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CLOSE TO THE EDGE~危機~ / イエス

2013年11月15日 | ドラマ、映画、映像、音楽







[CD]YES イエス/CLOSE TO THE EDGE【輸入盤】

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CLOSE TO THE EDGE~危機~ / イエス 
① Close To The Edge ~危機~

   a)着実な変革

   b)全体保持

   c)盛衰

   d)人の四季

② And You And I ~同士~

   a)人生の絆

   b)失墜

   c)牧師と教師

   d黙示

③ Siberian Khatru

KING CRIMSON クリムゾン・キングの宮殿」('69)、PINK FLOYD 狂気」('73) と並ぶ、「プログレッシブ・ロック」古典中の古典、基本中の基本である YES (イエス) の 「CLOSE TO THE EDGE~危機~」 。
 あとは EL&P GENESIS あたりをレビューすれば、とりあえず最低限のプログレ・バンドは紹介したことになるので、そちらもなるべく早めに取り上げるようにしたいと思う。
 ともかく今回は YES だ。 CLOSE TO THE EDGE~危機~ だ。名実ともに彼らの代表作である。



 ①Close to the Edge~危機~  YES の代表曲というだけでなく、プログレ界を代表する名曲のひとつだ。小川のせせらぎや小鳥のさえずり声などのSEで始まるこの作品は、4つの章からなる組曲形式となっていて、アナログLPのA面をフルに使った18分を超える大作である。
 イントロのSEの後、YES 特有のやたらとベースの録音レベルがデカい「何が演りたいのかよく分からん」バンド・アンサンブルに突入してから大演壇を迎えるラストまでの18分を一気に聴かせる構成力・リーダビリティは、見事というよりは奇跡に近い。特に、中盤のパイプ・オルガンによる荘厳なパートからバンド演奏へ戻り、ハモンド・オルガンのソロなどを経て感動のクライマックスへ登りつめていく後半部分の流れは完璧だ。
 神秘的な詩や壮大な曲構成、細部にまで凝った緻密なプレイなど、すべてが様々なベクトルを描きながらエンディングへ突き進み、 「I Get Up~、I Get Down~」 と壮大に唄われる部分で頂点に達して昇天を迎える、圧倒的に完成度の高い名曲である。
 長くなってしまうので触れないが、LPのB面にあたる②③もなかなかの秀作で、特に③ 「シベリアン・カートゥル」 は、結果的に ①危機 の名曲ぶりに影が薄くなってしまっただけで、よく聴けば YES の長所がふんだんに詰め込まれた質の高い楽曲だ。
 これだけの楽曲が揃ったアルバムである。名盤以外の何物でもない。



 YES の楽曲には、フツーのバンドでいうところの「バッキング」に相当するパートがほとんどない。ボーカルがあろうがなかろうが、各メンバーが他の楽器との整合性などまるで考慮せずに元となるフレーズを変容させて好き勝手なプレイを繰り広げ、これが二重三重に交差して結果的に複雑で難解なバンド・アンサンブルになってしまうことこそ、 YES の支離滅裂な音楽性構築の真相なのであるが、これで曲が破綻せず統制のとれた楽曲として成立しているところに、このバンドの凄みがある。
 ただ、難解とされてる彼らの作品も、よくよく曲を分解して考察すれば、原曲自体はそれほど複雑なものではない。
 例えば本作収録の①にしても、曲構成だけを考えれば、




イントロ → 歌1番 → 歌2番 → 間奏及びブリッジ → 歌3番 → エンディング




 という、歌謡曲でもお馴染みのパターンだ。単にそれらひとつひとつが長いというだけのことである。
 また、天然ユートピア思想の持ち主 ジョン・アンダーソン(vo) が紡ぐ詩も常人には理解しがたい世界で、良くいえば「壮大で哲学的」なのだが、要するにワケの分からん内容なので、正直なところ無理に意味を理解しようとする必要はないと思う。 YES を愛聴し続けて久しいが、いつ聴いても詩が何を表現しているのかさっぱり理解できないし、たぶん理解しようとするだけ無駄である。
 楽曲にあった崇高な雰囲気が感じられれば、それだけで充分だ。


 YES は、プログレ・バンドとしては珍しく専任ボーカリストのいるグループだった。よって必然的に他のバンドに比べれば歌にも比重を置くこととなり、その結果、まだ一般リスナーにも比較的聴きやすいといえる楽曲を作り上げていた。だからこのバンドを突破口としてプログレの世界へのめり込んだ人も少なくない。
 そんな彼らの作品の中でも本作は、プログレッシブ・ロックの魅力と初心者にもとっつき易いメロディとが見事に融合した極めて稀有な作品だ。音楽家として精神的にも技術的にも急成長を遂げる過程にあった各メンバーの力量が凝縮された歴史的名盤であり、後の彼らでも超えることのできなかった一大傑作である。事実、 ビル・ブラッフォード(dr) は、もう YES でやり残したことはないと言うかの如く、本作を最後に脱退して、 KING CRIMSON へ移籍することとなる。
 「七色のキーボード」 リック・ウェイクマン(key) を迎えて初めて製作された前作 「FRAGIRE~こわれもの~」('71) において、 YES でしか表現できない独自のスタイルと音楽性を確立させた彼らが、誰も到達し得ない領域まで入り込んでしまったのが、本作CLOSE TO THE EDGE~危機~ に他ならない。必聴盤である。



 尚、このA面1曲、B面2曲という大作揃いのアルバムは、予約だけでゴールド・ディスクを獲得した作品でもあった。いい時代だったんだなぁ。
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