ぽちごや

FC東京のディケイドSOCIOです。今シーズンは丹羽ちゃんとともに闘います。

まれロケ地の旅 ―20150614 能登①輪島2―

2015-06-15 02:19:08 | 連続テレビ小説まれ

梅雨というのに、能登は快晴でございます。海風のおかげで蒸し暑さもやわらぎ、ベストシーズンに来ちゃった感じです(^_^)/。

海の駅のお店に、麦ちゃんと葉山さんが来店されたようです。

それでは、まれロケ地めぐり輪島編の二日目をスタートします。本日は宿で2時間無料でお借りできる自転車が相棒です。輪島市街地はコンパクトなので歩けなくはないですけど、ロケ地は点在してるので自転車のほうが便利です。延長はNGですのでご注意を。

エクスキューズですけど、また輪島には来る予定なので、これまでの放送のすべての輪島市内ロケ地には参りません。朝市の圭太のお店が特定できなかったのと、京極ミズハさんのお宅は今回はパスしました。

輪島と言えば朝市。東側から入って結構西端のほうに歩きます。

「朝の仕事が終わると、お弁当を作り…。みんな揃って、朝ご飯を食べ…。一時間以上かけて、奥能登の中心都市、輪島の高校へ…行く前に、もうひと働き」「輪島市民の台所、輪島朝市です」。

「いぃつもありがとうね! また寄ってくだね!」「他の塩とね、全然違うけんな」「買うてって~!」「しょっぱないやろ? 甘いやろ?」「久しぶりやがいね!」。文さんと藍子さんと希ちゃんの屋台がある朝市です。こちらはバッグや小物を売ってらっしゃるお店の前です。

「希も藍子も、今ではすっかり、能登弁ネイティブです」。文さんが牛乳を飲んでた屋台の裏。

輪島は永井豪先生の故郷なんだそうです。朝市に永井豪記念館があります。

「はい、ありがとうございます。え~っと全部で、600円でいいわ」「洗えたけ?」「うん…。お母さん、どう思とるげんろ?」「何をいね?」「お父さんのこと。最近なんも言わんげん」「希はどう思とるんが?」「うちは別に…。もう怒るとか通り越しとるし。どうせお父さん、東京でまた夢見とるげろ。お母さんもとうとう愛想尽かしたがいね」「ほんながならいいげけどね~」「しょっぱないやろ~。甘いねん」。

「おはよう!」「あっ…何や、一子けね」「何やって何やいね」「なしたんけ?」。電信柱の広告の看板は、撮影の時は別のをつけてありますね。

「せっかくの休みやがに、朝からお母さんと大喧嘩やわいね。進路の紙勝手に見つけて、東京なんか行かせんっちゅうて」「おばちゃんは美容院継いで欲しいげんろ」「朝市って初めて来た」「あん? 初めてなんけ? 輪島に住んどるがに?」「興味ないさけ」「うち、大好き! 朝からこんだけいっぺえ人や集まって働いとるげんよ」「興味ないって言うとるやろ」。朝市には太鳳ちゃんが来店しましたって写真を飾ってらっしゃるお店が結構あって、楽しいです。

「あら! あんたらちや来そうな気やするちゅうて、代わりに行け、って命令されたわいね」「さすが野生の勘やね」

朝市を離れ、南に向かいます。「朝市の手伝いが終わると、ようやく高校へ。小学校の仲間たちとは、今でも一緒です」。

「希!」「あっ、一子! おはよう!」「おはよう! 後でね」「頑張ってね!」。希ちゃんと一徹とみのりちゃんと一子ちゃんと圭太と洋一郎と高志のの母校、石川県立輪島高校です。

「コジマさんはヒットの7割は三塁線やさけ…」弟の一徹は、野球部の戦略担当です」。

「チームを甲子園へ導くための作戦を練るのが、楽しいのだそうでございます」「よし! データ通りや」。

朝市に戻り、朝市の西側からいろは橋に出ます。「なしたんけ?」「徹さん、最近、でかい夢追ってたんですよ。また駄目でしたけど。貝殻ビジネスにスポンサーがつきそうだったんだけど、土壇場で本社からストップがかかって駄目になったって」

「ほらよかった」「生き生きしてたなあ。夢をみてる間の徹さん」

いろは橋を渡って西に進みます。ここを左折しますと鳳至町に入ります。

白菊の白藤酒造さんです。

「高校の思い出に、キリコ担ごうっちゅう事になってん」「キリコ?」
「圭太のおじいちゃんちに、使とらんキリコやあるげんて。ほれ借りて、輪島の祭りでキリコ担ぐげん」「祭りって言うたか?」。元治さんと希ちゃんたちが弥太郎さんのお店に向かって歩いてた道。鳳至町です。

大崎漆器店さんです。撮影では、お店の前に柵と松がありましたけど、どうやら撮影用に設置されたようです。

「お邪魔しま~す」。

「そしていよいよ、輪島のお祭り、輪島大祭の日がやってまいりました」。

「どんだけ困難に遭うても、いっぺん決めたことをちゃ最後まで貫き通せ。「不退転」ちゃそういう意味や」「君らはこれから、自分や決めた道を行く。ほれか、道をちゃ探す旅に出る。ほれはきっと、易しいもんじゃねえはずや。ほんでも、不退転の魂で、自分のゴールをちゃ、目指すけぞ。なっ!」。

「よっしゃ、やるぞ~!」。

「これも、一つの夢かもしれない。キリコを担ぎながら、希は、そう思っておりました」。住吉神社の前。

「みんなで何かをしたいと心から願い、熱くなって、夢中になって突っ走る。そういう熱い思いが、夢なのかもしれない。そう、思っておりました」。キリコがぐるぐる回ってた交差点。

「さっき思てんけど、人生に、夢っちゃ、必要なんかもしれんね」。

「希! 圭太! 行かんけ! 行かんけ! 行かんけ!」「早よ!」「行こう!」「明日、みなと橋に3時、来てくれんか? 話してえ事やあるげん」。

河原田川に戻りまして、川沿いにさかのぼります。

「願書を頂きに来ました。職員募集の」。願書を受け取りに来た希ちゃんが走ってた通路。

希ちゃんが見上げていた輪島市役所。

「2002年春、希は高校を卒業し、社会へと飛び出しました」。希の自転車通勤路。

「一時は、ケーキ職人の道に進む事を夢み、もがいたものの…」

「家族のために、藍子のために、子供の頃から目指した、公務員の仕事を選んだのです」

「さあ、希の新たな、挑戦の幕開けです」

「お父さん頑張って。頑張って頑張って」希ちゃんと徹が市役所の自転車置場へ下るところ。

「うへー」「ほんなら、今日も頑張ろうね」「おう」。輪島市役所の自転車置き場。

「ありがとうございました! ここで働かしてもろたおかげで、夢を応援する素晴らしさを知りました。応援してくれる人の気持ちを知ったさけ、これから、目標に向かって頑張れます。世界一のパティシエになって、恩返ししますさけ。今まで、本当にありがとうございました!」市役所を辞めた希ちゃんがお辞儀してた玄関。

