被災地支援プロジェクトチームEn

東北の中長期的な復興を目的としたボランティア任意団体です。活動のご報告をしていきます。

【学習サポート】2016年度第5回:ESD教育レクチャーを受けて

2017-01-19 22:16:09 | 日記


今回、12月のEn災害研修において、学習サポート先の学校の教頭先生によるESD教育と防災教育について実際に行われている取り組みを例にレクチャーを受けました。そこから私自身が感じたことをお話ししたいと思います。

ESDとはEducation for Sustainable Developmentの略であり、国連で発信された考えでありここ最近では文部科学省がESD教育を推奨し日本の学校でも持続可能な教育が推進されています。レクチャーの例として挙げられた学校は、教育委員会や地域の方々と提携してESD教育の取り組みの1つとして、防災教育を行っています。大規模な地震が来れば90%以上の確率で津波が到達するというデータや過去の災害史に基づいて先生は生徒たちに自主的な防災の必要性を説くことをしました。実際に避難シミュレーションを何度も行い、そのたびに反省を繰り返しました。仮設トイレ・テントの設置、ハザードマップの作成などを含め「わたしたちは未来の防災戦士」というテーマで50時間の防災教育を受けていたといいます。
そして、実際に3.11が起こりました。津波の到達地点はシミュレーション通りであり、生徒たちは訓練を踏まえて避難行動を取ることが出来ました。また三つの奇跡があったといい、【①干潮時であり、もし満潮時あったら津波はあと2m高かった②3月であり、小学校低学年の児童もしっかり訓練を受けていた③昼間だったこと】があるといいます。結果、犠牲者が比較的少なく、市内でも同じような傾向が見られました。しかし、大切な生徒の命が失われたことに変わりはありませんでした。
その学校は、体育館が避難所として使われていて生徒たちも運営に協力していました。そこで彼らは日ごろの防災教育で得てきた自立性や地域の方々とのつながりを生かしました。先生がいない時も生徒たちが率先して地域住民の方々に対応するケースもありました。まさにESD教育をベースとした教育が生きたとも言えます。

ここまで、教頭先生が語られた話を簡単に要約してきましたが、ここからはそれを受けて私個人として感じたことも交えて話したいと思います。話を聞いて思ったことは、「正しいことを正しくする」ということです。土地柄上、津波が来れば大きな被害が受けることを想定していたからこそ防災訓練、防災教育の必要性を先生・生徒が一体となって感じていましたし、アンテナの高い先生が多かったからこそ生徒もそれを素直に受け止められたのだと感じます。自分が小学生の時にここまで防災学習をしっかりやっていたといえば嘘になります。正直、その時の自分はその必要性すらも感じていませんでした。ESD教育に立ち返ってみると、二つの観点が大事にされています。【①人格の発達や、自律心、判断力、責任感などの人間性を育むこと②他人との関係性、社会との関係性、自然環境との関係性を認識し、「関わり」、「つながり」を尊重できる個人を育むこと】つまり、外部環境の変化に対してもしっかりと対応していける自立性を持った人間になることが基本とされています。そのうえで災害とは私たち人間と切っても切り離せないものであり、いつか必ずやってくるものです。この学校はその意識が浸透していて、だからこそ「いざ来た時に対応できるために今何をするべきなのか」が重要視されていたと思います。それが日常的な防災訓練や自主的な防災教育に繋がっていたと思いますし、ある意味で緊張感を持った実践的な教育が行われていたように思います。

ただそれは、本当にその必要性を一人一人が認識していたからこそであり、教育機関の連携、先生たちの教育に向けた姿勢があったからこそ成しえたことだと思います。教育とは、教える側の影響を多分に受けるものですし、ましてや小学校にもなると先生が子供に与える影響はとても大きいです。それこそ、教師という仕事の尊さだと思いますし、だからこそ誇りを持って先生たちは日々子供と向き合っているのだと感じます。

言いたいことは、必要だと認識した上で、そのために必要なことを把握し、一つ一つ丁寧に実践していくことがこの学校では出来ていたのかなということです。正直、必要なことは目に見えませんし、それを認識することも出来てないケースは多くあります。ただ災害という中で皆がいざ来た時のことを意識して、避難シミュレーションを行えていたのは皆に共通認識があったことの賜物であると思います。
  
                                                               (なかじ)
ジャンル:
ウェブログ
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 【学習サポート】2016年度第5... | トップ | 【学習サポート】2016年度第6... »
最近の画像もっと見る

コメントを投稿

日記」カテゴリの最新記事