『今日の一冊』by 大人のための児童文学案内人☆詩乃

大人だって児童文学を楽しみたい、いや、大人こそ読みたい。
ハッとする気づきのある絵本や児童文学をご紹介♪

16世紀の歴史が一気に面白くなる!

2017-09-07 17:43:49 | 日本文学
 

『青いチューリップ』(2004年)『青いチューリップ 永遠に』(2007年)
新藤悦子著 講談社


今日の1冊ならぬ2冊はコチラ!児童文学者協会新人賞受賞作。

週末、代々木上原にあるモスク、東京ジャーミイを初訪問したのですが(そのときの訪問記はコチラをクリック)、なぜモスクを訪れたくなったこというと、この本を読んだから
モスクの文様や色の奥深さに、ぜひぜひ実物を見てみたいと思う気持ちが、もう止まらない~!ってことで

もうね、この本読んだ後だと、タイル一つ見る目も変わってしまいます。その背後にある物語が見えてくるから

表紙がね、いかにも児童書って感じなので、大人の方はなかなか手に取らないと思うのですが・・・。一気読みでした!もう、もう、まるで自分がその時代に生きているかのように入りこみました。こういう本が絶版なのは、ホントに悲しい・・・。ぜひ、図書館で探してみてくださいね。

【『青いチューリップ』あらすじ】
オスマンの国の都、イスタンブル。花を愛する都の人々が、競って咲かせようとしていたのは、幻といわれる花、青いチューリップだった。羊飼いの少年・ネフィは、アーデム教授とともに、本当に“青い”チューリップをつくりだそうとするが、チューリップをめぐる人々の運命は少しずつ変わりはじめる…。

【『青いチューリップ永遠に』あらすじ】
旅からイスタンブルに戻ったネフィとラーレ。ラーレは、女性には許されていない絵師になることを夢見はじめる。一方、ネフィは、人々の役に立つ薬草帳作りに乗りだす。しかしふたりの行く手は、さまざまな壁にはばまれていた。そんななか、ラーレとメフメットの結婚話がもちあがる。ネフィとラーレ―。ふたりの夢と運命は…?(BOOKデータベースより転載)



舞台は16世紀のオスマントルコ。当時の生活がイキイキと描かれています。そのためか、基本歴史ものが苦手な私でも、どんどん読み進めました!何よりも食べ物が美味しそう~(笑)。←めちゃ重要。バクラヴァ食べたい・・・。

日本人が外国舞台に外国人主人公のお話書くのって、どうなんだろう?って違和感があるというか、実はあまり信用してなかったんです。でも、読んでみて、ああ、外の人間だから逆に客観的に書けることもあるんだなあ、って


作者の新藤悦子さんは、中近東に造詣の深いノンフィクション作家さん。
ノンフィクション出身だからなのか、時代背景や世界観の描き方が非常にリアリティが、真実味があるんです。創作であることを忘れて、登場人物たちが全員実在したかのような錯覚に陥ります。子ども向けですからね、言葉は易しいんです。でも、大人が読んでハッとさせられるような言葉もたくさん!

飛行機であっという間に移動できる現代と違い、キャラバンと共に、壮大なスケールの距離を感じながら旅したり。

辺境の地で、盗賊ではなく義賊を通じて、都と辺境の地の人たちの温度差を生々しく感じたり。

宮廷の女奴隷から妃にまで登りつめる、宮廷人間関係のドロドロもさらりと描かれていたり。

イスラムで禁止されているけれど、どうしても愛する人の姿を絵に残したかったり。

ユダヤ人地区だけが、印刷技術があり、当時のムスリムの人たちの印刷に対する思いを知ったり・・・。

どれも、とても興味深い!
時代や政治情勢は現代と全然違うけれど、とても共感できるのは、人間の心理・真理は変わらないから。
若くて、まだ思慮浅いところもあるけれど、情熱だけはあるネフィとラーレの生き方、姿勢から学ぶものはとても多かったです

こういう本を学生時代に読んでいたら、世界史がもっとイキイキと面白いものになったんだろうな、とつくづく思う。
ぜひ!

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