「世界一…希が初めてでかい口を!」「希! 頑張るましや!」「キミさんにもお世話になりました」。市役所を辞めた希ちゃんが見上げていた建屋。

ロールケーキ甲子園からの帰り、市役所前で希ちゃんが降りたバス停。

撮影では高速バスの停車場でしたけど、実際にはのらんけバスです。高速バスのバス停は旧輪島駅とマリンタウンです。

市役所ののぼり。

市役所の通りを挟んで北側。公園になっています。

永井豪先生モチーフの市内地図。

こちらを下ります。

「まさか、こんなに悔しいとは。こんなに、こんなに、悔しいとは」「ごめん、忙しいがに」「いや…」「うち、輪島市役所に就職する」「ほうやってな」「うん」「コンテストに落ちて、思とった以上に悔しかってんよ。ボロカス言われて落ち込んで、ほのあと圭太に会うて、輪島塗の話を聞いて。やっぱり夢やあるっちゃいいなって思てん。ほやけどうち、お母さんをちゃ置いていかれん。知っとるやろ。うちのお父さん、全く頼りにならんさけ。これからはうちが手助けしていかんと。ケーキは趣味でいいげ。うちはやっぱり、夢より家族が大事やさけ。ほんでも、理屈に合わん事言うけど…。圭太の事は応援したい。もし、圭太の気持ちが変わっとらんかったら…」。希ちゃんが圭太を待ってた河原田川の中州の公園。

「早いね。もう来とったん?」

「えっ?」「ごめん! ないしょにしとって。ほら、圭太って、昔希のこと、好きやったやろ。ほやさけ、言うが恥ずかしくて。また話すわ」

「これから輪島塗の器、見せてもらうげん。ほんならね。行こう!」「早かってんな」「ほうやわいね。楽しみにしとってん」

弥太郎さんの使いで圭太が自転車で走ってるのを希ちゃんが見かけた河川敷。

「圭太!」「一子」「何しとるが? 傘も差さんと」。端の欄干がリニューアルされているようで、撮影当時とはデザインが違いますね。

「急に降ってきてんわいえ」「ほやけど…。仕事終わったんけ?」「いや、じいちゃんに頼まれて買い物」「じゃあ、待っとるさけ。仕事終わったらご飯食べんけ?」「だら。終わってからが俺の修業時間やがいえ」。圭太と一子ちゃんが話してる橋の下を、気にしながら通る希ちゃん。

「ああ、もうどうしよ! できるだけ力になりたいげんけど、何でもかんでも手ぇ出しとったら時間も人も足らん。規則っちゅ大きな壁もあるし…」。希ちゃんとみのりちゃんのOLランチの定位置。

「へへへへ…。希ちゃんは変わらんね、就職しても」「あん?」「人の事でもいぃつも一生懸命でジタバタ頑張って。移住もほういう風に思いやれればいいがにね。来る方と迎える方がお互いに」「そうなの」

「俺のことも思いやってくれんけ。なして一子と圭太や…」

「能登の男でいいがなら、俺でいいがいえ~!」「うるさいね! なしてOLの昼休みに参加しとるんけ」

「元はといえば、お前や圭太をちゃ振ったさけやがいえ! 責任とって…俺とつきあえ」「行かんけ」「うん」

「俺とつきあえ! じゃあ、みのり! みのり~!」「わあ~!」「待て~!」

「まあほんだけ興味を持ってくれったちゅうことで、希ちゃんの体験ツアーは大成功ってことじゃダメけ?」

「みのりって、なんやそんな良い人なん?」「えへへ。偉い偉い。がんばったねー」「いただきます」「いただきます」「うわー」「圭太、実家でどうしとるんやろ」「実家?」「弥太郎さんとこ出入り禁止で、実家に帰っとるげんよ」。

「帰っとらんよ。知らんが?」「え?、ほんならどこにおるげ?」「あのねー」

「幸枝ロベールさんちゅうげんて。旦那さんやフランスの人で」「旦那さんちゅことは、希ちゃんのおじいちゃん?」

「今はほうなるけど、うちの本当のおじいちゃんとは、うちが生まれる前に離婚してんて」「ああ…」「全然知らんかったわ。何か昔から、おばあちゃんの事は聞いたら駄目な感じで。ああ~。あのケーキうまそうやった~」「クロワッサンおいしい!」「へへへへへ。でも、なしておばちゃん、そんなに怒っとるんけ?」「分からん。お父さんは知っとるみたいねんけど、「俺の口からは、言われん」、ちゅて教えてくれんげよ」

市役所の西側の橋を渡ります。渡った先を右折。

ロールケーキ甲子園に落ちた希ちゃんがトボトボ歩いてた道。

希ちゃんがトボトボ歩いてた川端。

いろは橋の北、昨日のみなと橋を渡らずに川の西岸を北上して、輪島港に向かいます。つきあたりのここ。

カモメが飛んだ。

この先は立ち入り禁止のため入れません。

「一子とは、うまくいっとるんけ?」「ああ…うん。漆の作業場にもよう来とる。理容学校の帰りに寄ったり」「美容師さんの勉強、真面目にやっとるんや」「ほやけど、諦めとらんげよ、東京は」。希ちゃんと圭太が話してた防波堤。

「よ~い、どん!」「なしてん?」「早よ!」「えっ?」

「圭太はどうなんけ? 漆、楽しいけ?」「ほりゃあ、お前…。やめた。またじんましん出されるし」「いや、あれは…」「お前はどうねん? 市役所」「うまくいっとるよ」「へえ~」「何やいね?」「この前実家に物取りに帰ったら、おやじや言うとったさけ」「何を言うとったんけ?」「とても言われん。気の毒で」「言うてま! ほこまで言うとって」「あんな使えん新人は見た事がない。人事はどこ見て採用しとる。お荷物だ。厄介者だ」「ほんな…ほんなまともに全部言う事ないがいね!」「お前が言えっちゅうてんがいえ」「ほこをちゃオブラートに包むがや社会人ねんよ」「何で包もうが中身はおんなじやろいえ」「もういい! ちょっとさみしいと思ったうちやだらやった」「あん?」「あんたやったらみのりんとこのゴンタとしゃべった方がまだましやった」「ゴンタって、犬かいえ!」

