ウィトゲンシュタイン的日々

日常生活での出来事、登山・本などについての雑感。

直腸ポリープ切除 ~予後と病理検査結果~

2012-02-03 22:46:27 | 直腸ポリープ

警告 文中に内視鏡写真があります。苦手な方は回れ右

1月20日(金)に直腸ポリープを切除したダーリンは、食事制限をすることになった。
総合病院から渡された、注意事項の書かれた用紙は3枚あったが
そのうちの2枚はほぼ同じ内容であるのに対し、1枚は制限が比較的緩い内容になっていた。
注意事項の内容といい言葉遣いといい、かなりいい加減な病院だ。
もちろん、鬼のぴすけは制限が厳しい方の注意事項を実行することにした。
翌日の夕食までは、具のない粥かうどんを軽く食べる程度の食事にし
ほうじ茶やミルクティーを飲みながら、おやつに少量のビスケットを食べて過ごした。
排便量を抑え、かつ便秘にならないようにするため
炭水化物を中心とした食事でエネルギーを摂取し、水分を多く摂るように心掛けた。
術後2日めとなる22日(日)からは、かなり軟らかめに炊いたご飯や
豆腐の味噌汁やポタージュスープ、卵豆腐や鶏のささみ、いも類などから食べ始めた。
この日からダーリンは便通が再開したが、かなりの軟便だったようである。
こちらの思惑どおりに順調に食事が進んでいることに、思わずしたり顔になるぴすけ
「ぴーちゃん、いろいろありがとねぴーちゃんは見た目が怖くても、本当は優しいんだよね~
ダーリンはこの言い回しが大変気に入ったらしく、しつこく何度も言っている
あまりのしつこさに
「ねえダーリン、小さい時、周りの人からしつこい子だねって言われなかった?」
と、皮肉まじりに聞いてみた。
「ん?言われたかな~、どうかな~?」
すっとぼけながら
「ぴーちゃんは本当は優しいから、怒らないよね~見た目は怖くてもね~
などと、まだ言っている
術後3日めの23日(月)、体調に異変はないので、ダーリンは定時に出勤。
弁当に軟らかいご飯というのは気の毒だと思いながら
吉○家で牛丼やマク○ナル○でビッグマックなどを食べられては困るので
軟らかめに炊いたご飯に、消化の良い鶏のささみや軟らかく煮た根菜のおかずを
ぴすけが使っていた弁当箱に詰めて持たせた
ダーリンの弁当箱と比べると、容積がかなり少ないので
途中でお腹がすいてコンビニなどに寄り、妙なおやつを食べるのをしばらく控えてもらうため
小さめのおにぎりを作って持たせ、お腹がすいたら食べてもらうようにした。
その結果、なんとダーリンは、術前に64.8kgまで増えてしまった体重が62.4kgになり
に顎にあったたるみ(?)を
「あれ~、こんな所に輪っかが付いているよ
と、冷やかされていたのが嘘のように、精悍な顔つきになった
今は完全に普通食に戻ったため、便の状態も軟便ではなくなったようだ。
今回のことで、ダーリンに良い結果をもたらしたことがある。
一つは、空腹感を味わうことが出来るようになったこと。
今までは、食間にお茶を煎れると、何かつまみたくて仕方がなかったようだが
以前ほどはおやつおやつと催促しなくなったし、食事も腹八分に控えているようだ。
もう一つは、よく噛んで食べるようになったこと。
今まではぴすけと同量、もしくは少々多い食事量でも、ぴすけより食べ終わるのが早かった。
それが、一口につき30回噛むようにしたところ、ぴすけより遅いくらいの食べ方になったのだ。


2月1日(水)、病理検査の結果を聞きに、ダーリンと共に総合病院に行くと
想像していたより混雑がなく、待ち時間も少なく診察室に呼ばれた。
ぴすけも診察室に同席し、病理検査の結果と主治医の話を聞くことになった。
「その後体調はどうですか。」
「快調です。」
「それは良かった。病理検査の結果も出ています。腺腫性のものではなく、良性でした。」
主治医は内視鏡写真を見せながら、ポリペクトミーについて説明してくれた。

