ぽちごや

FC東京のディケイドSOCIOです。今シーズンは丹羽ちゃんとともに闘います。

2019J2リーグ第11節アビスパ福岡vsモンテディオ山形@レベスタ20190427 -成長のかげに-

2019-04-28 21:09:05 | 加賀さん

いやあの。福岡での加賀さんが在籍するチームの試合は毎年観ることにしているので。

とはいえ、感動のスコッド復帰から順調に試合を重ねてきたので、遠い地とはいえ不在は念頭にすらなく。

加賀さんファンならではの、ご本人無意識あるいは不可抗力の洗礼を今年も福岡の地でまた。

というわけで、加賀さんが不在であれば基本的に加賀さんブログは書かないのですけど、博多の森の爽やかな空気感になんとなく加賀さんの存在を感じたので、特別につづることにしました。まぁ、ずいぶん空いちゃったし、今年はもう加賀さんに会いに来られそうにないということもあり。

福岡は篠原が戻ってほぼベストメンバーです。シフトはスクウェア型の4-4-2。GKはセランデス。CBは篠原と三國。SBは右に實藤左に輪湖。CMは惇と城後。メイヤは右に力左に草民。2トップはヤン・ドンヒョンと木戸です。

モンテは今日もターンオーバー。シフトは3-4-2-1。GKは櫛引。3CBは右から熊本、栗山、松本。WBは右に三鬼左にチト。CMは本拓と駿。シャドウは右に坂元左に井出。1トップはジェフェルソン・バイアーノです。

木山さん三年目のモンテはある意味集大成。初年度とは比較できないほど、攻守のバランスが良い洗練された完成度の高いチームになりました。前節で途切れたけど八戦不敗の6勝は分かりやすい部分なのですけど、それより驚かされるのが、好調のなかにあってターンオーバーを続けてきたことでしょう。要となるCB、CM、それにプレースキッカーである三鬼は固定して、残るポジションは競争です。これは、とりもなおさずチームプレーにおいて選手間に差がないことを現しています。ターンオーバーしても成績が安定しているのが証拠。だれにでも成功のチャンスが得られるチーム作りは木山さんのコンセプトなのでしょう。名監督といって間違いないと思います。残るはタイトルとJ1のステイタスです。

木山さんが試合を能動的にコントロールするサッカーを志向していたのは初年度から伺えました。でも昨年までは、パスを回すこと自体が目的になる、よくあるポゼッションスタイルの落とし穴から抜けられない状態が続いていたと思います。今年のブレイクスルーの要因分析は、点ではなく線で成長を見届けるモンテサポさんだけにその権利があることですので控えます。少なくとも今日観戦してわかる顕著な違いは、攻撃のスピードです。

モンテの攻撃はモダンです。トランジションからシュートまでの所要時間が短く、スピーディです。その原動力は、もちろん前線のポジションメイクなのですけど、フリーマンに積極的に縦パスをつける後方のチャレンジスピリットこそ、成長の真髄があるように感じます。なぜかというと、ぼくがDFの加賀さんファンだから。

流動的な前線だけでなく、やや縦関係に配置した駿と本拓のポジショニングも、後方からのパス引き出しに貢献していると思います。そうしてできたパスコースをCBは見逃しません。常に攻撃チャンスを伺う構えをしていて、スタンドから見ていても意欲が伝わってきます。そうした攻撃姿勢が、今年のモンテの闘いかたにワクワク感を生んでいるのではないかと思います。

松本と熊本は、対人防御力もかなり高くなっていると思います。加賀さん不在の期間に試合に出続けたことで経験値が増えたのでしょう。クラブの意図かわからないけど、ベテランに技術や知識を落としこんでもらい、延び盛りな選手がそれを吸収して成長するという好循環な組織モデルがモンテにはできあがっていると思います。

実際に加賀さんがなにをフィードバックしたのかはチーム内にいないとわからないけど、もはや信頼の高い不動のレギュラーとなった3CBをみると、昨年まで加賀さんが出ると出ないとでは安定感に大きな差があったことを思えば、そこにプレイヤーとしての目標があったことは間違いないように思えます。

