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中国人民元の切り上げ、その今後の動向は・・・

2005年07月22日 16時57分51秒 | ビジネス・ニュース
中国の人民元が昨日8月21日に突如切り上げを宣言しました。まあ、以前から人民元の切り上げは言われていたので、さほど驚きはありませんでしたが。上げ幅は2%と小幅に留めるようです。今回は私の大学院でのメインテーマが外国為替であったこともあり、この問題について取り上げてみましょう。

さて、この背景には、米国の貿易赤字が深く関係しています。以前は日本が米国の貿易赤字の原因だとして色々と叩かれておりました。実際に、この貿易赤字がスーパー301条(Super 301 articles)による日本の諸産業への圧力として現れていました。最近では、中国の急成長に伴い、米国の対中国向けの貿易赤字が顕著になってきており、米当局も神経を尖らせていました。実際にニュースとしても米国の圧力が取り上げられてきましたが、裏では更なる圧力がかかっていたことは間違いありません。

また、昨今、人民元切り上げが叫ばれ、投機的なマネーの流出入問題が考えられます。当然、近い将来には人民元が切り上げられると皆判断しており、それを狙った投機的なマネーが中国に大量に流入し、地価を上げたり、様々な諸問題を引き起こしています。ただし、この地価高騰などは高度成長期に見られる普通の現象なので、問題というよりは好ましい現象と捉えられるかもしれません。

そもそもこの固定為替制度の問題点というと、両国間の価格の調整が遮られること・・と一般的には言われています。経済では一物一価の法則というものがあり、1つのものには1つの価格になるとされています。米国、中国で財の価格が異なる時、為替レートがその価格差を調整し、等価になるように調整するわけです。実際には、短期的に投機や政治的な問題、どの財の価格なのかなどの問題もあり、等価にはなりませんが、長期的なトレンドとしてはこの法則が結構成り立ちます。興味のある方は実際にエクセルなどでちょっと検証してみてください。よくわかると思います。

この価格調整機能がうまく機能しないため、米国から中国へ輸出するものは中国内では高価となり、中国から米国に輸出したものは米国内で安価になり、中国→米国という物の流れが過多になります。よって、米国の貿易赤字が拡大して行く訳です。

人民元が今回切り上げられたことにより、今後の展開はというと、更なる米政府の圧力、投機的マネーの流入により、人民元は更なる高騰を迫られることになるでしょう。これは過去に日本が経験していることであり、まず間違いなく起こると思われます。私の考えでは、中国の立場からすると、人民元の切り上げのタイミングが少し早かったのではと思っています。あと2年ほどこのまま行くと、中国は圧倒的なまでの経済力を蓄えた段階で人民元を切り上げられ、ある意味日本と同じ道を歩むことになったと思われます。つまりは、経済的な超大国への一歩という訳です。ただし、あと2年経った段階で切り上げを実施した場合、プラザ合意後の日本円の急激な高騰と同様に、人民元も急激な高騰を招き、それはそれで問題となるのかもしれません。とにかく、あと5年~10年経ってみないとなんとも言えないというのが現状。ただし、少なくとも2%程度の切り上げが何の意味を成すのかは皆が不可解に思っているのは確かで、更なる切り上げが、私の予想では30%~50%の切り上げが今後5年~10年で起こりうると考えられます。特に、今回切り上げを実施したことにより、切り上げの意思を世の中に見せてしまっており、追加的な投機等を招く可能性が高いと思われます。

う~ん、今後の展開は非常に面白いところ。

ちなみに、今回の所見では、内陸部の経済が未発展、広大な国土などの中国独自のお国柄は考慮しておりませんので、あしからず・・・

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