ぽちごや

FC東京のディケイドSOCIOです。今シーズンは丹羽ちゃんとともに闘います。

2013J1リーグ第28節FC東京vs鹿島アントラーズ@国立霞ヶ丘20131005

2013-10-06 16:57:22 | サッカー

10月というのはですね。一年で一番晴天が多い月なのでございます。東北旅から戻って以来ずっと雨続きで、雨雲はマッチデーの霞ヶ丘にまで届いてしまいまいした。

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霞ヶ丘は、ラグビーワールドカップと東京オリンピックのため改修が始まります。Jリーグ戦の開催は、今日がラストマッチです。歴史に名を残す試合の勝者はどっちだ?

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アウェイの1stレグで悔しい逆転負けを喫した鹿島に対するリベンジマッチです。

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華やかな、鹿島らしいカウンター祭りのゴレアーダをくらってしまいました。

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東京は、ヒョンスが怪我のため欠場。代わって加賀がモリゲの相棒に入ります。前線は好調のここ数戦を踏襲して、アーリアをトップ下に置く布陣です。

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鹿島は、好調ダヴィをスターターの1トップで起用してきました。GKは曽ヶ端。今日の右SBは伊東。CBは青木と山村。左SBは浩二。ボランチは不動で、満男と岳。WGは康とジュニーニョ。大迫をトップ下に置く布陣です。

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今日の注目は、鹿島の戦いかたでした。東京がこれだけの好調を示すと、さすがに相手も対処してくると思っていました。好調東京をひっぱってきたのは、宏介とルーカスです。慶悟を左WGに置くことで基点を作り、アーリアと絡みながら宏介をフリーにする形を目指します。ボールを持った宏介は、自在なクロスをゴール前に送って、ビッグチャンスを演出していました。ここ数戦は、これが奏功していました。それから、ルーカスのコンディションです。夏場を越えた最近のルーカスは、神です。ルーカスに預ければ、ほぼ100%キープできますし、チャンスメイクしてくれます。

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一方、東京の弱点は最終ラインです。弱点というよりリスクテイクなのですけど、東京は攻める時間が長く、かつラインが非常に高いですから、必然的にカウンターを受けた際、最終ラインの守備エリアが広くなります。東京の最終ラインが、4人とも守備範囲が広いゆえに成り立つ作戦です。強者になるために必要な論理だと思うので、許容すべきだと思います。ただ、最終ライン同士とボランチを組合せたカバレッジの方法は、もっと工夫すべきだと思っています。

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今日の鹿島に注目する所以は、鹿島のナチュラルな戦いかたが、この東京の長短所にピッタリはまる、がっぷり四つだからです。つまり、鹿島が普通に戦えば、東京対策ができるというわけです。互いのチーム力を測り、上回ったほうが勝者。意図的に守備的になる必要のない相手との対戦は、サッカーファンとして最高の喜びです。まず鹿島は、ワイドオープンなカウンターが、攻撃の基本的な作戦です。ジュニーニョと康がワイドに開き、そこに大迫が絡んでサイドで数的優位を作ります。できたバイタルエリアのスペースをアタッカーが自在に使い、ゴールに迫ります。この時点で、東京最終ラインの個人技vs鹿島アタッカーの個人技という構図が成り立ちます。

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さらに守備面では、宏介を徹底的に消しにきました。担うのは、康です。宏介に張り付くように、いい形でボールを受けさせません。まずアーリーを防ぐ意図です。アーリーを諦めた宏介がドリブルインからのマイナスのクロスを選択しても、そこには伊東がいます。伊東も粘り強く宏介に対峙し、いいクロスを上げさせません。結果的に、宏介を完封します。FKもリズムに乗れなかったようで、試合後の宏介は、ホントに悔しそうな表情をしていました。

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鹿島を、東京にとって強敵ならしめる最大の要因は、シュートです。鹿島の選手は、全員シュートがあります。さらに、シュートに可能性を感じる、威力と精度があります。シュートコースを作る技術、タイミングを見逃さない視力、シュートモーションの速さと小ささ。それをアタッカー全員が高い水準で持っています。いずれをとっても、シュート技術はいまの東京より上です。東京vs鹿島。現状を測る力較べは、東京の想定外にいきなり動きます。

