ウィトゲンシュタイン的日々

日常生活での出来事、登山・本などについての雑感。

『闘病MEMO』12月17日(木)

2010-03-21 23:51:49 | 特発性間質性肺炎
12月17日
明方4時半頃「出初式」となる。つづいて8時半頃2度目の出陣なり。
食堂出口が痛いと云ったら通ぜず、胃袋を押えられた。校門出口又は入口に訂正。
明方5゜5?頃地震あり。
ステロイドの点滴3日目なり。ステロイドを打つと少しボンヤリする感じなり。
夕食は、赤羽の焼鳥「トリイチ」のレバー、皮、ボンジリ(ボンボチ)なり。
これ又ケッコー
知人、19時頃見える。ププリエのマロングラッセなり。
皆が帰宅後、盗み食い シマッター歯をどうしよう。
非常に寝苦しい。
1゜頃また出物あり。スッキリー
トリの香はワカラズ。



入院当初は食欲がなく、私に「泣きながらでも食べろ!!」と叱られながら
病院の食事を無理矢理口にねじ込まれていた父だったが
おいしい物を食べる楽しみが息を吹き返し、おやつと夕食の差し入れは食べるようになった。
食べれば出るのは当然のことといえ、オムツをしたままの通じは苦痛だったようだ。
特に、皮膚が弱く、痔の手術をしたこともある父にとって
通じ後に便が皮膚に付着したまま、看護士の清拭を待つのがたいそうつらいものになった。


また、総合病院の看護師は総じて若く
父のちょっと古めかしいジョークが通じないと嘆いていた。
尿のバルーンを着け、ステロイドや抗生物質などの点滴がぶら下がり
酸素マスクを口に着けて、指には血中酸素濃度測定器、心電図や血圧計も着けられた状態を
「満艦飾だな!」と看護士に言ったところ、キョトンとした顔をされたと話していた。
それはジョークがわからないのではなく、「満艦飾」という言葉を知らないのではないのか?
「食堂(食道に引っ掛けているわけだ)出口」が肛門のことだとわからなくても
「校門出口」や「校門入口」ならわかるというのは、看護士からすれば
音で「肛門出口」「肛門入口」に変換されているだけで
まさか「校門」に引っ掛けている言葉遊びだなんて、想像だにしていないだろう。


父の容態がかなり悪かったため、この週はパート先に頼んで休みをもらい
何かを取り立ててするわけではないが
母の傍にいることで、健康面や精神面で心細い思いをしないようにし
そうすることで、父に安心して治療に専念してもらいたいと考えた。
父には、今は余計なことは考えずに、食べたいと思ってもらわねば。
少しでも父の食欲が増すよう、この日は病院の最寄り駅から赤羽まで電車で行き
父に教えられたとおりに、かつて父が通った焼き鳥屋を目指した。
ただ、店の名前がわからず
「親父さんと息子さんで店を切り盛りしていて、1階はカウンター5席くらい」
という情報だけが頼りだった。
少しウロウロしたものの、ほどなく焼き鳥屋は見付かった。
「とり市」というその店でレバーと皮・ボンボチを焼いてもらい
冷めないようにマフラーで包みをくるんで病院に持ち帰った。
焼き鳥3串をぺろりと平らげた父だったが、お見舞に戴いたマロングラッセを
歯磨き後にさらに盗み食いしていたとは!
翌日父から聞き、母と3人で大笑い。
「泣きながらでも食べろ!」と言って食べることを奨励した私だが
まさか盗み食いするほど食欲が出てきたとは驚いた。
「歯磨きはきちんとしないといけないよ!」と、耳にたこができるほど私から言われていたので
盗み食いで歯磨きのことが心配になったことを、翌日私と母に面白おかしく話したりするのは
私たちに笑ってほしいと思っている、父ならではのユーモアだ。


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