ぽちごや

FC東京のディケイドSOCIOです。今シーズンは丹羽ちゃんとともに闘います。

2014J1リーグ第32節FC東京vsアルビレックス新潟@味スタ20141122

2014-11-23 19:05:03 | サッカー

味スタにご無沙汰している間にすっかり秋が深まっています。小金井公園も色づきはじめました。

おなじみ野川公園のジュウガツザクラは、見頃を過ぎてしまいました。

ひさしぶりの味スタです。ホーム開催は1ヶ月ぶり。週末となるとなんと2ヶ月ぶりです。新シーズン開幕戦のような感覚でした。天皇杯とナビスコカップで負けたせいもあるとは言え、さすがにちょっと開きすぎですね。

本日のお見えは新潟でございます。アウェイの対戦は東北ツアーの最中だったなぁとふと思い出しました。

はやい時間に先制するも主導権を明け渡し、悔しい逆転負けを喫してしまいました。

東京はひさびさにトップ下を使います。GKは復帰した権田。先週のトレーニングマッチに出ていたのですけど、ホントはまだ無理してはいけないらしくクラブの幹部もびっくりだったそうです。という話を全日本ユースで偶然権田の隣に座れて聞けました。CBは代表帰りのモリゲと今日はカズ。SBは徳永と代表帰りの宏介。3CHは今日は右から羽生、秀人、ヨネ。トップ下は河野。2トップは代表帰りのよっちとエドゥー。

新潟はスクエアな4-4-2。舞行龍ジェームスがサスペンションで不在。松原は理由はわかりませんけど同じく不在。怪我でしょうか?。GKは守田。CBは大井の相棒は今日は大野。SBは小泉が今日は右に入ります。左は川口。ボランチはレオ・シルバと裕紀。メイヤは今日は右に亜土夢左に康裕。2トップは達也と指宿です。

東京はアグレッシブに入ります。攻撃から主導権を取ります。2トップのポストで基点を作り、河野を含めたアタッカー3人のコンビネーションからよっち、河野が抜け出し、ビッグチャンスを作ります。さらに高い位置でボールを保持できますから、SBとWHが絡んだサイドアタックも機能します。新潟の守備が東京にアジャストする前にラッシュをかけ、一気にイニシアチブを握ろうとします。これがさっそく奏功します。

前半7分。秀人が自陣右よりからビルドアップ。ライン際の徳永に出します。徳永はパスを受ける前に前線を確認していました。徳永の縦のコースを川口がケア。その背後をエドゥーが狙っています。エドゥーは大野を振り切りフリー。徳永はエドゥーを縦に走らせます。自陣から一気にアタッキングサードに入ります。エドゥーには大野がマッチアップ。この時中央では、河野が遅れ気味に上がっていて、裕紀が背走しながらケアしています。ファアにはよっちがいて小泉がマーク。よっちのコースは大井がケアしています。エドゥーは左足の跨ぎフェイント2発で大野を引きつけ、右足でグラウンダーのクロスを中央に送ります。この時河野の前を裕紀が塞ぐような形になり、河野の手が伸びて裕紀を倒します。エドゥーのクロスはそのタイミングで河野に供給されました。河野は左足で合わせます。東京1-0新潟。

常々はやい時間の先制の効能を意識していましたから、大満足なスタートです。ところが、この後の東京の選択が思わぬ苦戦を呼び起こします。

結果的には新潟の作戦がはまってしまうのですけど、それを誘引したのは東京が選択した試合のコントロール方法でした。東京は守備のバランスを整えます。4+2の陣形を維持して、リベロ的な秀人がスウィープして危険の芽を摘もうとします。おそらく秀人の選択だと思いますけど、まだたっぷり時間は残っていましたので、リトリートするには早過ぎたと思います。むしろ新潟の守備が整う前に一気に攻める選択もあったんじゃないかと思います。

加えて、前述の通り新潟の作戦がこの東京のコンサバティブな選択にはまります。新潟は攻撃からリズムを取り戻します。新潟の作戦は二段構えでした。攻撃権をもらうとまず、指宿をめがけます。宏介が下がりヨネもラインに入ってますから、小泉が高く位置取れます。まず新潟は、シンプルに小泉に預けます。小泉もシンプルにアーリークロスをゴール前ファアに構える指宿に送ります。ただ小泉のクロスは威力がなく、およそゴールの匂いがしません。