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前半6分。鹿島陣で浩二がスローインで一気に東京最終ラインに局面を移します。ダヴィがライン際で加賀を背負ってキープ。秀人と徳永もダビィに寄せます。上がってくるジュニーニョを待ちます。ダヴィは中央に流すパスで、ジュニーニョを導きます。ダヴィの位置がサイド寄りだったので、最終ラインは右に絞っています。つまり、宏介サイドに広大なスペースがあります。ダビィの意図は、サイドチェンジを促したかったんだと思います。ジュニーニョがバイタルエリアでボールに追いついたとき、ゴール正面は2on2の局面ができていました。最終ラインからやや距離を置いた位置で康がジュニーニョのパスを受けます。康はカットインからのシュートか、まっすぐドリブルインするプレーが多いので、宏介もスペースを切りに行きます。ルックアップした康が選択したのは、ループシュートでした。権田がまったく届かないシュートだったので、もう康を褒めるしかないです。スーペルゴラッソ。東京0-1鹿島。

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まさに鹿島がやりたいサッカーで先制されました。さらに切り替える間もなく追加点を入れられてしまいます。

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前半9分。センターサークル付近で、ヨネの縦パスをカットした岳がダビィに送ったパスはヨネがカットしますけど、こぼれたボールが大迫に。鹿島のカウンターです。大迫はスピードにのってドリブル。アタッキングサードに入ります。大迫にモリゲとヨネと千真、ダヴィに加賀、ジュニーニョに徳永がつきます。鹿島は、宏介の大外に遠藤、やや遅れ気味に岳が入っています。大迫の選択肢は、都合5つ。この時点で、鹿島のカウンターの見事な仕掛けが成立しています。大迫はモリゲを引き付け、ダヴィの前方スペースに送ります。加賀が一瞬はやくボールに追い付きますけど、ダヴィと交錯するなかでボールを失います。ダヴィはトゥで流し込みました。東京0-2鹿島。

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いきなり2点のビハインドを背負うことになりましたけど、ここからが勝負の分かれ目を決める時間になると思っていました。まだ時間が早かったこともありますから、試合の趨勢が完全に決まったわけではありません。流れとして、鹿島は無理をせずカウンターを狙うでしょうから、東京が攻撃権を持つだろうことはわかっていました。鹿島に東京のスキルフルな攻撃を守りきる力があるかどうかが、勝負のポイントになると思いました。そして、鹿島の守備は素晴らしかったです。宏介潰しに加えて、ゴール前中央、青木、山村、満男で作る守備陣が、非常に堅固でした。とくに青木です。主に山村がエースを見ていたと思うのですけど、ポストに対してはそれほど圧力をかけてきません。ただ、ポスト役が落としたボールに対しては、満男と山村が厳しくプレッシングしていました。そして、最終局面では、常に青木がフィジカルを活かして止めていました。もちろん攻撃も素晴らしかったのですけど、影のMOMは青木だと思います。

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それでも前半の東京は、多くのチャンスを作りました。要因は中盤の守備です。鹿島のパスは読み易いのか、中盤でのパスカットが効いていました。さらに、1on1のコンタクトでも力強く、鹿島を上回ります。なので、中盤でターンオーバーしてカウンターに持ち込む形を、何ども作ることができました。活かしきれなかったのは、シュート力の差です。慶悟が抜け出して打ったシュートなど、惜しいシュートが前半のうちに一つでも決まっていたら、試合はまた違った結果になったと思います。

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前半はこのまま終了。

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後半あたまからポポさんが動きます。加賀に代えて相太を投入。加賀の問題というよりも、作戦だと思います。打ち手は幾つかあって、選択が非常に難しかったと思います。ポポさんは、シューターの不足を最重要課題と見たのでしょう。中盤のがんばりでチャンスメークはできていました。肝心の千真が青木に手を焼いていましたから、2トップにして鹿島の守備を分散させる意図でしょう。この前提には、中盤を削っても優位性は変わらないことです。なので、ポポさんのもう一つの意図は、ビルドアップを少し省略して、相太のポストでクイックに攻める形を作ることだと思います。山村のルーズさもありましたけど、相太はほぼ完璧にポストのタスクをこなしてチャンスメークしていました。その点では、作戦は成功と言えます。