「カモメ~! うちとしゃべろう~!」「俺かってな、お前としゃべるより… タイヤ~!」「ふん! カモメ~!」「タイヤ~!」「カモメ~!」「タイヤ~!」

「そうだ。んっ、これ、食べて」「えっ?」「ほんなら」「希! これ、めえな!」

「♪Hello hello I'm here so flying」。京極さんのライブをやっていた市場。輪島漁港です。

「今日の演奏が入ったCD、こちらで、お売りしとりま~す! あっ!」「会場の外で売るとは考えたわいね。外なら、条例も関係ないさけね」「お客さんのために、規則の抜け道を探すのが、本当の仕事やって、市役所のトイレの神様に教えてもろてん」「あっ、おとうさん! 京極ミズハのCD…」「バナナのたたき売りかいね」「CD売っとりま~す! 買うとって~!」「ありがと」「えっ? 何ですか?」「あっ…もっとちゃんと売れって言ってんの。余ったら市役所が買いなさいよ」「市役所?」「え~やばい、やばい!」「何で市役所?」「えっ? あんた誰?」

マリンタウンに戻って参りました。海際に建っております、輪島キリコ会館です。入館料620円也。

チケットカウンターにありました、まれの不退転キリコの模型。

小ぶりのキリコ。

奥にある大ぶりのキリコ。

まれキリコもありました(^_^)/。

金沢行きのスーパー特急がやってきました。直前に着く金沢からの到着便は回送になりますからご注意を。

輪島から金沢に戻ってまいりました。

これにて、今回のまれロケ地めぐりはおしまいです。また8月に戻ってきたいと思います。それまで、どんな想い出がつまるのでしょうね。


まれロケ地の旅 ―20150613 能登①輪島1―

2015-06-13 23:19:54 | 連続テレビ小説まれ

今年の梅雨は、カラ梅雨なのかしら。農家のことを考えると、降るときは適度に降ってほしいと思いますけど、近年は不必要な集中豪雨があって、降らないのは心配です。それでは平成27年度上期連続テレビ小説まれ、地元のロケ地巡りはじめます。

金曜日に名古屋と大阪で仕事をしまして、土曜日は新大阪発です。なので、今回の能登旅は、東京-名古屋-大阪-金沢-輪島-金沢-東京。中部日本一周です^^;。サンダーバード11号。

やってまいりましたは、金沢。

まれのお菓子作りコーディネーターの辻口さんが出迎えてくれました。

ちょうどお昼でしたので、金沢駅内の金沢まいもん寿司。まいもんはまれに出てくる輪島のカフェですね。

金沢まいもん握り。

なにしろ、自分的未踏4県のうち本州最後の県だった石川県ですから、さっぱり土地勘がなく、輪島行き北陸鉄道が座れるのか心配してました。東口のスタバで待ってたら輪島行きの1番のりばに続々人が集まったので慌てて行ったら、観光バスの集合でしたw。

結局輪島行きは自分を入れて10人くらいでガラガラでした^^;。

輪島行き北鉄バス終着の輪島マリンタウンです。

迎えてくれたまれ告知。

まれのぼり。

それでは、さっそくロケ地めぐりでございます。今回はマリンタウン初です。マリンタウンに入るこの交差点を右に向かいます。

ここをまっすぐ。

輪島はこのような板壁のお宅が多くて、それが独特の空気感をつくってます。

ここを左折。

この三叉路は、JR東日本の大人の休日のポスターで使われていましたね。

輪島川沿いに見えてきました赤い吊り橋。それではまれロケ地めぐり輪島編1日めスタートです。

「おやじさんのせいやってんな。お前の夢嫌い」「あん?」「みのりに聞いた。6年ぶりに帰ってきたって」「ああ…」。高校時代の希ちゃんと圭太が歩いてた橋の上。いろは橋です。

「ごめん。ほんな事情知らんと、つまらんやつとか」「いいよ。圭太の言う事も、本当は分かるさけ」

「昔は、結構本気やってん。ケーキ職人の夢」

「最初は、お父さんの買うてくれたバースデーケーキがうれしくて。みんなして、笑いながら食べたがや幸せで。自分でも作りたなってんね。一生懸命作れば、みんなやおいしいって笑うてくれて。ケーキっちゃすげえって思てん。食べた人が笑顔になってくれる、ほんなケーキ職人になりたいって本気で思とってん。夢っちゃいいもんやって、頭では分かっとるげん。ほやけど…夢は、怖い。もうこれは、長年のトラウマねん」

「夢っちゃきっと、誰でも怖いもんねんろ。お前が言うとったみてえに、何年かかるか分からんし、かなうかどうか分からんし。ほやけど、怖くても、反対されても、離れられんげ。忘れられんさか、夢ねんて思う」

「ごめん。何語っとるげ、俺」「ううん…」

「希は今、能登に来て初めて、寂しさを味わっていました」

「小学校から一緒だった仲間たちは、みんなそれぞれ別の道を行き、ずっと共に暮らした、文や元治とも、離れ離れになってしまったのです」

「おう」「うん。ちょっとだけ、しゃべらんけ?」

「まれ」

「え?」「いや、俺もちょっとあっちに」「なんしたんけ?。急ぐねんけど」

「いや…楽しそうやな、ケーキ作り」「うん。楽しいよ」「やっぱし、あれやな。好きなことっちゃ、楽しいな。俺も夜中まで漆の修業しとるけど、全く眠ならんし」「何やいね? 何や言いたいんけ?」「お前、やっぱり、ケーキ職人の道…」「ならんよ」「即答かいえ」

「今ケーキ作っとるがは、お母さんのためやさけ」「無理、しとらんか?」「あん?」「いや、お前さっき、まんでいい顔しとったさけ。後悔しとらんかと思うて」「後悔?」「市役所に入った事。いらん事ばあかしするっちゅうて、うちの親父も言うとったし」「はあ? 応援しとるげがいね。市民の皆さんを」「応援の仕方に問題あるんじゃねえげ?」「あんた、わざわざ追いかけてきて人の悪口け」「あっ、いや…違う」「ほんならね。急ぐさけ」

「ありがとな! ちゃんと言うとらんかったさけ。俺、お前に喝入れられんかったら、漆やめとるとこやった。ありがとうな。無理しとらんがならいいげん。お互い頑張ろうな」

「うん!」

続いて、いろは橋から海に向かいます。ここを右折すると、現在工事中で車は不通のみなと橋です。

「ごめん。呼び出して」。希ちゃんが圭太を待ってた橋の上。みなと橋です。

「ううん」。圭太が自転車を置いて希ちゃんのところに掛けてきた橋の上。

「希」「はい」「俺…。俺にも夢やあるげん」「…はっ?」「輪島塗の、漆職人になりたいと思とるげ。正直、迷とってん。おやじには反対されとるし、漆の世界も甘えもんじゃねえし。ほやけど、お前とまた会えた。キリコの漆も直せた。ほしたら、何か、自信やついた。腹や決まった。高校やめて、じいちゃんとこで、漆の修業する。俺の心は変わらん。俺と、つきおうてくれんか? お前や側におったら、頑張れる気やするげん」。

