ぴよしろうの半日登山

家からわりと近場での、軽登山を続ける私、「ぴよしろう」の記録です。麦汁登山は・・・危険ですのでお勧めしません(苦笑)

無意根山・余市岳縦走 平成24年9月2日(日)

2012-09-05 20:52:10 | 定山渓方面・夏山
豊羽鉱山を挟んで隣り合い、双子のようによく似た形をしていて、ときどき間違えることもある無意根山と余市岳。
この2つの山の縦走は、去年からずっとやってみたいと思っていました。
ただ、利用する交通機関のことや、コ-スの難易度からなかなかふんぎりがつかないでいたのですが・・・
いろいろ考えた末、交通面でも体力面でもなんとかできそうな目途がついたので、実行することにしました。



定山渓をスタ-トして薄別から無意根山に登り、元山コ-スを降りてからは天狗小屋まで舗装道路を歩き、
白井右股川コ-スから余市岳に登り、赤井川コ-スを下ってから5kmほど歩いてバスに乗るというものです。

まずは北広島の自宅を21時に出発し、札幌駅発22時の定山渓行きバスに乗ります。
途中、ススキノを通るのですが、乗客も多く、これから行く山とは別世界のようににぎやかでした。

↓ススキノのネオンと観覧車。バスの窓から撮影。


定山渓には11時過ぎに到着。
コンビニが見えてすぐの「定山渓神社前」で降り・・・まずはコンビニを2軒ハシゴして麦汁をいただきます(笑)

↓ローソンとサンクスが向かい合ってるんですね。両方で麦汁と焼き鳥なんかをいただきました。


ここから先はほぼ補給ができないので水とスポ-ツドリンクを計3.75L、ジェル系3袋、麦汁1.85Lをザックへ。
食料や衣類、ストックなども持ったので、日帰り装備としてはめちゃめちゃ重い感じがします(汗)

とりあえず、ここをスタート地点とすることにして、GPSのスイッチを入れ、23時42分出発です。
が・・・しばらく歩くとちょっと眠くなってきたので、近くのバス停で休憩させていただきました(苦笑)
そしてベンチで寝転がり、20分ほど仮眠をとって、0時23分、定山渓を再スタートしました。

 
↓休憩したバス停。もともとバス停か公園で仮眠とろうと思っていました。バスを利用したのでお許しを。


で、しばらくは国道をトコトコ歩きますが・・・ラッキーなことに、今日はほぼ満月です。
歩道が無いので、車が来るたびに怖くてガ-ドレ-ルに張り付きましたが・・・
すごく明るい夜で、まわりの景色もきれいに見えて、なんだか心強い気持ちになりました。

で、1時20分、定山渓から約1時間で薄別の登山口に到着。

↓約1ヶ月ぶりの登山口。ここでまずは麦汁休憩(笑)


ここからは熊が怖いので、熊鈴をザックと腕時計にダブルで装着し、ラジオをつけて1時29分に出発。

正直、昔はこんな熊が出る山奥で夜に歩くなんて、狂気の沙汰と考えていました。
今も相当危険だとは思いますし、人には決して勧められませんが・・・今回は楽しかったです!

晴れた夜空に満月が明るく輝き、黒いスクリーンに映し出されたエゾ松の大木のシルエットがきれいで・・・
なんだかこんな風に夜の山を楽しんで歩くことができて、ほんとにうれしい気持ちになりました。
夜の景色を写真に撮ろうと思ったのですが・・・残念ながらコンパクトカメラでは無理でした(笑)

のんびり歩いて3時9分、宝来小屋に到着。
ここで夜食のサンドイッチをいただいて15分ほど休憩します。

↓林道はここまで。宝来小屋からは登山道になります。


登山道に入っても、先月にきたばかりということもあって、なんだか不安はありません。
とりあえずゆっくり進み・・・4時4分に無意根尻小屋に到着。



ここからテラスと呼ばれる場所に登っていくと・・・だんだん東の空が明るくなってきました。

↓夜明けです!空が燃えるようにゆらめいて・・・いい感じです!


山頂側も薄明るくなるなか、明るい月が見えて・・・こちらも素敵です!

↓実際に見える感じと写真はちょっと違いますね。月が本当にきれいでした。


さらに登っていき、元山分岐で日の出5分前になったので、ここで麦汁を飲みながら日の出をみることに。
もう、水平線はオレンジに色づき、少しづつ光がにじみ出てきます!

↓オレンジ色に染まった地平線から太陽が顔を出し・・・


↓少しづつ周りを照らし始めて・・・まわりの景色が赤く染まります。


久々に見たすばらしい夜明けの景色でした。
一応日の出は見ることができたので、荷物をデポして山頂に向かって少し歩き振り向くと・・・
さらにすばらしい雲海と山々と高原の景色が!