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ただ、千真が変わらず青木に苦しんでいました。相太に預けることで千真をフリーにする場面を増やすことで、この2トップの有効性を示すことができるわけですけど、まだコンビネーションができるまでには至っていないようです。もう一つの懸念は、千真のコンディションです。今年のこれまでのようにシュートを打てなくなっています。シュートタイミングに迷いがあるように感じます。チームと相太のコンディションが上がってきているなか、一人取り残されている焦りが、少なからずあるようにも思えます。千真が復調することが、再浮上のきっかけになると思います。ポポさんは2トップを諦め、千真に代えてネマニャんを投入します。東京が攻め、鹿島が守るという構図で、鹿島が鹿島らしい抜け目なさで待望の追加点を上げます。

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後半22分。ハーフウェイで伊東のスローインを受けた満男がそのままドリブル。このとき宏介はピッチ外。ネマニャんはマイボールと勘違いしていました。さらに両ボランチの戻りも遅れ、結果、左サイドとバイタルエリアががら空きです。そこを満男は見逃しません。そのまま一気にゴール前に。ダヴィが秀人を引き付け、大迫がゴール正面にいてモリゲが対峙します。アーリアが戻るもすでに遅く、満男が豪快に決めました。東京0-3鹿島。

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正直なところ、このゴールが試合を決めました。攻撃過重だった東京の、一瞬の心の隙を逃さないあたり、さすがに鹿島のDNAを体現する満男です。ポポさんは慶悟に代えてたまを投入します。ネマニャんにしろたまにしろ、今日はコンディションがもう一つだったような気がします。ネマニャんは、1stドリブルを岳に止めれれ、リズムが狂ったかもしれません。パス精度もらしくなかったです。東京が気落ちするなか、鹿島が止めをさします。

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後半36分。これまたカウンター。自陣からジュニーニョがドリブルでアタッキングサードに進出。たまがこれについていけません。ゴール前は、正面に大迫、外に土居。ジュニーニョは寄せてきたモリゲを引き付け、大迫の前方スペースに送ります。追いついた大迫は、権田をかわしてシュート。東京0-4鹿島。

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後半鹿島の守備で秀逸だったのが、岳です。鹿島最終ラインが東京のアタックを弾いたイーブンボールを、不思議なくらい岳が拾います。ポジショニングがいいってことでしょうね。満男の隣で、鹿島のDNAが確実に受け継がれているようです。東京がようやくゴールします。

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後半38分。ネマニャんのCKを、ファアで相太がフリック。ゴール前にこぼれます。アーリアが拾って丁寧に落としたボールを相太が決めました。東京1-4鹿島。

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一矢報いた東京が猛攻をしかけて追い上げようとしますけど、時すでに遅し。このまま試合終了。東京1-4鹿島。

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もとよりポポさんは、ミシャタイプのチーム以外はあまり相手を意識するような作戦をとりませんけど、今日の鹿島は、さにあらずにすべきだったようにも思います。宏介封じはともかく、カウンターは自明だったわけですから、日頃エンターテイメント性を主張している身で恐縮なのですけど、もう少しコンサバティブな戦いかたで試合に入ってもよかったかもしれませんね。いずれ、点差ほどの力差は、それほど感じませんでした。鹿島が、おそらくトニーニョ・セレーゾさんも想定以上の効率でゴールしたという試合だったと思います。

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鹿島が普遍的に強いのであれば、こんな順位にはいません。相手によって内容も結果も違ってしまうのが、いまの鹿島の問題でしょう。東京にとってみれば、つまり天敵。東京がウィークポイントが鹿島のストロングポイントです。言うなれば、鹿島を超えることができれば、それこそがリーグチャンピオンへの道と言えるかもしれません。

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正直優勝は厳しくなりましたけど、来年の編成を考えてもACL出場権は絶対に獲得したいです。ポイント差が開いてしまいましたけど、もう一度チャレンジしてほしいと思います。

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