「輪島の漆は日本一! なんも、世界一ねん! 漆やあればなあもいらん。俺は漆に人生懸ける!」。

「圭太」「うん」「じんましん出た!」「えっ?」「かい~!」。天才犬が歩いてた橋の上。

「ごめん。雨やがに、また呼び出して」「ううん」。希ちゃんを呼び出した圭太が待ってた橋の上。

「こないだ、村の放送で言うとったやろ。「夢の事をちゃ置いといたら」ちゅうて」「うん」「置いとくがは、やめてくれんけ」「あん?」「輪島塗っちゅう夢やあるがや、俺やさけ。勝手に置いとかれたら迷惑ねん」「すいません」「俺は真剣に漆と向き合うとる。漆に惚れとるげ」
「誰や反対しても、絶対に日本一の漆職人になって、日本一の器作るさけ」「日本一、日本一って、桃太郎け!」「あん?」「ほういうでかい事言うがやめてくれんけ。またじんましん出る」「何や桃太郎や」「桃太郎っちゃ日本一ちゅう旗背中にしょっとるがいね」「知らんわいえ、ほんなん」

「小学校の図書室に絵本やあったやろ。あの入ってすぐ右の棚のとこ」「絵本ちゃ入って左やがい。右はお薦め図書」「違います。入って右です。絶対右です!」「お前1年半しかおらんかったくせに」「5年もおったくせに間違うとる」「なら学校に電話して聞いてみるかいえ」「日曜やがいね、だ~れもおらんわいね」「おるかもしれんがい! ほういうところや駄目ねん。大体え、お前ケーキ職人どうするつもりねん?」「はあ? なして今、そんな話」「やりもせんとってごちゃごちゃ言い過ぎねんわいえ。何でも、やってみな分からんがいえ」「ほれとこれとは話が別やろがいね!」

夕方についたので、今日のロケ地めぐりはこれまで。

輪島の大将にご挨拶いただきました。

明日も輪島をめぐります。


2015J1リーグ第15節松本山雅vsFC東京@アルウィン20150607

2015-06-08 19:12:09 | サッカー

梅雨が近づいてきてて山の天気を心配しましたけど、週末はなんとかもちました。

今年2回目の松本でございます。松本にはファジを観に毎年来てましたけど、2回以上来るのはおひさま放送中以来(^-^)/。

試合前に、四柱神社近くのミユキドウさんに寄りました。まれのせいでスイーツ王子の復活です(^^;;。
「これからシャトルバスですか?」
「え?、あ。はい」
「いえ。FC東京のユニフォーム着てらっしゃるから」
「はいo(^▽^)o」

話が聞こえたのか、厨房からご主人が出てらっしゃいました。
「僕なんかのころは松本は野球だったけどねー。サッカーは面白いねー。スピード感がぜんぜん違うよ。見ててワクワクするよ。今じゃすっかりサッカーにはまっちゃいましたよ」
「ですかー」
「やっぱりねー。J1はぜんぜん違うね。スピードがもうJ2とぜんぜん違う。去年までは追いつけたのが今年は追いつけないもん」
「そうですね。J1とJ2は明らかにスピードと技術が違いますね」
「やっぱりJ1は選手が凄いわ。お金ないとしんどいねw」
「いえいえ。今年の昇格チームはみんな頑張ってると思いますよ。例年は勝てないチームが多いけど、今年は勝ててますからね。よくご覧になるんですか?」
「そう。スカパーでね。スカパーでしか見られないの。でも、テレビでも面白いね」
「90分って時間だけ聞くと長いと思うけど、あっという間ですよね」
「うん。集中して見てるからあっという間。うちは家族中で山雅を応援してて、今日も家族がアルウィンに行ってるよ」
「そうなんですかー。松本市内で山雅をサポートされてるお店いっぱいありますよね。そこに伺うと皆さん、サポートしてんだけどアルウィン行けなくてねーなんて苦笑いされるんです」
「そう!。僕も滅多に行けないの。家族みんな僕だけ店に置いてアルウィン行っちゃうのw。まったくもうだよねw」
「マジすかww。切ない」

「今日チケット売り切れだってね。FC東京のサポーターは凄いね。満席になるのは、FC東京と浦和とマリノスくらいかな?。応援も一体感があってかっこいいしね。今日なんて日曜日なのに街が静かでね。みんなアルウィン行っちゃったんじゃないかって。僕だけ置いてw」
「ww。まあ東京は近いですからね」
「どこからいらしたんですか?」
「東京です」
「そりゃわかってるw」
「あ、武蔵小金井です」
「あー。じゃあ中央線で一本だ。泊まり?」
「ごめんなさい。ナビスコで来たとき泊まったんで今日は日帰りです」

「そう。FC東京のユニフォームはかっこいいよねー。街で見かけても目立つもの」
「ですかね?。派手で、最初は抵抗あったんですけど、最近は麻痺して見て見てって思います。山雅の緑も(某チームと比べてという暗喩を込めて)落ち着いててかっこいいですよ」
「いやぁ、地味地味。分かんないもん。武藤ドイツに行っちゃうね。FC東京は若いイキのいい選手が次から次へと出てきて、本当に凄いね。見てて楽しいもの」
「ありがとうございます!。育成は長い時間かかりますから、やっと実りの時期が来たんですかねー。でもね、育成は大事だと思います。やっぱり地元で育った選手がいると応援に力が入りますもん。山雅もいつの日か」
「だねー。あんまり引き止めちゃシャトルバスに間に合わなくなっちゃうから、そろそろ向かわないとw」
「はい。ありがとうございます。ごちそうさまでした。楽しかったです。今日はお手柔らかに」
「だねー。勝つよw」

前置きが長くて失礼しました。本日は、連敗中の山雅です。5月16日の神戸戦以来、ナビスコカップを含め勝ち点がありません。

本日のYou'll Never Walk Alone♪

本日の中央線♪

17,617人のアルウィン

拳人のJ1初出場初先発初シュート初ゴールとよっちの送別カウントダウンゴールで先制するも、山雅らしい激しいプレッシャーに追い立てられヒヤヒヤしましたけど、どうにかこうにか逃げ切りました。

東京はモリゲがサスペンションです。リーグ戦のキャプテン不在は、最近はあまり記憶がなく、技術的にも精神的にも心配しました。シフトはスクエアな4-4-2。GKは権田。CBは今日はカズとまるのユースコンビ。SBは徳永と宏介。ボランチは梶山が戻り秀人と組みます。メイヤは右にたま左に拳人がJ1初出場初先発。2トップはよっちとラサッドです。実にスターターの7人がユース出身。

