ぽちごや

FC東京のディケイドSOCIOです。今シーズンは丹羽ちゃんとともに闘います。

2018J1リーグ第31節横浜F・マリノスvsFC東京@日スタ20181103

2018-11-04 22:41:52 | FC東京

11月なりました。

晩秋というのにあったかくて、相変わらず不安定な気候が続きます。でもサッカー観戦には最適。

本日は、先週カップ戦ファイナルを逃したばかりの傷心マリノスが相手。You’ll Never Walk Alone♪

俺たちのヒョンスのスミイチを守り抜きました。

東京はモリゲがサスペンション。加えて前線の編成をアジャストします。なのでシフトはスクウェア型の4-4-2。GKは彰洋。CBはヒョンスと丹羽。SBは室屋と諒也。CMは拳人とヨネ。メイヤは右に慶悟左に晃太郎。2トップはディエゴと洋次郎です。

マリノスはここにきて負傷離脱が増えています。布陣はほぼカップ戦ファイナルと同じ。シフトは4-2-3-1。GKは飯倉。CBはチアゴ・マルチンスとドゥシャン。SBは右にマツケン左に山中。CMはタカとキー坊。WGは右に仲川左にイッペイ・シノヅカ。トップ下はあまじゅん。1トップはウーゴ・ヴィエイラです。

ポステゴグルーマリノスのように理念に殉ずるチームとの対戦は、対応策が明確ですから迷う必要がありません。ぼくら観る側も観戦のポイントが明確です。その点でポステゴグルーマリノスはとてもニューカマーに優しいサッカーを展開する、得難いチームだと思います。

代名詞のユニークなポジショニングは、シーズン当初のような新鮮さはもはやありません。当然のことながら、際立ち過ぎる個性は、そのクオリティが圧倒的なほど高くなければ、かえって標的になります。結論をいうと今年のポステゴグルーマリノスのチャレンジは、望むリーグ順位には至らないでしょうけど、それをもって理念の失敗というのは、マリノスに対して失礼だと思います。結果にのみフォーカスするのではなく、もっと純粋にエンターテイメントとしてのサッカーを追求する、素晴らしいチャレンジであることには変わりありませんから。

と賞賛しながら、やっぱり今のマリノスは頭打ち感を否めないでしょう。どんな理念を掲げようとも、あるいはどんな作戦を施そうとも、サッカーが基本的に個人プレーの集合体であることには変わりありません。マリノスのように理念を優先させるのであれば、なおさらタレントが、試合を構成する重要な要素になります。ようするに、少なくとも今日のアタッカーは、攻撃強度が物足りないセットでした。

マリノスのアタッキングサードでの攻撃プランは、基本的にサイドを基点とします。ですので最終局面では、サイドアタッカーのクオリティが問われます。マリノスは、昨年までのように特定のタレントに依存することができませんから、マルチローラーを多く配すことで、サイドアタックのテイストを多様にしています。これによって、守備側のルーティンを混乱させる効果を狙っています。たとえばイッペイは縦の仕掛けからクロス。山中はカットインからのシュート。仲川はドリブル。マツケンはクロス。さらにあまじゅんやキー坊、ときにタカもサイドでチャンスメーカーになることがあり、最終局面を演出する選手によって、メソッドを変えることができます。

とはいえ、ようするにポゼッションを基調としたサイドアタックであることに変わりありませんから、攻撃の優位性を確保する方法はひとつ。スモールスペースの数的優位を作ることです。であるならば、そこまでのプロセスを奇抜にする必要性は、現時点ではありません。マリノスのポゼショナルの象徴のように言われる飯倉、山中、マツケンは、その役割の是非を問い直す時期がくるのかもしれません。

話のながれからついでに脱線すると、かつて理念を先行したチームがリアリズムの要素を加えることで、短期間でチャンピオンに上り詰めた例がいくつかあります。それは、マリノスの将来を予見しているのかもしれません。カップ戦ファイナルの結果は、勝者にスモールクラブとしての最大成果を与えるとともに限界を通達するものであり、敗者により高い可能性をもたらしたと思います。

個人的には、そしておそらくほとんどの東京サポは、ポステゴグルーマリノスのサッカーを好ましく思わないと思います。今日のようなフラストレーションがたまる試合を見せられるリスクを払拭できないことを身をもって知っているからです。そして、すでにぼくらは、ハイスピードサッカーのエクスタシーを知ってしまいましたから。ポステゴグルーマリノスは、ディフェンスから入る東京にとっては、大好物、なのです。

東京はマリノスを上手く受けます。4+4の2ラインをコンパクトに保つことを優先します。今日、拳人とヨネを並べたのはそのためだと思います。ゾーンを保つというごくシンプルでオーソドックスな作戦が、ポジションレスの複雑な可変サッカーをあっさり封じました。攻撃権はマリノスが持つも、かんじんのアタッキングサードで、マリノスはペナルティエリアにすら入ることができません。

マリノスの選択ミスは、ドリブラーの数を削ったこと。コレクティブなゾーンを壊すのは不協和音。マリノスは、東京守備陣が奏でるハーモニーに調和してしまいます。そして、東京のオーガナイズが完成しつつある時間帯に、先制ゴールが生まれます。

