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DS-DAC-100m

2014年02月08日 | オーディオ製品
【DS-DAC-100m】







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■独自のDSDネイティブ伝送方式を採用するDS-DAC-100m
DS-DAC-100mの基本情報としては…

・ポータブルハードディスクサイズ
・PCM 192kHz/24bit、DSD 5.6MHz対応
・専用ドライバー+再生アプリAudioGate
・バッテリー非搭載
・ステレオミニ端子のライン出力搭載

…といったところだ。

説明が必要なのは、「専用ドライバー+再生アプリAudioGate」のところだろう。一般にUSB-DACは、Mac(OS X)環境での利用には専用ドライバーのインストールを必要としない製品も多い。OS XはOS自体が用意するオーディオ環境が整っているためだ。

しかし本機は…、というかKORGのUSB-DACは全て、OS X環境においても専用ドライバーのインストールが必要。これは主にはDSD再生のためだ。KORGのDSD-DACはPC→DAC間のDSDネイティブ伝送に、業界標準となりつつあるDoP方式ではなく、独自の方式を採用している。そのためKORGのDACでのDSD再生には、独自のドライバーと専用再生アプリAudioGateが必須なのだ。

AudioGateでのDSD再生。なおAudioGateには完全刷新大幅強化のAudioGate 3が控えている。登場の際には改めて取り上げる予定だ

設定の「サンプリング周波数」を「2.8MHz」または「5.6MHz」にするとPCM(FLAC等)の音源をリアルタイムDSD変換して出力することもできる

では「そもそもなんでDoPじゃないの?」という部分だが、おそらくは「DSDデータをPCMデータに偽装して伝送する」というDoPのトリッキーな仕組み、その信頼性について、KORGとしては納得できなかったということだろう。独自の方式を採用してでもその閉じた環境の中での完成度を優先するというのは、ある意味でむしろMac的な考え方かもしれない。なおWindows環境では、安定したDSD再生基盤として定評のあるASIO 2.1によるDSDネイティブ伝送&再生を採用している。

■DS-DAC-100mの音質をチェック

ではそのMac+専用ドライバー+AudioGateの環境で音質チェック!こちらも試聴ヘッドホンにはShure SRH1540を利用した。

意外でもあり納得もしたのは、コルグのオーディオ向けDSD-DACの第一弾製品DS-DAC-10との感触の違い。設計開発の方向性は同じだが、その到達度が上がったため、これだけ進化したのではないかと想像している。

DS-DAC-10はレコーディング機器の技術をそのまま生かして開発された第一弾製品であったためか、その音はややドライなモニター調と僕には感じられていた。
対してこちらDS-DAC-100mは、極端ではないが、いわゆるアナログ的な滑らかも感じられる音だ。同時発売の据え置きモデルDS-DAC-100も同傾向の感触だったので、これがコルグ第二弾の音!なのだと思う。

具体的にはまず、全体の印象として滑らかなまとまり感を増したと感じる。解像感は確保しつつもそれを強く主張しすぎず、個々の音はやや大柄でその感触も荒さは出さずに滑らか。空間表現も余白を生かすよりはギュッとした濃密さが印象的だ。

低音側のベースやバスドラムは、ほどよくこもった柔らかな抜け方も表現する。「こもった」というと悪い印象になるかもと思うが、例えばビンテージ楽器のウォームさを好ましく「こもり」と表現することもある。ゴリゴリバキバキのサウンドが好みの方には違って聴こえるかもしれないが、表現の幅としてそういったウォームさも含まれていることはポイントだ。

エレクトロなサウンドとの相性も良い。中低音が濃密でしっかりしているので、それ系のベースやバスドラムの存在感も強いからだ。前述の空間性の濃密さも、クラブ系の空気感というか密室感の表現にプラスになる場合もある。

中高域の刺さりや荒さといった要素は悪目立ちさせない。ボーカルの刺さる成分、シンバルの質感の荒さ、スネアドラムの炸裂音の濁点などの要素だ。特にボーカルは、コーラスが重なる場面でのそれらの滑らかななじみ感が秀逸だ。「にじみ」ではなく「なじみ」と表現するニュアンスを受け取ってほしい。単に分離が悪いわけではなく、アレンジやミックスの意図に沿った一体感に思える。

DSD再生でも印象にブレは出ない。というか、PCM再生時にもどことなくDSDっぽい柔らかな雰囲気を醸し出しているのが、この製品の持ち味かもしれない。なおAudioGateとの組み合わせでは、PCM音源をAuduiGate側でリアルタイムDSD変換して本機に送り出すことも可能。激変はしないが、持ち味である滑らかさや和らぎがもうひとさじだけ加えられるように感じる。