山雅は最近スタートスコッドを固定しています。シフトは3-4-2-1。GKは村山。3CBは右から飯田、大久保、酒井。ボランチは岩間と喜山。WBは右にはゆま左に岩沼。2シャドウは右に岩上左に前田。1トップはオビナです。

山雅は、おおまかに言うと二つのプランを持っているチームです。オリジナルプランと、しんどい時の保険のBプランを持っています。はじめに申しますと、後半の割り切ったサッカーをスタートからやっていたら、試合の結果は違ったものになっていたかもしれません。

表現が難しいのですけど、最初山雅は山雅らしくキチンと崩そうとします。ご覧になったかたは、後半のサッカーと対比すると趣旨をお分かりいただけると思います。

ちょっと流れから離れます。山雅らしさとは何か。山雅のウィークポイントは、反町さんもサポも松本市民も松本出身でいま故郷を離れているかたもみなさん仰るとおり、戦力です。誤解を恐れず言えば、少なくともアタッカーの質は、個の力でJ1のディフェンダーに勝負できる選手はひとりもいません。このことについては、湘南と山形には当てはまらないことで、チーム編成のスタートから大きなハンデを山雅は負っています。もしかすると、昨年の昇格すらもハンデを負っていたかもしれません。正統なエクスキューズだと思います。

そこで反町さんは、ひとつのコンセプトを立て、それを徹底します。一般に山雅は、走量で評価されますけど、これは湘南も山形も同じですから差異化には当たりません。山雅の山雅たる所以は、コンタクトです。

コンタクトと言えば綺麗ですけど、もうちょっとありていに表現すると、肉弾戦です。山雅は、ピッチ上の全員が、相手との距離を可能な限り縮めようと試みます。J1のアタッカーはスピードとテクニックで勝負できるタレントを持っていますから、山雅の勝負どころは、そのタレントを機能させる時間を与えないことです。山雅が走るのは、可能な限りはやく距離をゼロにするためのアプローチです。

これは守備だけのことではありません。通常攻撃の考えの発端は、守備陣のギャップを狙うことにあります。言い換えるとディフェンダーと距離を置くことを基本的な考えとします。ところが山雅はこれに反します。山雅のアタッカーは、意図的にコンタクトを仕掛けてきます。これには二つの意図があります。ひとつは、山雅のストロングポイントであるWBを活かすため。もうひとつはセットプレーです。

極端に言うと、前半と後半のプラン変更は、この二つの使い分けでした。前半は、はゆまと岩沼をフリーにしようと試みます。まず3トップが最終ラインを引きつけます。オビナはカズ、前田は徳永、岩上は宏介に寄ります。バイタルエリアに3人を並べると、WBが走りはじめます。基点は2シャドウ。SBを背負い、オーバーラップするWBに落とします。この時ゴール前には、オビナと逆サイドのシャドウとWBが上がっていて、クロスのターゲットは数的には複数準備できます。

ゴール前はタイトですからPKもありますし、こぼれを狙うこともできます。山雅のディシプリンは、守備側の集中が切れた瞬間にこそ、効果を発揮します。ようするに山雅の差異化は、タレントのある選手が多ければ多いほどやらなくなるプレーを選択し、それを徹底するディシプリンによって育まれています。

ただ、前半の山雅は少し戸惑っているように見えました。基本的にJ1での山雅は、むしろ相手にポゼッションを渡すことでリズムを作ります。ところが今日は指向性が同じ東京です。たぶんいつもよりボールを持てる頻度が高かったと思います。反町さんのことですから織込み済みだったとは思いますけど、実際に組んだ選手の感覚では、想定以上に東京の守備もタイトで、コンタクトに対しガチで挑んできますし、故に基点が思い通りに機能せず、知らずしらずパスの出し手が攻撃ルートをイメージできなくなっていったと思います。山雅が後方でパスを回すシーンが多かったのはそういう理由でしょう。

今日の東京は、トップで基点を作ってメイヤを呼び込み、手数をかけず裏に飛び出す高速アタックを志向していたと思います。最初はラサッドとよっちを横に並べ、基点を分散します。ところがこれではタイトマークが信条の飯田、大久保、酒井の思うツボです。それでも序盤は右サイドに流れるラサッドを経由してたまを抜け出させようとします。これは山雅守備陣にはばまれます。

そこでミステルはアジャストします。20分頃からラサッドとよっちを縦気味に並べ、バイタルエリア中央付近を漂うラサッドにボールを集めます。縦配列というか、ラサッドがポストを受けに下がったといったほうが正しいかもしれません。これが機能します。ラサッドの足元におさまるようになって、それまでほぼ消えていた拳人がラサッドとの距離を縮められるようになります。ラサッドの落としを直接拳人が受けたり、あるいはラサッドからたまに展開して、逆サイドからよっちと拳人が飛び込むシーンが見られるようになります。

もしかすると山雅は、マンマークを徹底するため、マークの受け渡しにタイミングのギャップができる癖のようなものがあるのかもしれません。ようやく東京の攻撃に可能性を感じられるようになり、そして結果が出ます。

27分。ハーフウェイ付近のやや左でまるにボールが渡ります。まるはルックアップ。ライン際、はゆまの背後を宏介が上がっています。これを見たまるははゆまの裏を目掛けた超絶フィードを送ります。これが、はゆまがギリギリ届かないところで宏介におさまります。アタッキングサードに入ります。宏介は、絶妙トラップからドリブルではゆまとの間合いをはかります。松本陣深くに入ったところでマイナスのクロスをゴール前に送ります。宏介にしては珍しくルックアップしない六感クロスです。これが村山とラインの狭い狭い間に通ります。これに合わせたのは、飯田の背後から飛び込んできた拳人でした。拳人は左足を伸ばしてつま先で触りました。山雅0-1東京。

初出場初先発初シュート初ゴールの快挙に、心からセレブレーションを贈りたいと思います。序盤は消えていただけでなく、パスが来てもミスしていてリズムにのれていませんでした。アップの時から表情が固かったので心配してたんですけど、自分の力でプレーのなかで打開できたことは、大きな自信につながるでしょう。

山雅の戸惑いは、山雅にとって歓迎し難い展開となります。リードした東京の試合運びはご存知の通り。モリゲ不在でコントロールできるかと心配してましたけど、無用でしたね。タイトマークで山雅の基点を消し、流れのなかでの可能性を与えません。肝心のセットプレーも、1on1を基調とする山雅のタイトアタックに耐えます。

スコッドこそ主力を欠いていましたし、シフトもオリジナルではなかったですけど、ある意味普段着の東京を実践し貫けたことは、チーム全体の底上げとコンセンサスの高さを感じられて、とても誇らしいと思います。そして、逆にこれまでの東京に足りなかったことを、あの男が成します。