これがダーリンの直腸に出来ていたポリープで、直径約7mm。

生理食塩水を粘膜下層に注入し、ポリープを筋層と引き離す。
(これ、EMRという方法だよね。)

ポリープにスネアというリング状の針金をかけて絞扼後、焼灼する。

取れた

術後の出血を防止するため、仕上げにクリップで傷口を留める。
「以上ですが、何かお聞きになりたいことがあれば…。」
「はい。11日にマラソン大会があって、僕が出るのはハーフなのですが、出場しても大丈夫でしょうか?」
(ヒヒッ、聞いている聞いている。私があれこれ言っても、欠場する決心がつかないのだから
   医師に聞くのがいちばんだ。)
「エッ11日って、来週の土曜日じゃないですか。出たいの?」
(エーーーッ、「出たいの?」って、聞くまでもないだろうが出たいから、聞いているんだよ
「はい。出たいです。」
「今、寒いよ。ここのところ、心臓イベント(心疾患の急患という意味だと思う)多いし…。
   せっかく今まで出血もなく、うまくいったのだからなにもこんな寒い時に…。」
(おいおい、争点はそこじゃないでしょ、そこじゃ寒いとか暑いとかが問題じゃないよな
「いくらハーフだと言っても、僕にハーフマラソンを走れと言われても走れない距離ですよ。」
(そりゃそうだ。先生、ちょっとメタボ気味だもの
「駄目ですか?僕も走るというより、ダラダラと歩いているようなものですから
「いや、駄目っていうか、その、だってこれから練習するんでしょ。」
「いや、練習しません。」
「エッ練習しないで走るなんて、なおさら危険ですよ来年も大会、あるんでしょう?」
(おっ、いいぞ。こうなりゃもうなんでもいいや先生、あと一押し
「はい。じゃあ、やめた方が良いんですか?」
「そんなに出たいの?」
「はい。」
「あきらめきれないの?」
「はい。」
(おいおい、そんなことを聞いて、どうするんだ~?)
「そういわれてもねぇ…。奥さんはどう思いますか?」
(どひゃーーーっ私に振るな、私にっ
「私は予後は大事をとって、1か月経ったころから徐々に練習を始めて
   大会に出るのはその様子を見てからにした方が賢明だと考えています。」
(ぐあーーー良い子丸出しの模範的回答だ
「そうだよねえ~。奥さんもこう言っていることだし、どう?ちょっと考えてみてよ。」
「はあ…。」
「ねえ?奥さん、どうでしょう?」
(あのねー、「どうでしょう?」じゃないでしょ「どうでしょう?」って、こっちが聞いているのに
   お互いの考えは既に家庭内で俎上に載っているわけよ
   医学的な見地から意見を聞きたいのに…、こりゃ駄目だ話はここまで
「はい。もう一度、お互いによく話して決めることにします。」
「そうしてよ。ねっ


ダーリンのポリペクトミーも成功し、予後も良好で主治医や病院のスタッフには感謝をしているが
患者と医師・病院には、相性というものがある。
それだからこそ、様々な医師がいて良いと思う。
初めてかかる病院・医師と、運良く相性の良いめぐり会いになるかどうか、賭けのような要素もある。
ダーリンが次に検査をする時に、またこの総合病院を選ぶかどうかはわからないが
少なくともぴすけが消化器系の検査をする、或いは治療をすることになったら
この病院(というより、ダーリンの主治医)にはかからない。
時に医師は、間違いや突発的な問題を避けたいと思うからか、責任を回避したいと思うからか
曖昧な言い方をしたり、患者に対して暗に自己責任を臭わせるような言い方をしたりすることがある。
やたらと専門用語を用いて技術的な問題をまくし立てるわりに
患者の置かれている状況や環境を把握することを怠っている医師もいる。
残念なことだ。
もう少し、患者が置かれている状況や環境を把握することに努め
医師として患者と向き合う姿勢や意思・治療方針を明確に示してもらいたいものだ。
そこから患者と医師の信頼関係が始まるのだから。



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