↓無意根山万歳! 「うおっほーい!」と変な叫びを上げてしまいました!


山頂には5時11分に到着。
あと15分早く登っていれば山頂で夜明けを見ることができましたが・・・まあ満足です。

山頂はまだ夜明けの余韻十分で、やはりすばらしい景色です!

↓山頂標識と羊蹄山。


↓中岳、並河岳、喜茂別岳。


↓札幌岳、空沼、漁方面。


本当に今日この日、この時間にここにいられてよかったです。
しばらく景色を見ていたくなりますが・・・実は自分で立てた予定から遅れ始めています。
今日は下山後に赤井川の常盤というバス停から17時10分発のバスに乗らなくてはいけません。
途中、荒れた登山道で有名な余市岳白井右股川コ-スを通ることもあり、余裕をもって行動する必要があります。
なので、名残惜しいですが・・・下山することにします。

長い山頂部を歩いて行くと・・・次の目標余市岳が見えます。

↓中央左に余市岳。ちょっと遠いですね(苦笑)


ふとGPSを見ると、電源が切れていて山頂部付近が記録されていませんでした。
なんかちょっと残念・・・。

元山分岐でデポしたザックを回収し、時間を短縮するため、下りはスロージョグで降りることにします。
先月と違って、元山コ-スはきれいに草刈されて快適です!

↓笹が刈られた登山道。


で・・・1時間ほど進んだところで、前から人が。
あいさつを交わして顔を見ると・・・なんと、前にニペソツであったS本さんです!

↓一昨年の秋にニペソツで会ったS本さん。めちゃめちゃ歩くの早い人です、


彼に今日の予定を話すと・・・「うわー、バカだー!」・・・と、本当のことを言われてしまいました(苦笑)
「それを言われると、返す言葉が・・・」というと、「い・・・いや、すばらしい!」と言ってくれましたが(笑)

で、時間が遅れ気味で気が急いていたので、S本さんにまたどこかで!、とあいさつしてまたジョグで下山します。
元山の登山口には、分岐から1時間半かからず、7時37分に到着。
当初予定していた7時半にほぼ近い時刻に到着できてちょっと安心。
ここからは舗装道路を5.5km歩いて余市岳の登山口、天狗小屋に向かいます。

途中、キノコ採りの方と話したりしながら早足で進み、8時38分、約1時間かかって小屋に到着。

↓定山渓天狗山に登る人の車がたくさん止まってました。


↓ゲ-ト前で麦汁を補給(苦笑)


自分の予定では、登りに約4時間かけて、12時半頃に余市岳の山頂に・・・と考えていました。
約10kmの荒れた登山。
ここでどれくらいかかるかが問題ですが・・・とりあえず進みます!

で・・・天気がよくて、暑くなってきました。
途中、さっき話したキノコ採りの方がバイクで追い越して行きました。

↓林道は明るくて・・・暑かったです


↓林道の終点あたりの崩落地。


↓前半の登山道は多少荒れていましたが、十分明瞭でした。


↓前回滑落した崩落地。


↓2時間半以上かかって、やっと余市岳の姿が見えてきました。


約3時間かかって、一昨年来たときに時間切れで折り返した沼に到着。
前回とほぼ同じ時間で到着したことになります。



GPSを見ると、ここから赤井川コ-スの登山道と合流するキレットまで約1kmです。
これで楽勝かなー、と思っていたのですが・・・めちゃめちゃ甘かったです!
本当に厳しいのはここからでした・・・。

ここあたりからしばらく進むと、正直、どこが登山道なのかさっぱりわからないようになります。
登山道を見失っては、戻って慎重に草を掻き分け、道の痕跡を探しました。

↓いったいどこが登山道なのか・・・。


何度も迷い、もう正直遭難するんじゃないかと思ったりもしました。
ほんと、正しい登山道でも「もしかして間違っているんじゃないだろうか?」と思うほど荒れてました。

それでもなんとか微妙な踏み跡を確認してそれをたどります。
さらにつらかったのは余市岳の笹のもの凄い硬さでした。
もう、ヤブコギして掻き分けるのに、ものすごく腕力が必要です。

↓赤井川コ-ス合流直前の登山道で。最後の方の藪漕ぎは少し楽でした。


腕や肩が疲れて、ちょっと進んでは休み・・・という感じで、本当に長く感じましたが・・・
12時42分、やっとの思いで赤井川コ-ス合流地点に到着しました。

↓赤井川コ-ス合流地点。無事出られてよかった!