前半アディショナルタイム。大久保のハンドリングで得たPKを、よっちがゴール左隅に丁寧に流し込みました。山雅0-2東京。

東京は、リードするとリトリートしますけど、願わくば前半のうちに効果的に加点できればよりオーガナイズを確かなものにできます。カウントダウンの主役が、置き土産のようにチームの成長を示唆してくれました。

前半は、相変わらずおもしろいかどうかはともかく、理想的な東京の試合運びのまま終了。

後半の反町さんのアジャストは、とてもシンプルで鮮やかでした。繰り返し山雅が取り組んできたBプランだと思います。いわゆる縦ポン。ただしただの縦ポンではなく、殺傷能力を感じさせる、斧のようなロングカウンターです。要素はやはり、タイトコンタクト。あえてオビナを守備陣にぶつけて無理矢理引き寄せ、シャドウが一気に裏を狙います。単純に聞こえるかもしれませんけど、とてもコレクティブです。もちろん一発で成功するとはもとより思ってないのでしょう。集中を切らせずこぼれ球を狙い続けます。これを繰り返しているとさすがに、守備網にほころびができる必然的な奇跡が何度か生まれます。山雅の勝負はそこから。

反町さんが動きます。岩沼に代えて飯尾を投入します。ロングカウンターモードになったので、クロッサーよりロングランできる選手にリフレッシュするという意図でしょう。

時間を追うごとに、ほぼ山雅に一方的に攻撃権が渡ります。リトリートも、能動的ではなく受けに回ると、時間が長ければ長いほどリスクが高くなります。そして、ついに山雅の圧が東京を凌ぐ時が訪れます。

63分。山雅の武器、岩上の右ロングスローから。山雅はゴールエリアに前田を置き、手前にニアから喜山、オビナ、酒井が並びます。遅れ気味にニアに飯田、ファアから大久保が飛び込んできます。東京はゆえにマンマークを強いられます。岩上の狙いはオビナ。拳人と競ったオビナのヘッドがフリックになって、ファアに入った大久保の前にこぼれます。大久保はマークの徳永をガードしながら、ゴールに背を向けてバイシクル。これがゴール左隅に決まりました。ゴラッソ。山雅1-2東京。

直後にミステルが動きます。ラサッドに代えて容平を投入します。ラサッドのコンディションが落ちたようには見えなかったのでタクティカルな交代だと思います。

試合後にラサッドはコンカさんと話てたのでもちろん本意ではなかったでしょう。後半に入りラサッドはほとんどポストをさせてもらえなくなってましたから、ポストの形を変えてマーカーの慣れのギャップを作りたかったのかもしれません。容平も動くタイプのポストプレイヤーですけど、ラサッドの浮遊感よりクイックです。ところがこれは、むしろ逆効果になります。ポストに預けるタイミングと、ポストの落としを拾うタイミングが合わなくなります。

ミステルが動きます。拳人に代えて陸を投入します。拳人のコンディションを考慮したのだと思います。

反町さんも動きます。岩間に代えて吉を左シャドウに投入します。前田を一枚下げます。縦にシンプルに飛び込める選手を前線にはらせ、泥臭さ濃度を高めます。

さらに反町さんが動きます。前田に代えて坂井を投入します。いよいよパワープレーに出ます。坂井は左CBに入れ酒井が右に回ります。飯田を最前線に上げ、オビナと並べます。山雅はさらにシンプルさを増し、とにかく飯田を目掛けます。

攻撃権が山雅にほぼ固定されたので、覚悟を決めたのでしょう。ミステルが動きます。たまに代えて慶悟を投入します。守りきることを意識したリフレッシュだと思います。同時にシフトを5-3-2に変更します。

この徹底が良かったかもしれません。結果的にも防戦一方になりましたけど、現実として勝ち点3が残りました。

山雅の猛攻も、このまま試合終了。山雅1-2東京。

拳人の初々しいシュワッチ

山雅は、100%山雅らしく、山雅に与えらた環境で、全力で山雅に徹しています。結果は最大限努力するプロセスの果てにあるもの。だからリスペクトしています。連敗が続くことになりましたけど、スターターが変わらないことが表す通り余白はおそらく多くはないので、可能性を待つのみでしょう。願わくば、山雅サポさんは現状を悲観することなく、J1のクオリティを脳裏に焼き付けて、山雅を内から成長させる力になってあげて欲しいと思います。山雅に感じる違和感は、サポと街のホスピタリティーの美しさと相反するプレーの荒さです。現編成では是非もないのは確かなので、いつの日か松本の街にマッチする個性的で美しく楽しいサッカーができるチームを作れるよう、いつまでも熱く厚くサポートしてあげて欲しいと思います。大好きな松本の街の大好きな山雅サポに、毎年お会いするのを楽しみにできることを心から願います。

よっち送別カウントダウンは、ユース中心の編成でユース出身者が活躍するという、理想的なスタートを切りました。ポストよっちを期待させる選手も名乗り上げはじめています。残り2試合。まずは怪我がないことを祈ります。そしてできるだけよっちのプレーを見つめていたいと思います。もしもうひとつ願いを聞き届けてもらえるのなら、よっちらしい躍動感あふれるゴールを、もう一度みたいです。


2015J1リーグ第10節柏レイソルvs浦和レッズ@日立台20150603

2015-06-04 18:53:21 | サッカー

ずっとこの時期らしくない乾燥が続いていましたけど、今日からにわかに西日本で梅雨入りだそうです。朝からの雨は夕方にはあがり、綺麗な夕焼けが見えました。

本日は、加賀さんに会いに日立台でございます。怪我が心配された加賀さんが、今週大原の全体練習に参加してる動画がオフィシャルにアップされていました。那須がサスペンションということもあり、ひょっとしてスコッドに入るかもと期待して、レイソルサポさんに囲まれた加賀シートで急遽参戦です。で、またも…。

気を取り直して、1stステージぶっちぎりの首位浦和(ACL敗退)と、ACLラウンド8進出(1stステージ15位)という対照的なチーム同士の注目の対戦です。ミッドウィークにもかかわらす日立台は全席完売とか。考えてみれば加賀さんを追っていると好マッチに当たる確率は高くなりますね(^-^)/。

見違えるような闘いを観せた柏がゴールを積み重ねるも、ムトゥの劇的な同点ゴールでドロー。

柏は、エドゥアルドがサスペンションで不在ですけど、それ以外はほぼベストメンバーで臨みます。ACLモードの柏を確認する絶好の機会です。シフトは4-2-1-3。GKは菅野。CBは今日の大輔の相棒は中谷。SBは右にキム・チャンス左に輪湖。ボランチは茨田と大谷。トップ下は今日は徹郎。WGは右に工藤左にクリスティアーノ。1トップはレアンドロです。