15分。慶悟の右CK。東京は拠点を三つに分散する配置です。ニアに洋次郎、中央にグループで、拳人、丹羽、ディエゴ。ファアにヒョンスです。マリノスは原則マンマーク。マーカーはそれぞれ、キー坊、イッペイ、ドゥシャン、マツケン、チアゴです。東京の狙いは、もちろんヒョンスを1on1状態にすること。あっさりそのかたちになります。ヒョンスはニアに移動しながらチアゴを振り切ります。慶悟のクロスはヒョンスにぴたりと合いました。マリノス0-1東京。

パーフェクトな試合運びだった東京ですけど、唯一問題とするならば、有効な攻撃回数はそれほど多くなかったことです。マリノスもまた守備にはケアしたようで、東京がシュートに至るロングカウンターはほとんどありませんでした。勝てて良かったなと思いますけど、課題が改善されたわけではありません。今日は高い位置で基点を作り、ディエゴをフリーでゴールに向かわせようとしたのだと思いますけど、カウンター要員がディエゴのみになってしまったネガティヴな結果が優ってしまいました。それを隠す意味で、セットプレーからの先制は、決勝点になったこと以上に重要な価値があったと思います。

先制によってもたらされた流れは、東京の安定感のレベルアップでした。東京の防衛ラインが一枚上がります。マリノスの攻撃ルートを見切れたこともあって、中盤でパサーを捕まえられるようになります。こうなると、マリノスが誇る可変中盤システムも意味を無くします。

完全に東京のオーガナイズで前半終了。

後半頭から健太さんが動きます。洋次郎に代わって草民が右メイヤに入ります。慶悟がトップに回ります。コンディションを考慮したのだと思いますけど、洋次郎ですらコンディション不良であれば交代するのですから、ここにきてチームの底上げがかなりできてきている現れでしょう。

これで東京の右サイドが活性化します。草民はアグレッシブな守備から自分のリズムを作っていきますから、チームにもアグレッシブなノリを伝播させることができます。その流れを前線で慶悟が受けることで、カウンターの精度が上がります。ディエゴを有効に使えるようになり、ますます東京のオーガナイズが高まります。

これを受け、ポステゴグルーさんが動きます。キー坊に代えてイルロクを右WGに投入します。あまじゅんがCM、イッペイが右WG、仲川がトップ下にそれぞれ回ります。攻撃のテイストを変える意図だと思います。これがはまります。渓太離脱後は、カップファイナル同様、イルロクがスターターなのでしょうけど、コンディションのせいでここからの登場だったのでしょう。東京の堅城を崩す攻撃はやはりドリブルです。イルロクの積極的な仕掛けで、ようやくマリノスがペナルティエリアに入ることができるようになります。

マリノスのポゼッションが一段上がった状況で、健太さんが動きます。晃太郎に代えて永井をトップに投入します。慶悟が左メイヤに回ります。完全にロングカウンターモードに移行する意図です。これが地味にはまります。総攻撃モードのマリノスの後方を永井がチクチクいじります。マリノスの守備の三人に少なくない脅威を植えつけました。

これを受け、ポステゴグルーさんが動きます。イッペイに代えて翔を同じく右WGに投入します。カウンター対策ではなく、あくまでも攻撃成分のプラスを狙うあたり、ポステゴグルーさんらしい作戦です。マリノスは、イルロクを得る反面でキー坊を失うことで、中盤の構成力を下げます。攻撃力を上げても、パス供給源を東京に絶たれたままでは機能しません。

健太さんが仕上げます。ディエゴに代えてリンスを同じくトップに投入します。

ポステゴグルーさんが最後のカードを切ります。山中に代えて大津を投入します。同時にシフトを3-3-2-2に変更します。大津は右WB。マツケンが右CBに下がります。インサイトはあまじゅんと仲川。これが奏功します。攻撃枚数を増やすヤンチャな作戦は、さすがの東京をしても受けに回らせます。東京の重心が下がり、中盤をマリノスがコントロールできるようになります。さすがに90分間通じてオーガナイズを続けるのは難しいですね。

でも、マリノスの超攻撃モードも結果には結びつきませんでしま。このまま試合終了。マリノス0-1東京。

内容、結果とも、安定していました。なによりも勝ててよかったです。これからは、ACL出場権争いの短期決戦ですから、結果が大事。チャレンジャーの信条を保ち続けてほしいと思います。眠らない街♪丹羽のシュワッチヒョンスのシュワッチ

クリーンシートを達成した守備の安定感は、少なからず丹羽の局面のがんばりのおかげでもあります。第三CBは、ヒョンスもしくはモリゲ不在の穴をクオリティを落とさず埋め、なおかつ若手CBの具体的な目標となる、難しい立場です。丹羽は補って余りある活躍をみせてくれていますけど、プレーの質のみならずキャラクターがもたらす効果も少なくないと思います。残りシーズンも潤滑剤としての活躍を願います。

最終戦のチケットも発売され、いよいよシーズン大詰めです。ここにきてようやく上昇気流をつかめそうな雰囲気ができてきました。三位以内を目指し、粘り強くがんばってほしいと思います。