そろそろ冬の足音がはっきり聞こえくる師走の12月。
ヒーローがピッチを去ります。
昨日に続いてスッキリと晴れわたった冬晴れを呼んだのはナオでしょう。さすが爽やかを全身にまとう男。
2017年12月3日。石川直宏選手が、今日現役生活にピリオドを告げ、引退します。
J1最終戦とJ3最終戦の週末ダブルヘッダーにチャレンジしたのは、ぼくらにプレーする姿をできるだけ多くみせたいという意思だと思います。それに加えて日曜日の会場が、東京デビューの地、駒沢陸上競技場だったこともめぐり合わせの縁で、締めくくりの場所としてふさわしいということも想いのなかにあっただろうと思います。
駒沢は、とてもあたたかな空気に包まれました。
たくさんの東京サポが最後の雄姿を目に焼きつけるために集まっていましたし、セレッソサポもナオに感謝の気持ちをあらわしてくれに来てくれました。
駒沢にギリギリに着いてスタンドに上がったら、いきなり目の前に塩田がいてびっくりしました。
続いて権田と奥様、秀人も来て、スタンドが豪華になりました。
アップが終わるころには、ルーカス、憂太、祐介、吉朗もやってきて、にわかに青赤同窓会のようになります。
試合開始前には現役メンバーも勢ぞろいしました。冬の駒場はナオを愛するみんなの気持ちで保温効果バッチリになりました。
気持ちはあってもさすがに土日連戦はコンディション面では厳しいと思います。それに昨日は57分間を走りきりましたし。駒場入りのときは足をひきずっていたようです。今日はスーパーサブです。
ピッチを去るベテランの門出を20歳近く離れた若い選手が彩ります。躍動感にあふれディシプリンがしっかりとれたチームは、みずみずしく爽快な空気を届けてくれました。
ナオは、ひと足はやくアップをはじめます。
ナオのアップを見ていると、体を構成する筋繊維の一本一本に語りかけているかのように感じました。いつの頃からか、しなやかさを保ちつつ鋼のような体つきになったのは、体と向き合った成果なのでしょう。ナオの現役生活の後半は辛い経験が多かったけど、そういう積み重ねが今のそしてこれからのナオの価値を高めてくれるんだと思います。
83分。その時がやってきます。
インスに代わってナオの登場です。
諒也にまいてもらって、キャプテンです。
昨日と同じく最前線にはります。相当体が重かったようですけど、傍目にはそんな風に感じさせず、ナオらしい軽やかなギャロップを見せてくれます。
モニも出場して、華を添えてくれます。
ハイライトは88分。ナオの左CK。ナオのクロスは、オーソドックスなかたちでニアにいた大智にぴたりと合います。ゴラッソ。
出場するだけでも奇跡的なことなのに、アシストまでしてしまうのですから、やっぱりナオは生粋のヒーローなんですね。
シュートも一本ありました。体勢が十分ではなく力がうまく伝わらなかったけど、観てるこっちは、すわゴールまで、とドキドキしました。
そして。
タイムアップの笛が冬空に響いたとき、ナオは天を仰ぎました。今日のナオの背中は、感慨というよりか、やり切った充実感のような想いを感じさせました。
ナオのヒーローインタビュー
ナオに贈るメッセージ
ナオの引退セレモニーw/i徳永、日々野真理さん
試合後のピッチにナオを愛しナオが愛した仲間たちが集まっていました。広貴や規郎の姿もありました。
東京のOBや現役選手・スタッフだけじゃなく、はゆまも来てました。きっと駒場の空に松田直樹さんも来ていたことでしょう。
18年間おつかれさまでした。ただただ、感動を届け続けてくれたナオに感謝の気持ちでいっぱいです。
スピードスター、ナオのプレーは、永遠にぼくらの記憶のなかに居続けます。ありがとう。ナオ。