最後の1kmには1時間かかりましたが・・・ほんと、このコ-スは遭難の危険がありますね。

水をがぶ飲みしてちょっと休憩しますが、予定よりだいぶ遅れてしまいました。
のんびりしていられないので、5分ほど休んで荷物をデポし、麦汁とGPSを持って山頂に向かいます。

山頂には13時16分に到着。

↓ほんとに「ごくろうさま」という感じです。2~3組の登山者が休憩していました。


無意根山は・・・と思い、少しハイマツを掻き分けて見ると、景色が霞んでいてわかりにくいです。

↓ちょっと晴れてないのが残念です・・・。右側の2つのピークが無意根と中岳だと思います。


とりあえず無意根と余市のピ-クを踏むことができました!
ボロボロですが、ちょっとした達成感があります。

麦汁をいただき、休憩していると、となりのケルンのある方から大きな音が!
山ガールの方が「戦国時代に吹いてたやつだ!」って話してましたが、
どうやらわざわざほら貝を持ってきて吹いている方がいるようです(笑)
音は他人によっては不愉快になるかもしれないので、人のいない山でやった方がいいかなー、と思ったりもしました。

で、予定より45分ほど遅れたので、のんびりしていられません。
休憩は10分ほどにして、そそくさと下山。

降りていくと、藪漕ぎしたコ-スが見えてきます。

↓割とはっきり見える白井右股川コ-ス。まあ、写真では見えない右側の方がきついのですが・・・・。


デポしたザックを回収し、旧登山道と書かれた方に進み・・・

↓この登山道はキロロができる前に来たことがありますが・・・もう25年ぶりですね。


遅れを取り戻すため、軽く走って降りようとしますが、へろへろで走れず・・・ちょっと早足なだけ(笑)
それでも若い男女のグル-プや山ガールを追い越して降りたので、普通に歩くよりは一応早かったようで・・・
14時41分、山頂から1時間15分ほどで登山口に到着できました。

↓これで登山道終了。あとは林道と舗装道路を歩くだけです!


これで遅れはとり戻したので、あとは普通に歩いても予定の16時前には楽勝でホテルまで行けます!
黒い犬を連れた方に途中で抜かれながらも、15時30分、ホテル横に到着。

↓きれいなキロロのホテル。左に黒い犬を連れた方が。


ザックにはまだ飲み物がありますが、冷たい飲み物が欲しくて自動販売機を探すと・・・ありました!
コーラを飲んでしばらく休憩しますが・・・うまかったです!

ここからはあと5kmほど歩いて「常盤」というバス停から余市駅行きのバスに乗ればOKです。
天気のいいきれいに整備された道をのんびり歩いて行きますが・・・さすがに疲れてきましたね(苦笑)

↓めちゃめちゃきれいなキロロの道。


最後はネットで確認した場所にバス停が無く、焦って近辺を走り回ったのですが・・・なんとか発見。
バス停が見つからない場合は小樽まで20km歩こうかとも思いました。←行き倒れの可能性あります(苦笑)

↓なんとか20分前にバス停に到着。


あとはのんびりバスを待ち・・・17時10分すぎに乗車。

↓バスには自分以外はしばらく誰も乗りませんでした。


帰りは寝ていく予定でしたが、残念ながらバスではなぜか眠れず・・・JRでゆっくり眠ることにしました。

↓余市駅のそばで麦汁0.85Lを買い・・・飲んだらまったり。


↓余市駅のホ-ム。1両編成の列車で・・・整理券をとるようになっていて、なんだか新鮮でした。


JRでは小樽で乗り換えでしたが、その後はゆっくり眠れて気持ちよかったです。

自宅には20時半過ぎに到着。
昨日の21時に自宅を出たので、24時間以内に戻ってこれました。
なんだか登山というよりは小旅行のような・・・過酷だったけど思い出深い晩夏の1日でした。


GPSトラックです。
2万5千分の1の地図は何枚もうるさい感じなので、少し小さくしてサムネイルで載せました。
右側がスタート、左側がゴール側です。





余市岳の山頂部のトラックが切れていて残念です・・・。



今回歩いた余市岳の白井右股川コ-スは5年前と8年前にHYMLの方たちが笹を刈ってくれたそうです。
登山道は維持管理しないと、あっという間に廃道になってしまうんですね・・・。
笹が刈られない限り、自分ももうこのコ-スは2度と登らないだろうと思います。

で・・・今年も日が短くなってきて、こんな長距離登山ができるのはもうほんの少しの間だけです。
あと1回くらいは長距離登山ができたらなー、と思います。

コメント (16)
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