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「HA-SZ1000」の音質チェック

2013年06月01日 | オーディオ製品
【Victor】








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●「HA-SZ1000」の音質チェック
制動良い中低域の厚みとヌケ良くソリッドな中高域の際立ちを同時に味わえる

それではまず「HA-SZ1000」について見ていきたい。“ストリームウーファーDB”機構を盛り込んだつくりもあり、オーバーヘッド型の中でもかなり大柄なスタイルである。特にハウジングのアルミ製リングがアクセントとなり、独特な存在感を醸し出している。折り畳みに対応するほか、キャリングポーチも付属し、片出しケーブルは1.2mで程よく使いやすい長さであり、持ち出ししやすい。しかしその半面、昨今発表されたヘッドホンの中では重量級となる450gという重さであること、イヤーパッドも低反発クッションを用いているものの、側圧が比較的高めであることから長時間のリスニングでは少し疲れを感じた。

サウンド面(試聴には「iBASSO AUDIO HDP-R10」を使用)では“ストリームウーファーDB”の効果もあり制動良い中低域の厚みとヌケ良くソリッドな中高域の際立ちを同時に味わえる。傾向的にはウォームな音色となっており、各音像は明瞭良く聴こえてくるが、音場そのものは奥行きが浅く、余韻が残る印象も受けた。しかしながら高域方向の倍音をバランスよくまとめてくれるため、ピアノやギターの輪郭感にメリハリを持たせ耳当たり良いサウンドとしてくれる。

クラシックのレヴァイン指揮/シカゴ交響楽団『惑星』~「木星」(CDリッピング:44.1kHz/16bit・WAV)では管弦楽器の中域成分を厚く押し出すが、粒立ち良い高域のタッチは素直に表現し、音伸びナチュラルなハーモニーが広がる。低域の押し出しはどっしりと豊かに響くが制動感は保たれ、打楽器の輪郭もしっかりと感じさせてくれた。

ステレオ録音初期のジャズ作品、オスカー・ピーターソン・トリオ『プリーズ・リクエスト』~「ユー・ルック・グッド・トゥ・ミー」(CDリッピング:44.1kHz/16bit・WAV)ではピアノの高域の倍音感が甘く、優しげなタッチを聴くことができる。中域成分も豊かで、余韻はウォームだ。ウッドベースは制動良く腰高な胴鳴りを聴かせるが、量感は豊かで弦のたわみ感も艶良く浮き上がる。ドラムのディティールも厚みを出しながらブラシの小気味よいアタックを粒立ち良く描く。

中低域の厚みをしっかりと感じ取れるハードロック、デイヴ・メニケッティ『メニケッティ』~「メッシン・ウィズ・ミスター・ビッグ」(CDリッピング:44.1kHz/16bit・WAV)ではリズム隊は膨らみ良く張り出すものの、アタック感をしっかり引き締め、ビートを的確に表現。レスポールの豊かなディストーションは重厚で甘いエッジを見せ、ミュートの刻みも太く立派だ。ボーカルもボトムを厚く支え、口元のハスキーさをハリ良く演出。

打ち込み主体でゴージャスな音づくりをしているアニソン系から、『ラブライブ!』の楽曲(CDリッピング:44.1kHz/16bit)もいくつか聴いてみた。μ’s「baby maybe 恋のボタン」では、キラキラとしたシンセやギターのフレーズが華やかに展開し、ボーカルはからっとヌケ良くソリッドに定位。音像のボディはほんのりと重心が下がり安定傾向だ。ベースは力強いリードを見せ、ディストーションギターも分厚く表現。ボーカルのシャープな鮮やかさとスピード感あるリズムの歯切れ良さについては、にこりんぱな「Listen to my Heart!!」でも顕著であるが、この曲についてはエレキのズンズンと響くユニゾンの重厚な刻みがことのほかマッチしている。

ハイレゾ音源の参考として『Pure2-Ultimate Cool Japan Jazz-』~「届かない恋」「夢であるように」(192kHz/24bit・WAVマスターデータ)も再生してみると、太く安定したリズムセクションの厚みと、高域にかけて細身の描写となる管楽器の際立ちをバランスよく両立させており、アンビエントの響きも華やかに広がる。ウッドベースのむっちりとしたタッチやウェットで艶やかなボーカルの存在感あるボトムの厚みは“ストリームウーファーDB”が効果的に働いている証拠だろう。


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