浦和も那須がサスペンションです。シフトはおなじみミシャの3-4-2-1。GKは周作。3CBは右から森脇、永田、槙野。ボランチは勇樹と陽介。WBは右に関根左に宇賀神。2シャドウは右に梅崎左にムトゥ。1トップはスロベニア代表に選出されたズラタンです。

試合はいきなり動きます。

1分。左ライン際ハーフウェイ付近でボールを持った宇賀神がそのままドリブルで柏陣に入ります。宇賀神はドリブルしながらルックアップ、チャンスが寄せてきています。前線はニアの前目にムトゥ。上がっていたズラタンがパスを受けに寄ってきています。それぞれ大輔と茨田がついています。この時、中谷の背後からダイアゴナルに梅崎が上がっていました。これを見た宇賀神がスルー。ひとり抜け出した梅崎は、右足トラップで寄せてきた菅野をかわし、左足で体勢を崩しながら流し込みました。柏0-1浦和。

両チームの今日のゲームプランを確認させてもらう間もなく、早々同点ゴールが生まれます。

6分。周作のパスをペナルティエリアで受けた永田が、クリスティアーノの寄せを見て周作にホスピタルパス。周作はレアンドロが寄せてきたので慌ててクリアしようとしますけど、このボールが工藤に渡ります。工藤は寄せてきた陽介を右足トラップでかわし、バウンドのタイミングをはかって右足で流しこみました。柏1-1浦和。

少なくともリーグ戦を観た限りでは、2015浦和は、先行逃げ切りの脚質を目指すことで落ち着いたようです。いきなりオープンアタックを仕掛けます。

今年の浦和は、サイドにストロングポイントがあります。先行するために、サイドアタックのギアをトップに上げて、サバンナの獰猛な獣のごとく相手を混乱に落とし入れます。まず、2シャドウが絞る動きを見せ、SBを引っ張ります。するとサイドにスペースができます。そこで両WBを最前線に位置取らせます。これでセットは完了。点を取りに行く時の浦和は、このセットまでの一連の動きはとてもはやく、ゆえに手数をかけず一気にアタッキングサードに入れます。しかも5人も。アタッキングサードで関根、宇賀神にボールが入ると、左右個性の違うドリブル、クロスでゴールに迫ります。さらに今年の浦和は、サイドでつまりそうになった時の判断と打開のスキルがとても高いのも特長です。WB同士でダイレクトかつ高精度にサイドチェンジをします。ここが今年の浦和の強さの所以かなと思います。間断なく左右から攻め立てられますから、守る側は後手後手に回らざるを得ません。ACLがなくなって関根と宇賀神にほぼ固定できるようになった効果だと思います。

5月以降、浦和が手がつけられなくなっているもうひとつの要因は、3トップの連携の向上でしょう。極端に言うと、ACLの失敗はターンオーバーです。3トップが定まらず手探りの状態が続き、結果練度がなかなか上がりませんでした。打開できたのは、なんと言ってもムトゥのフィットが大きいでしょう。気がはやいですけど、もし浦和が1stを獲ったら、MVPは間違いなくムトゥだと思います。ムトゥは前線の第2の軸です。ポストを収めるいわゆる基点はトップの役です。これが第1の軸。右シャドウが比較的自由にスペースメイクするのに対し、ムトゥは基本的に位置を固定し、可動域はペナルティエリア左半分です。ムトゥは、シャドウの名とはうらはらに、姿を晒します。相手がついていても自分の仕事ができるところがムトゥの凄みです。ムトゥの存在で、たぶん浦和の選手は攻撃ルートを意識することができているんだと思います。それが、コレクティブな攻撃の威力とその安定感を生んでいると思います。

守備側は、たとえば今日は4バックですけど、なかの3人に両CBと片側のSBに引っ張られますから、必然的にサイドがどちらか空きます。サイドへの展開と躊躇ないサイドチェンジで、空いたサイドを攻めます。この一連のコレクティブなアタックがとてもスムーズかつクイックなので、ボランチがフォローする猶予がありません。まる裸になった最終ラインは、後は必死のマンマークでゴールをケアするしかありません。

この浦和のコレクティブで高速ワイドアタックの起点は、陽介です。浦和が獰猛なモードの時は、逆に陽介はクールに見えます。基本的に中盤の真ん中を動きません。そこから、関根と宇賀神にフィードを供給します。このモードのときは、ひと度サイドにボールが渡ると手に負えなくなりますから、対策としたら陽介を抑えるか、5バックでフルマンマークするしかありません。

柏は前者を選択しました。15分あたりから、徹郎とレアンドロに陽介をマークさせます。浦和が獰猛モードから通常モードに移ったこともあり、ようやく試合が落ち着きます。

一方柏は、日曜日と打って変わって攻撃がつながります。まるで別のチームかのようです。シフトは変わらないのですけど、ちょっとした工夫があります。まず、攻撃時に大谷が上がり、中盤が逆三角形になります。これで両ボランチのマークをひきつけます。

つぎに、浦和の3CBに対し3トップがマッチアップします。森脇にクリスティアーノ、永田にレアンドロ、槙野に工藤です。こうして浦和守備陣にスペースではなく人を意識させます。柏は後方でパスを回しながら、この状況ができるのを待ちます。そしてタイミングが来ると、レアンドロが永田を剥がしてバイタルエリアに下がります。永田はこのマークがあいまいでした。レアンドロは余裕を持って足元でパスを受けることができるので、ポストが安定します。

レアンドロの落としは、徹郎と大谷がつないで、レアンドロをオーバーする工藤とクリスティアーノに渡します。ここからは二人のがんばりです。今日は、とくにクリスティアーノが積極的に縦への仕掛けを意識していたようです。工藤もクリスティアーノも最前線でボールを失いません。それが、チーム全体の推進力となっていました。

柏のフィニッシュでおもしろかったのは、チャンスからのクロスを逆サイドのクリスティアーノもしくは大谷がダイレクトで合わせるパターンです。森脇が対応しきれていなかったので、一本でも決まっていたら試合の結果に影響していたと思います。

さて、アクシデントが起こります。20分過ぎにズラタンがコンタクトで負傷します。代わって興梠が入ります。ズラタンと興梠は、少しプレースタイルが違います。ズラタンのほうが縦にはやいかわりに興梠ほどのプレーエリアの広さはないような気がします。トップ変更の影響があったのか、攻撃の連動性のクオリティが少し下がったような気がしました。

柏が守備のバイタルエリアを閉じ、攻撃のバイタルエリアを有効活用することで、次第にイニシアチブは柏に渡ります。そして追加点が生まれます。

38分。アタッキングサードにかかったあたり、中央やや右寄りのクリスティアーノのFK。強烈なドライブショットを周作が弾いたところにレアンドロがつめていました。柏2-1浦和。

良い流れのなかで、良いタイミングで逆転できて、結果が伴うことで柏がいっそう安定します。ピッチサイドで見ていてもコミュニケーションを取り合っていて、チームがノレてきた印象がありました。その点でも、日曜日とは雲泥の差です。

