ぽちごや

FC東京のディケイドSOCIOです。今シーズンは丹羽ちゃんとともに闘います。

2019J1リーグ第18節FC東京vsガンバ大阪@味スタ20190707

2019-07-11 22:59:09 | FC東京

七夕です。

曇天の向こうで、きっと年イチの逢瀬を喜んでいることでしょう。考えてみれば七夕は水にゆかりの物語ですから、雨がふさわしいのかもしれません。

なつぞらロケ地めぐりの旅で奥茨城に行って、返す刀で七夕マッチです。今節から後半戦。GWの記憶も新しいガンバ。You'll Never Walk Alone♪

宏介が移籍しました。宏介には感謝しかありません。名古屋でも頑張ってほしいです。

先制されるも、落ち着いてウィークポイントをついた快勝です。

東京はヒョンスがお休み。シフトはスクウェアの4-4-2。GKは彰洋。CBはモリゲと剛。SBは成と諒也。CMは洋次郎と拳人。メイヤは右に慶悟左にサンホ。2トップはディエゴと謙佑です。

ガンバは小野瀬が1ヶ月ぶりに復帰。今日はヤットは半ドンの日です。シフトは3-3-2-2。GKは東口。3CBは右から高尾、三浦、ヨングォン。WBは右に小野瀬左に敬斗。アンカーはヤジ。シャドウは右に高江左に秋。2トップはアデミウソンとウィジョです。

試合は開始早々動きます。

5分。諒也の自陣のスローインから。中盤の厳しい競り合いのこぼれを拾った洋次郎が縦につけます。センターライン付近で受けた謙佑にガンバ右サイドがトリプルチームでターンオーバー。拾った三浦が前方の秋につけます。ターンした秋はキープ。諒也を引きつけます。これが効きました。右ライン際で小野瀬がフリー。秋は小野瀬に渡します。カウンターの発動です。アタッキングサードに入った小野瀬は、アーリー気味にアデミウソンにクロス。これは剛がカット。流れたボールを敬斗が拾ってヤジに戻します。ヤジはルックアップ。ゴール前にウィジョとアデミウソンがはってますけど、マークがいます。この時右サイドに小野瀬がフリーでした。ペナルティエリアに走り出した小野瀬にヤジがロブスルー。抜け出した小野瀬は右足でトラップして、流れのまま左足を振り抜きました。東京0-1ガンバ。

結果的に、この先制がガンバからガンバらしさを奪いとることになります。今日は前半と後半で、立場を真逆にしながら、互いに似たような作戦を取ります。なので、東京とガンバのチームとしてのクオリティの差が如実に出る試合となりました。

ガンバはおそらく、東京の出足を東京を超えるプレスで抑える作戦で挑んだと思います。この時すでに、ガンバが自らガンバらしさを捨てる予兆のようなものがありました。ウィジョ、アデミウソンを含めた前線からのハードチェックで、東京のパス供給源を抑えるとともに、中盤の優位性を確保し、ショートカウンターを狙う意図です。これが、もしかするとガンバにとっても予想外にはやく結実し、先制ゴールが生まれます。そしてガンバはリトリートします。

なのでガンバのオリジナルスタイルは結局わからずしまいです。オープニングブローにいたるラッシュもいわゆるかましでしょうし、その後のリトリートも、クオリティを見るとセオリーをなぞった程度です。後半は一転、ボールを持たされることになるので、それはそれでガンバらしいシチュエーションではあったのですけど、有効な攻撃はついぞ見せることがなく。

垣間見られる範囲では、最終的にウィジョに取らせる前提は当然のこととして、型があるようでない、スペースメイクを基調としたスモールゾーンの連鎖によるギャップを活かす作戦だろうと思います。中央に四人の手練れ、もとい足練れを揃えていることからも伺えます。さらに、先制ゴールのシーンでも披露したように、小野瀬と敬斗、左右に魅力的なドリブラーアタッカーを備えていますから、現実的には、中央で作ってサイド深くにスペースを作るサイドアタックが、メインルートかなと思います。なので、ボールサイドにシャドウを寄せて基点とするオプションも用意しています。

