大井川の風

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みのる座 映画上映最後の日 島田市

2010-03-10 23:00:00 | 島田・大井川・川根
大正5年に芝居小屋として開設され、その後映画館に改装され94年間に渡って島田の文化を支えてきた"みのる座"が今日映画上映最後の日を迎えました。駄菓子屋で配っていた3本立て映画の割引券を持ってこの窓口に並んだ頃から、中学・高校・大学を経て、自分の子どもの手を引きながら何十年と通った映画館です。


島田市には、東から「オリオン座」「みのる座」「スカラ座」「島田文化」「太陽舘」「島田東映」の6つの映画館があったように記憶しています。いくつかの映画館は閉館したものの、しばらくは3館が残り、最近まで「文化」「みのる座」の2館が営業していました。焼津と掛川の映画館が閉館してからは、シネコンを除くと静岡市と浜松市の間で映画館があったのは島田市だけでした。


東海道の難所「大井川」の左岸にある島田は、古くから文人墨客が逗留し情報文化の集積地でもありました。その伝統を受け継いで近代文化とも言える映画の楽しさを広めたのは、市内にあったこれらの映画館だと思います。
中央の瓦屋根がみのる座です。一般の住宅の屋根と比べると、瓦屋根の広さがよくわかります。


みのる座への本通側の入口です。立ち止まってはここで映画のポスターやカットの写真などをよく見ました。そういえば子どもの頃にバス停や街角にあった映画のポスターを貼る看板も、いつの間にか姿を消していました。


私はその昔、みのる座から歩いて数分のところに住んでいました。入口のところにあるおもちゃ屋さんは私が好きだった場所のひとつ。そして高校まで乗った4台の自転車は全部この先の自転車屋さんで買いました。みのる座への道はこのまま昭和のあの頃に続いていそうな小路です。新聞報道によれば数年内に解体されるとのこと、できれば文化財として後世に残しておいてほしいのですが、残念です。長い間ほんとうにありがとう!みのる座よ永遠なれ!


さて、画像をグレースケールにするとあの懐かしい日がよみがえってきます。当ブログ、今週はこの後も昭和時代の話題を続けます。