既存モデルに対して、ほどよい個性も獲得して面白みを増したモデルと言える。ポータブル用途を想定したコンパクトさを生かして、メインのお気に入りUSB-DAC(ただしDSD非対応)をお持ちの方が、DSD専用サブ機として導入するパターンもいけそうだ。

nano iDSD “全部入り”スペックで衝撃的な高C/P

2014年02月08日 | オーディオ製品
【nano】









iDSD
ではまずはnano iDSDの方から見ていこう。基本情報を押さえていくと…。

・いわゆるポタアンサイズ
・PCM 384kHz/32bit、DSD 6.2MHz対応
・iOS機器とのデジタル接続によるハイレゾ再生
(カメラアダプタ経由の例の方法で)
・ハイレゾ対応ウォークマンとの以下同文
(ソニー純正オーディオ出力用USB変換ケーブルで)
・その他Androidスマートフォンとのデジタル接続
・バッテリー駆動10時間以上
・RCAライン出力搭載

…と、文句の付けようがない、現時点でどころかこの先も、当分の間は「全部入り」と言い続けることができるであろうスペックだ。これで2万6,250円というのは、むしろ逆に大丈夫かと思ってしまうレベルだが…。

その心配は後ほど音を聴いて解消するとして、使い勝手の面では、おおよそは普通のUSB-DAC/ポータブルヘッドホンアンプであり、戸惑うところはないだろう。ボリュームが電源スイッチを兼ねていて電源オン/オフ時には必然的に音量が最小になるのは、僕好みの仕様だ。

ただし一点だけ注意が必要な箇所があり、メーカーからアナウンスが出されている。本機のUSB端子は見ての通りUSB 3.0のB端子だ。しかし端子の物理形状は3.0だが伝送にはUSB Audio Class 2.0が利用されている関係で、PC側のUSB端子が3.0だと正常に動作しない場合があるとのこと。対策としては、

・PCにUSB 2.0の端子も併設されていればそちらに接続
・PCにUSB 3.0の端子しか用意されていない場合はUSB 2.0のセルフパワーハブを経由

ということがアナウンスされている。この点はあらかじめ注意が必要だ。なおUSB 3.0のB端子は2.0のB端子をベースに拡張したものなので、USB 2.0のB端子のケーブルはそのまま流用できる。
USB-DACでの採用例はあまり見かけない、USB 3.0のB端子

■nano iDSDの音質をチェック

さて、気を取り直して!いちばん大事な音質チェックだ。今回はやはりこの製品の大きな特長である、iOS機器と組み合わせてのDSDも含めたハイレゾ再生環境でチェックしよう。

大まかな印象としては、組み合わせた他の機材、そして曲ごとの個性を素直に引き出して、自身の個性は強くは主張しないアンプと感じた。現在利用中のプレイヤーやヘッドホンの基本傾向を気に入っている方が、それはそのままに、もう一押ししたいという場合には、特に都合がよいだろう。

例えば今回のシステムだと、再生アプリHF Playerの艶っぽさとヘッドホンSRH1540のシャープネスを共に生かしてくれることがポイントだ。その結果、トータルで「きつくない解像感」といったようなものが生み出されている。

シンバルやボーカルの刺さる成分を薄刃に鋭利に出しつつも、その刺さり具合というか鋭さの質が不快ではない。艶とかほぐれとか、そういった感触がある。描写が甘いわけではなく、シンバルの金属の質感の描き込み等もしっかりしている。このあたりは高域の再現性に崩れがないためだろう。

しかしではソフト傾向の音色なのかというと、一概にそうというわけでもない。音色の硬軟で言うと好ましい意味で”やや”硬質と感じさせる箇所もある。顕著なのは中高域のスネアドラムやギターで、擬音で言うとカコンとかパキンとかになるような硬質な抜けを見せる場面がある。これはもちろん、その曲その録音に沿った再現だ。

またアンプとしての制動力が確かなのか、ベースやバスドラムなど低音側の音像を無駄に膨らませることはない。引き締め方はタイトだ。しかしきつく制動しすぎたゴツゴツの音色にはしていない。ベースの柔軟性やバスドラムの木質の暖かみも生かされている。偏りがないというか分別があるというか、巧い制動だ。

もちろんDSD再生もチェック。DSDマスタリングの作品を聴いたのだが、エンジニアがDSDマスタリングを選択したその意図がおそらく正しく伝わってきているであろうと感じられる。例えば音のエッジの絶妙な落とし方はDSDがアナログ的な感触と言われる由縁のひとつだが、まさにその感触。全体の奥行感や個々の音色の立体感。濃密なのだけれど窮屈ではない空間性。そういった要素が存分に生かされている。DSD再生環境として十分な実力だ。

それにしても、機能を確認して音を確認した後に改めて値段を確認すると、もう一度驚きが湧いてくる。去年末の時点で、ウェブページには初回入荷分は品切れで、次回生産分のお知らせが掲載されていたが、「まあ売れるだろうな」と納得だ。