この多彩な攻撃の可能性を仕切るのはアンカーのタスクです。前提としては、やはりヤット。ここ数年のガンバは、あきらかにヤットの存在感の大きさとの闘いを強いられていると思います。ガンバはヤットが主体である以上、日本伝統の攻撃的スタイルを基調とします。ポストヤットの選択肢として、ヤットが作りあげた北摂スタイルを継承するか、それとも近代的なディフェンスを前提とした型に変貌するか。チームスタッフのみならず、サポ、スポンサー、果ては北大阪の街をあげた大命題です。もしかするとぼくら外様サッカーファンにとっても、余計なお世話ではあるけど、議論を尽くしたいテーマでしょう。

残念ながらその権利はガンバサポに委ねるとして、とりあえず直面する恒様の選択は、ヤットモデルの継承です。その任は、タレント豊富なガンバユースではなく、ヤジが担うことはとても興味深いです。考えてみればほかならぬヤット自身がガンバ産ではないので、これもまたガンバの伝統なのかもしれません。非常に難しいポジションですので今日の一試合でヤジをはかるわけにはいきません。少なくとも、先制ゴールのアシストが示すことは、ヤジがその候補であることを確実に表していると思います。

さて、先制したガンバは、先にも述べたとおりリトリートします。ここで問題になるのが守備網です。守備を、幾ばくか重視するチームは、基本的にフリーゾーンを消すことを前提に守備網を作ります。ガンバのような3バックの場合、トレンドではトップを一枚残して中盤の横のバランスを保ちます。ところがガンバは、前線を二枚にしたままです。さらに中盤はボールサイドに片寄せしますから、おのずとフリースペースができ易くなります。この守りかたの効能をどなたかに解説してもらいたいところですけど、是非はともかくとてもユニークで、興味深いと思いました。サイドのフリースペースの処理は、WBがサイドチェンジに対しフォア気味に寄せることで予防しているようです。

ただこれだと、当然WBの背後に広大なスペースができます。昨今の3バックは、左右のCBが開いてこのウィークポイントを解消していますけど、ガンバはオーソドックスな3バックを採用しています。なのでサイドの処理は、最終的に左右のCBの個人守備力に依存します。

そういうわけで、今日のメインイベントは、成vsヨングォン、サンホvs高尾のスピード対パワーのバウトとなりました。このように、観戦する側にとってわかり易い構図を作ってくれるのもトップクラスのチームの特長です。やせてもガンバくれてもガンバ。

東京の選択は、いうまでもなくサンホです。もちろん成で挑む選択もあるのですけど、今年の最終成績の鍵を握る第三の男を早期に作るためにも、その最右翼であるサンホをとにかく立ち上げる絶好の機会でしたから、迷いはなかったでしょう。サンホは、高尾にマッチアップを仕掛けるジャブを執拗に送りながら、間合いを見極めます。そしてついに左ストレート一閃、倒しにかかります。

38分。成のスローインから。後方でチャンスを伺う東京。例によってガンバ中盤はボールサイドに寄ります。そして左サイドが空きます。モリゲは諒也にパス。ハブとして諒也はクイックに前方のサンホに渡します。これでサンホと高尾の1on1を成立させることに成功します。すでに何度かの仕掛けで高尾とのマッチアップ感をつかんだサンホは、ここが勝負と強引に縦を狙います。キープとみせるトラップを織り交ぜつつ、高尾を振り切ったサンホはフリーでペナルティエリアに侵入。この時ゴール前は、三浦、ヨングォン、敬斗が揃っていますけど、サンホの仕掛けでボールウォッチャーになっていて、事実上無防備になっていました。これを慶悟が逃しません。敬斗の背後から一気にゴール前に顔を出します。これを見たサンホが慶悟にクロス。これは三浦がカットしますけど、こぼれたボールが正面フリーの謙佑に渡ります。謙佑は左足ダイレクトで流し込みました。東京1-1ガンバ。

1ダウンを得たサンホは、ここが勝負処とみたのでしょう。一気にたたみかけます。

40分。ガンバの右サイドの攻撃から中盤の厳しい競り合いに。こぼれたボールを拾った洋次郎が、左サイドを上がっていくサンホにフィードを送ります。サンホはキープ。さっきのゴリゴリアタックが頭にあるのか、ガンバは無理せずセットします。結果フリーになったサンホはルックアップ。この時ゴール前は、謙佑、ディエゴ、慶悟に、ヨングォン、三浦、敬斗がついて3on3。サンホはワンチャン狙いのアーリークロスを選択します。狙いは真ん中。謙佑。ヨングォンの背後にいた謙佑は、落下点のヨングォンの前に出て、スタンディングジャンプのヨングォンより勢いで勝ります。ヘッドを振った謙佑のシュートはゴール右隅に吸い込まれました。東京2-1ガンバ。

