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絵じゃないかおじさんぐるーぷ
そのおいずるの背中の中央には、「奉巡礼ぽたら浄土」、
前の左右には、名前と生年月日が書き込まれておりました。
おカネさんは、戸板に乗せられて運びこまれました。
おカネ婆さん、美代さん、白太ちゃんの顔つきは、
喜びにあふれておりました。
75才になるという喜助ジィさんだけは、嫌がって
舟には乗りません。
「お母ちゃん、オラ、こわいよー」などと叫んでおります。
着物の裾が乱れて、裸足でありました。
頭の中は、ちょうど白太ちゃんぐらいの年の頃に還っていた
のでしょう。小舟の中で暴れられるといけないので、
手足を縛ることになりました。こうして、何とか狭い舟倉に
全員が入りました。食糧、水なども運びこまれました。
つづく