新潟のこの愚直で芸のないサイドアタックは、結果から見ると、二段攻撃の布石だったような気がします。小泉ばかりにアーリークロスを上げ続けることで、東京の左サイドにケアの意識を植え付けます。さらに指宿を使い続けることで、モリゲとカズに高さとゴール前のケアを意識させます。これにより新潟が開けようとしたのが、バイタルエリアです。

これを完遂するための新潟の打ち手がもう一つ。達也の動きです。達也は指宿の一枚後ろを自由に動きまわるように仕掛けます。でもこれはブラフです。達也のタスクは秀人をひっぱり出すこと。達也は左サイドに流れます。そしてバイタルエリアが開きます。

新潟がコレクティブな動きで開けたバイタルエリアを亜土夢が使います。亜土夢は右サイドでパスを受けるとドリブルでカットイン。左で崩せた場合は中央に移動しアタッキングサードの最終的な仕事に備えます。東京の守備陣は指宿と小泉と達也には対処しますけど、中盤の底が一枚なので忍者のように忍びよる亜土夢のケアが遅れます。そして同点ゴールが生まれます。

前半32分。裕紀が東京陣に入ったところ中央でキープ。この時東京の中盤は、秀人が最終ラインに下がり、羽生が裕紀につめていて、バイタルエリアはヨネひとり。対する新潟は最前線に指宿を残し、達也がカズの前にいます。小泉と川口も東京陣に入って高い位置を取ってます。SBにサイドを預けた亜土夢と康裕がインサイドに入っています。康裕はよっちの背後でフリー。亜土夢はヨネケア。裕紀のパスの選択肢は、後ろにいるレオ・シルバを入れると実に7つです。裕紀の選択は亜土夢でした。亜土夢はパスを受けると、寄せてきたヨネをかわすために一気に加速します。中央にフェイントで持ち出しターン。亜土夢の前方は、すぐ脇に達也がフリー。左は康裕が徳永を連れながら加速中。右は指宿がモリゲの背後を取ってゴール前に抜け出ようとしています。亜土夢の選択は指宿でした。亜土夢はワントラップから指宿にスルー。パスに追いついた指宿は、右足ダイレクトで、権田がケアするニアではなくファアに流し込みました。東京1-1新潟。

ミステルは対処します。失点直後、羽生とヨネを左右入れ替えます。おそらく羽生に宏介の前のスペースをケアさせる亜土夢対策だと思います。これで左サイドが安定して、以降ほぼ亜土夢が消えます。ただ、このコンサバティブな選択は、攻撃の可能性を狭める要因にもなりました。

東京の攻撃が停滞した要因は、三つ。ひとつは、新潟の攻撃を受けたため、中盤でターンオーバーできません。まずここからです。新潟の攻撃の起点は明確ですから、アグレッシブにプレスすべきでした。もうひとつは前線の基点の位置が低くなったこと。よっちとエドゥーがボールを持っても、位置が低いので新潟守備陣が前を向いて人数をかけて守れます。

最後は新潟の守りかたです。新潟は基点のケアを工夫しました。新潟の最終ラインはSBが内に絞ります。これにより2トップに中央突破を許さない網ができます。東京がリトリートすると攻めの人数が少なくなることを計算したのかもしれません。エドゥーに大野一枚では止められないことがわかると川口とダブルチームを仕掛けます。よっちに対しては、小泉と大井が肉弾戦で臨みます。小泉起用の理由はそういうところにあるのかもしれません。

そして、新潟の攻撃のコンダクターは、レオ・シルバです。レオ・シルバは、指宿大作戦の時間帯は存在を消していたのですけど、モードチェンジとともに主役として踊りでます。新潟の攻撃はほぼすべてレオ・シルバを経由するのでわかりやすいのですけど、レオ・シルバ自身が中盤を広範囲に動きまわるので、攻め手に複雑性が生まれます。ゆえに東京がプレッシングのクリッピングポイントを見つけられず、新潟にイニシアチブを明け渡す要因になります。

完全に新潟にオーガナイズされたまま、前半終了。

後半は東京がリズムを取り戻す試みからはじまります。ロングボールをダイレクトによっちにつけます。ようするによっち頼みなんですけど、それが作戦になるんですから今のよっちはすごいです。もっとも前半から低い位置からのアタックに苦しんでいたよっちですから狙い通りにはいきません。工夫もなく単純に預けるだけなので、小泉も間合いを取りやすかったでしょう。結局よっち大作戦は、新潟の肉弾守備もあって機能しません。もしかすると先制点の河野のハンドオフを見逃したイコライズが働いたのかもしれません。