先手を取られるアクシデントはありましたけど、それがむしろ誘導灯の役割を担ってくれました。シナリオに沿ったタスクを各選手がこなし、想定通りの物語をつむいでくれました。前半はリードして終了。

後半頭から恒様が動きます。高江に代えてヤットをアンカーに投入します。ヤジが右シャドウに回ります。当初からのプラン通りだと思います。

リードしたことで、今度は東京がリトリートします。作戦は同じでも、リトリートを基本プランとする東京とそうではないガンバというポリシーの違いが、試合展開の綾と相まってガンバに不利に働いてしまいます。とはいえ、ガンバの方向性を考えると、相手がスペースを用意するかしないかを問わず点を取れなければなりませんから、結局この試合はポリシーの真っ向勝負の末、東京が押しきったといっていいでしょう。ガンバは、後半を通じてむなしくボールを回すことに終始します。

一方東京は、ロングカウンターモードにスムーズに移行します。そして、順調に加点します。

60分。左ライン際のガンバのアタック。敬斗からのパスをアデミウソンが敬斗に戻すところを洋次郎がカット。拾った慶悟の落としを受けた洋次郎がドリブルで抜け出します。これが効きました。ボールウォッチャーになったガンバのラインの隙をつき、ヨングォンの背後を謙佑が抜け出します。洋次郎はスルー。フリーの謙佑は、ゴールラインで拾い、ダイレクトでマイナスに折り返します。おそらくガンバが一斉に下がるのを予見して、ゴール前にフリーゾーンができると踏んだのでしょう。これが当たります。そこにどフリーだったのはディエゴでした。ディエゴは左足で叩き込みます。東京3-1ガンバ。

2点差になったことを受け、先に恒様が動きます。小野瀬に代えて福田を同じく右WBに投入します。リフレッシュの意図だと思います。

恒様が続けます。ヤジに代えて食野をトップに投入します。アデミウソンが右シャドウに回ります。スペースを閉じられた状況ではガンバは打ち手を失います。ショートパスを通して打開する前提ですので、受け手になりことこそすれ、スペースメイクをしようという意思が皆無になります。かつ、ボールを持ったときのタッチ数が多く、東京に対応する時間を与えます。なので、打ち手は個の打開力のみ。楽しみにしていた食野ですけど、完璧に守備網を作られた状態では破壊力を見せる機会がありません。ガンバに閉塞感が漂います。

健太さんが動きます。サンホに代えて晃太郎を同じく左メイヤに投入します。案外はやく方程式の発動です。

さらに健太さんが動きます。謙佑に代えて輝一を同じくトップに投入します。順調にセットアップを重ねます。

そして健太さんが〆ます。ディエゴに代えてアルをCMに投入します。洋次郎がトップに回ります。後方の安定感を維持したままトップを単純スライドするかと思ってましたけど、ガンバの要、中央をパワーアップする手堅いクローズです。

このまま試合終了。東京3-1ガンバ。眠らない街♪

ガンバに先制の不利という矛盾があったとはいえ、シナリオをプラン通りに消化できた、シーズン中でもなかなか稀有な完勝でした。ハラハラしたのは、序盤雨量が多かった時間帯でフィードが走らず、自慢のロングカウンターが機能しなかったことくらい。ここも、主戦をサンホのドリブルに速やかに変更する、柔軟性で乗り切りました。You'll Never Walk Alone♪

サンホの活躍はまだまだ可能性が潜んでいます。今日はガンバゆえの部分が強く出たけど、直線的なオラオラタイプですから、対応されると苦しむスタイルではあります。それでもなお、補完というよりか、むしろ東京のスタイルに合っているのはサンホです。後半の楽しみが増えました。謙佑のシュワッチディエゴのシュワッチWE ARE TOKYO♪

次は、いよいよクラシコ。実質的な頂上対決です。この時期にきちゃうのがもったいないくらい。挑戦者としてチャンピオン越えを果てしたいですね。