【5月4日 AFP】中国政府は3日、ベトナムやフィリピンなどとの係争が続く南シナ海(South China Sea)について、中国は同海に「国防」設備を建設する権利を有すると改めて主張する一方、中国が同海の人工島に新たにミサイルを配備したとの報道については確認を避けた。

 米経済専門局CNBCは2日、米情報機関に近い筋の話として、中国軍が対艦巡航ミサイルと地対空ミサイルを南沙諸島(スプラトリー諸島、Spratly Islands)にある複数の軍事基地に配備したと報じていた。同局は、配備が行われたのは過去30日間のことだとしている。

 報道内容が事実なら、戦略的要衝である同海の周辺諸国との間で緊張が再燃する恐れがある。

 中国外務省の華春瑩(Hua Chunying)報道官は3日の定例記者会見で、ミサイルの配備について事実関係を明言しなかった。

 同報道官は「必要な国防設備の配置を含め、中国による南沙諸島での平和的な建設活動は、中国の主権と安全保障の保護を目的としている」とし、「(主権を)侵害する意図がない者に心配する理由はない」と述べた。

台湾南のバシー海峡および日本の沖縄本島近くの宮古海峡上空を飛行したとされる中国空軍のH-6K爆撃機(右)と、台湾空軍のF16戦闘機。台湾国防部(国防省)公開(2018年5月11日撮影、公開、資料写真)

毎日新聞も、米シンクタンク「戦略国際問題研究所(CSIS)」は18日、中国空軍が南シナ海の西沙(英語名・パラセル)諸島のウッディー島に、初めて爆撃機を着陸させたと発表した。中国のソーシャルメディアなどが伝えたもので、H6K爆撃機が離着陸訓練を繰り返しているとほうじている

 H6K爆撃機の航続距離は約1800キロで、ウッディー島から南シナ海全域をカバーできる。中国は、ミスチーフ礁など南沙(英語名・スプラトリー)諸島の三つの人工島にも戦闘機や爆撃機の収容施設の建設を続けるなど、南シナ海の実効支配や軍事拠点化を進めている。