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SoftBank SELECTION「SE-5000HR」の使い勝手や音質をチェックする

2015年12月06日 | オーディオ製品
SoftBank SELECTION



















携帯電話との親和性や、通話環境をより快適にしたいという基本思想を持つ「SoftBank SELECTION」。当然、本機にもマイク付きリモコンが付属し、ヘッドセットとしても利用できる。
マイク付きリモコン
 
裏にはブランドロゴ

リモコンはワンボタンで着信時の通話開始、音楽再生、音声検索に対応。iPhoneと組み合わせて音楽を聴く場合、ワンクリックで再生または停止、2回素早くクリックすると次の曲にスキップ、3回素早くクリックするとスキップバックといった具合だ。

Android端末はモデルによって一部動作が異なるが、ソフトバンクおよびワイモバイルが取り扱うモデル群との動作対応表もしっかり用意されている。さすがは携帯キャリアのグループ企業。きちんと動作確認が行われている、ユーザーにとって安心材料と言える。

リモコンはアルミ素材で覆われ、見た目の美しさに加え、余計な電磁的ノイズの混入や放出を抑える役割を果たしているという。ケーブルの芯線にはケブラー繊維を含み、柔軟さと耐久性を両立。プラグ部もアルミハウジングを採用し、L型で強度と接続安定性を確保。毎日の通勤や通学など、酷使されがちな環境下でも安心して使える堅牢性も備えている。
プラグ部
■音質インプレッション:ワイドレンジでキレが良く表現力も高い

音質はiPhone6に直接接続して試聴したほか、ポータブルヘッドホンアンプと組み合わせてのハイレゾ試聴も行った。

結論から言えば、非常に高音質だ。一聴してシルキーで艶やかな音色に魅了された。基本として低域から高域までワイドレンジでエネルギーバランスが整い、強調感の無い素直な音調が好ましい。濁りや余計な響きを感じさせず、音楽信号がピュアに鼓膜に届くのだ。
旧製品と周波数特性を比較したグラフ

例えば打楽器はアタックの立ち上がりが極めて俊敏で後を濁さないキレの良さが絶品。一打が単調にならず、立ち上がりから収束まで、表情の変化をニュアンス豊かに聴かせる。ジャズ系との相性も良い。アート・ペッパーのサックスは吹き上がりのダイナミズムが感じられるのも特筆に値し、イヤホンとしては珍しいサウンド体験ができた。

ヴォーカル系は、澄み切った音場の中に、開放的な広がりが感じられる心地良いもので、ジャンルを選ばず気持ち良く堪能できた。「原音に忠実」という言葉では言い表せないほど表現力が高く、アーティストが込めた想いや音楽性まで伝わってくる。

こうした完成度の高いサウンドに到達した背景には、ボイスコイルに超軽量なCCAW(銅クラッドアルミ線)や硬質なチタンコート振動版を用いたドライバーのレスポンスの良さと、シンプルな構造でありながら、音の劣化要因を取り除くという、オーディオの王道的な設計手法を突き詰めた結果と言えるだろう。料理にたとえるなら、シンプルな調理で素材の旨みを引き出すのに似ている。

iPhoneとの組み合わせでも鳴りが良く、ポータブルヘッドホンアンプやハイレゾDAPなどを使った場合は、ハイレゾ音源の持つ空気感や、瑞々しい解像度感もしっかり表現する。オーディオプレーヤーを選ばないオールマイティーさも本機のアドバンテージと言って良いだろう。

美しいデザインと類まれなる高音質。オーディオ専業メーカーと比較しても互角以上の出来栄えながら、価格は8,880円というから驚きだ。こうしたリーズナブルな価格が実現できたのは、余計なものをそぎ落とした洗練の美と言える。

ブランドにソフトバンクの名を冠しているが、本機はどのキャリアのどの端末でも使える。ハイレゾ対応スマホやDAPと組み合わせるもよし、iPhoneと組み合わせるのもよし。気軽に上質な音を楽しみたいユーザーにおすすめできる良品である。

VGPの主要賞をダブル受賞した本機。そのクオリティーは審査員の折り紙付きで、自信を持ってお勧めできる良品だ。ぜひ店頭で、自身の耳で確かめてほしい。


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