大井川の風

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商人の心 報徳訓 受け継がれる報徳思想

2009-08-20 23:00:00 | あきんど入門
毎月20日は「あきんど入門」の日です。

先月からは静岡県は掛川から新しいシリーズ「受け継がれる報徳思想」をお届けしています。今日は「報徳訓」。掛川市の大日本報徳社の中にある仰徳記念館にこの報徳訓の掛け軸があります。漢字ばかりでちょっと難しそうですが、内容はごくごく当たり前のことが書かれています。
ただ、その当たり前のことが継続して出来ないのが人間(いや私だけかも?)の悪いところ。今日はその報徳訓を簡単に読み下してみましょう。


最初から6行目(”自己勤労”)までは、「あなたがこの世界にいるのはお父さんお母さんがいたからです」「あなたが豊かでいられるのは、お父さんお母さんが励んできた善行のおかげです」「あなたの子どもたちも豊かにするためには、あなたが仕事に励む(自己勤労)ことです」と、ざっとこんなことが書かれています。

そして後半6行(”身命長養”から)は、「長生きするためには衣食住が足りていなければなりません」「衣食住の源は田畑山林(仕事)にあります」「田畑山林(仕事)はみんなで行うことにより価値を生み出します」。

そして緑の部分「今年の衣食住は去年の仕事の結果です」「来年の衣食住は今年の頑張りによるものです」。

最後に「徳(いわゆる努力)は必ず報われるとこを忘れてはいけません」の言葉で締められています。

過去の努力不足をどこかに忘れて、今が悪いのは現在に原因があると思いがちです。この緑の部分は私の心に突き刺さります。来年になって「ああ今年はいい1年だ」と思うためには、今の努力が大切であること。そしてこれから仕事を続けるためには、毎年同じことを考え行動すること、それは試練でもなんでもなく時の流れを歩んで行くための常識だとこの掛け軸は私の心に伝えてくれました。