矛盾するようだけど、反面、復帰してなお、加賀さんの出場機会がまだないことは、純なファン心理として残念です。木山さんはオプションもターンオーバーの対象にしているようですから、今日は遠征ということもあり、加賀さんはおやすみだったのでしょう。ファンのわがままを許していただいてあえて言うと、プロは比類のない個性が必用です。もちろんルックスは、年齢を重ねるたびに熟成してさらに色気が増しているのだけど、プレーに関しても、走る姿の際立ったかっこよさは加賀さんだけのもので、それこそぼくらを魅了してやまない普遍的なカガニズムです。それは復帰した今も変わらないと思います。ファンはそれをいつも再確認したくてスタジアムに通います。願わくば、チームが目標の尊さを再認識するためにも、加賀さんが出場機会が与えられますように。

さて試合は、モンテのコントロール下に入ります。福岡も、本来はイニシアチブを握りたいのでしょうけど、ガチでクオリティ勝負をしたら現時点ではモンテには勝てません。ドンヒョンにおさまれば重心をあげることができ、自慢の両ウイングと惇の技術が活かせるのでしょうけど、リトリートさせられると、せいぜい左右に長いボールを散らすことくらいしかできません。ただ、さすがに力と草民がスペースを得てボールを持つと、ゴリゴリした福岡らしい武骨なアタックを見せられます。現状では、イニシアチブを握られると個の能力に頼らざるを得ないのは致しかたないでしょう。伝統的なパワーサッカーにしても、昨年までと違いパワーを攻撃に向ける方向性を花ひらかせるには、木山モンテのように時間をかけるべきでしょう。前半はスコアレスのまま終了。

後半はペッキアさんのアジャストが奏効して福岡がリズムをつかみます。輪湖に代えて石原を投入することで、左サイドがアグレッシブになります。さらに城後に代えて前川を投入し、同時にシフトを3-4-1-2に変更します。惇を一枚あげてトップ下に置くことで、高い位置で基点を作られるようになりました。両チームとも守備が堅調なので試合の風味自体は変わらないのですけど、攻撃の掛け合いができるので試合が活性化します。

対する木山さんは、ターンオーバーを前提としているので、作戦変更はいつも通りアタッカーのリフレッシュを基調としているのでしょう。両シャドウの変更で、井出に代えて秀仁、坂元に代えて大槻を投入します。これでリズムはいくぶん福岡に傾きます。モンテの攻撃を機能させていた坂元と井出のポストがアジャストによってなくなったためです。このあたりがまたまだ伸び代なのでしょう。

ただ福岡にアクシデントが起こります。ドンヒョンが、櫛引が蹴ったGKを頭部に当ててしまい、大事をとって下がります。ペッキアさんはミコルタを入れてシフトを4-4-2に戻します。コンサバティブな選択も視野にしたと思います。

一方、モンテにもアクシデントです。チトが負傷で下がります。拓巳が同じく左WBに投入します。スクランブルではありますけど、左ウイングは競争ポジションですから、交代自体は想定内だったでしょう。とはいえドンヒョンもチトも大事ないことを祈ります。

試合はこのまま終わるのかなと思っていたら、最後の最後にドラマが待っていました。

90分。石原のゴール前へのクロスを本拓がカット。このボールを右ライン際でジェフェルソンが拾います。ターンしたジェフェルソンはルックアップ。この時、本拓と秀仁がスプリントしてました。ジェフェルソンは前線をさらに走らせるフィードを送ります。一気にアタッキングサードに入ります。受けた本拓は秀仁にスルー。秀仁はそのままドリブル。ペナルティエリアに入ります。対峙する篠原との間合いをはかった秀仁は、流れのままに左足を振り抜きました。福岡0-1モンテ。

このまま試合終了。福岡0-1モンテ。

三年間のチームの成長に加賀さんが大きく影響していることが感じられた春の一日でした。でもやっぱり、躍動する姿を目の当たりにして、復活の印象を実感したいです。いつかまた、会える日を夢見て。


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