今年の柏は不思議なチームですね。粘り強くターンオーバーを続けていて、フィット感のない組み合わせで我慢する試合も少なくないのかもしれません。それと、もしかしたらチャレンジしがいのある相手だと燃える気まぐれさも持っているのかもしれませんね。前半は柏リードのまま終了です。

後半頭からミシャが動きます。梅崎に代えて忠成を同じ右シャドウに投入します。浦和がアタッキングサードになかなか入れなくなった要因は、陽介を封じられたこととトップのプラン外の交代だと思います。前線でポストを受けられる忠成を入れて中央の基点を増やす意図だと思います。

もう一つ工夫します。陽介を前に出します。起点を前に移してチーム全体の重心を押し上げようという意図かもしれません。加えて陽介は活発にスペースメイクのために動きます。高速ワイドアタックから、ショートパスベースのポゼッションに移行しようとしたのでしょう。ただこれはうまく機能しません。陽介を大谷と徹郎が自由にさせません。依然、柏にイニシアチブが残ります。

ミシャが動きます。宇賀神に代えて和を投入します。ドリブラーからクロッサーに代えましたので、重心が低くてもシンプルにゴールを狙えるパターンを用意する意図かもしれません。それからセットプレーの高さ。それに和にとっては、ただいま日立台マッチですから。

ミシャさんが意図したかどうかわかりませんけど、直後のセットプレーで試合が動きます。

68分。陽介の右CK。柏は例によってフルゾーンです。浦和はゴールエリアに慎三を置いて、ペナルティエリアにニアから永田、忠成、和、槙野、大外に勇樹が並びます。当然、飛び込む浦和に対し、球際で柏が競る構図。1on1の競り合いに負ける心配が無い反面、スタンディングからのジャンプになるので不利なような気がしますけど、いずれにしろJでは珍しい守り方です。陽介の狙いは、ニアにそびえ立つ大輔の頭を超え、その背後から中谷の間に割り込んで飛び込む槙野でした。陽介のクロスは、ピンポイントでした。やはりフルゾーンの弱点をついてきました。柏2-2浦和。

うまくいかなくてもセットプレーで状況を変えられるは、優勝への必要条件かもしれませんね。この点で準備に抜かりのない浦和は、なるほど負けないわけです。

それでも流れは依然柏にあります。追いつかれてから、いっそうシュートが増えたような気がします。今日の柏はひと味違います。集中が切れず、ファイティングポーズを崩しません。そして、再逆転します。

78分。浦和陣中央でボールを持った茨田が、右ライン際のチャンスにパス。アタッキングサードに入ります。この時浦和は、最終ラインに陽介、ムトゥ、忠成も吸収されて7バック状態です。勇樹が中央でストーン。チャンスには慎三が寄せてきていますけど距離があります。つまりチャンスはどフリー。ターンしたチャンスはルックアップ。クリスティアーノがパスを受けに来ています。ゴール前はニアに工藤。真ん中やや遅れ気味にレアンドロ。ファアに徹郎と輪湖。工藤、徹郎、輪湖には、それぞれ永田、関根、忠成がケアしていますけど、レアンドロが森脇と少し距離を空けているのがポイントでした。チャンスは、周作とラインの間が開いているのを見て、その間目掛けて右足独特の巻き気味の超絶クロスを送ります。これに合わせたのは、フリーで飛び込んだレアンドロでした。ゴラッソ。柏3-2浦和。

レアンドロも嬉しかったのでしょう。日立台独特の風景で、柏ゴール裏に飛び込みました。

ここで、吉田さんがようやく動きます。徹郎に代えて武富を投入します。徹郎のコンディションを考慮したのだと思います。

さてここから、両チームの考えが分かれます。リードしている柏は、チーム状態が良かったこともあって、リズムを変えずポゼッションしたまま、流れのままにクローズするプランを崩しません。

一方浦和は、浦和らしい攻撃の美しさへのこだわりをかなぐり捨てます。ロングカウンターに徹します。ただ、さすがミシャです。ロングカウンターと言ってもコンサバティブではなく、ディフェンダーが積極的にカウンターに加わります。

この、ある意味相反するクローズの考えは、それぞれの状況で合理的だったと思います。ただ、柏は浦和のプラン変更に対処しようという構えを見せませんでした。結果論ですけど、カードが余っていたので守備陣をリフレッシュしたり、もっと寝技に持ち込むようなアイデアも可能性としてはあったんじゃないかと思います。

そして、彼我の考えの差は90分内に答えを見せます。浦和の今年初敗戦の空気が濃厚になってきた最終盤に、激闘のドラマをまさにドラマチックに完結するシナリオが潜んでいました。

後半アディショナルタイム。センターライン付近で永田が森脇にパス。柏陣に入ります。ルックアップした森脇は、右ライン際にいる忠成に高速の縦パスを入れます。アタッキングサードに入ります。忠成は、大外を上がってくる関根に落とします。関根はトラップしてルックアップ。ゴール前はニアに興梠がいて茨田がついています。この時ファアサイドで、大輔の背後から、なぜかするするっと槙野が上がっていました。この嗅覚と走量は凄い。さらにその後ろをムトゥが上がっています。チャンスが戻りきれず、二人ともフリーです。たぶん、関根は槙野を狙ったんじゃないかと思いますけど、クロスは槙野の頭を越え、ムトゥに合います。これが良かったと思います。迷っていた菅野は動けませんでした。柏3-3浦和。

激闘はこのままドローで終結しました。柏3-3浦和。

客観的な立場だったせいもありますけど、とてもとても楽しかったです。ひさしぶりにエンターテイメント性の高いサッカーを観た覚えがします。けしてアイロニーではありません(^^;;。

柏は、繰り返しますけど日曜日とは別チームでした。浦和にしっかり対策を立て、それを実行できていました。結果はドローになったけど、小さくない手ごたえを得たんじゃないでしょうか。できれば、勝つための試合の終わらせかたを身につけてるとより強くなるかもしれませんね。今年の目標はACLに絞られていますから、一歩ずつさらなる高みを目指して欲しいと思います。

今日は、さすがに浦和は負けたと思いました。にも関わらずのドラマチックなドローでしたから、チームとして技術的にと精神的にも最上のゴールが見えてきたんじゃないでしょうか。できればリーグを盛り上げるために、最終戦まで優勝決定が伸びるように2位以下のチームもがんばってほしいと思います(^^;;。それに、2ndステージのために、そろそろ浦和を止めないと。

今日も加賀さんに会えずじまいでした。もう試合での姿を見られないかもしれないという覚悟は常にありますから、あまりない観戦機会が空振りだと辛さと寂しさが試合ごとに増してきます。加賀さんに会いたい。