そして優位と見たヤンツーさんが勝負に出ます。達也に替えてラファエル・シルバを投入します。亜土夢が消えたことで前線に基点ができてなかったため、達也の価値が薄れます。そこで、前線でボールを持てるラファエル・シルバというわけでしょう。ラファエル・シルバはボールを持てるだけでなくターンして仕掛ける技術も持っているようです。

これで活きたのが指宿です。ラファエル・シルバに基点を任せられるため、指宿が気配を消し、アタックに臨めるようになります。気になったのは、ラファエル・シルバに基点を作らるとマークするカズとモリゲの距離が開き、モリゲが丸裸になるシーンが何度かあったことです。いかにモリゲとは言え、ひとりで全てのアタックを防げるものではありません。

東京の試みは霧消しました。そして、流れを決定付ける1点が生まれます。

後半24分。中央やや左寄りのFKをレオ・シルバがストレート系のシュートで叩き込みました。一瞬権田の反応が遅れたのは、レオ・シルバではなく亜土夢にタイミングを合わせていたのかもしれません。東京1-2新潟。

これを受け、ミステルが動きます。羽生に替えて慶悟を投入。同時にシフトを4-2-3-1に変更します。慶悟は右WG。左はよっちです。右サイドの高い位置で基点を作ろうとしたのかもしれません。ところが思うように機能しません。前線の預けところがエドゥー一枚になります。エドゥーはタイトな距離感で少ないタッチから縦にはやいアタックを志向します。ところが慶悟のリズムはゆったり。慶悟にパスが入っても出し先がなく、チャレンジができません。

むしろ前線の枚数を増やすべきだろうと思っていると、河野の負傷でミステルが動きます。千真を投入。おそらく負傷がなくてもこの交代は用意していたと思います。ふたたび3CHに戻します。前線は3トップになります。リトリートしてから河野はほぼ消えていましたから、もっとはやく対処してあげたほうが良かったような気がします。この対処の効果を確認する間も無く、決定的なゴールが生まれます。

後半33分。アタッキングサードに入って、右サイド下がり気味でボールを持った指宿が、中央の亜土夢にパス。この時東京は、ゴール前のラファエル・シルバをカズが見ています。モリゲは亜土夢を見ていますけど距離が離れています。指宿を見ていた秀人が亜土夢を意識します。右は小泉が宏介の背後を上がっていてフリー。左は徳永よりはやく康裕が上がっています。亜土夢にパスが届く時、ラファエル・シルバがカズを連れて右に流れます。ラファエル・シルバがいた場所にスペースができます。そこに康裕が飛び込みます。この動きを確認していた亜土夢は、ダイレクトで康裕にスルーを送ります。康裕は右足でワントラップしてそのまま流し込みました。東京1-3新潟。

こうなったらもう、ヤンツーさん劇場です。指宿に替えて武蔵を投入。さらにボールを持てる選手を加え、しかも焦る東京の背後に脅威を与えます。

後のないミステルは、おなじみのスクランブルに出ます。カズに替えて陸を投入します。同時にシフトを陸モードに変更します。3-4-3です。陸のサイドアタッカーとしての長所はシュートアテンプトが出来ることです。極端に言うと、フィールドプレイヤー9人が左で作って、右から陸を飛び込ませるスクランブルアタックです。今日もチャンスを作ってましたけど、実を結べませんでした。

アディショナルタイムに入り、ヤンツーさんが試合を仕上げに入ります。亜土夢に替えて岡本を投入。亜土夢のコンディションを考慮しつつ、ボールを持てる岡本、武蔵に預け、試合をたたみにかかります。

結局ヤンツーさんの手の上で転がされたまま、試合終了。東京1-3新潟。

1ヶ月、多くのサポにとっては2ヶ月待った結果としては、かなりさみしい内容になりました。残り2試合ですから立て直しなんて時期ではありませんから、自分のためサポのため、集中して臨んでほしいと思います。次節甲府も今日残留を決めましたから、余計なエクスキューズの無いガチ勝負が出来ると思います。

秋はJリーグの別れのシーズンです。もしかすると東京でプレーする姿を見られるラストチャンスかもしれませんから、悔いのないようにがんばって欲しいと思います。