村雅夫指揮 ベーレンコール
金子みすゞ作詞「さびしいとき」
金子みすゞ作詞「鯨法会」
以上2曲 MS:小泉詠子/Pf:田中梢
「森の詩」~ヴォカリーズ、チェロ、ピアノのためのトリオ~
MS:小泉詠子/Vc:山口徳花/Pf:奥村志緒美

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