ゴールデンウィークは毎年有田に行くのを楽しみにしている。
普段は買わない、ほんの少し上等な実用品を買うのだ。
公営の臨時駐車場に車を停める。
「こっちからの方が近道ですばい。」
国道の下を潜るような怪しげなトンネルを抜けると、
いきなり陶器市の賑わいが目の前に広がる。
連休中とはいえ、平日だし、雨模様の天気という事もあるのか、人出は思いの他少ない。
重要無形文化財今右衛門窯。
さすがの出来栄えであるが、値段もさすがである。
しばらく徳利と盃のセットに見入り、あとすこしで、
「これ下さい！」
と言うところであったが、家内の顔が頭をよぎり、かろうじて思いとどまる。
趣のある消防団の建物。
こういう建物を見るのも楽しみの一つである。
今右衛門で買い損ねた、徳利と盃を露店で購入する。
「ひゃ、百円ね！百円でよかとね。」
「そうよ。税込よ。」
買った！
大した落差である。
ん？
どうしたもこ。
人出が少ないとはいえ、通常の街中の人出より多い状態には違いはない。
通行の邪魔になるといけないので、もこは家内の買い物袋にあえなく捕獲されている。
なんだ、何が言いたい。
『づがれだ～～～』
そうだな、ほんじゃそろそろ帰るか。
自宅へ帰り、購入したものをテーブルに広げる。
「な～んこれ。ヒビがはいっとるじゃん。」（家内）
へ？
見事に上から下までヒビがはいっている。
く、傷物だったのか。
100円だし、まあいいか。漏れる訳でもなさそうだし。
それよりこっちだよ。
毎年少しづつ買い足している、源右衛門の焼酎杯とビール杯。
ウヒヒ
少しばかり良い器で飲む酒は、格別なんだよな。
大事に食器棚に持っていこ。
ガチャッ！
あ！！
あ"～～～～～！！
とほほ。
まだビールの一滴も注いでないのに・・・・
「ば～～か」（家内）
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