村上春樹原理主義!

作家・村上春樹にまつわるトピックスや小説世界について、適度な距離を置いて語ります。

村上春樹の新しい小説は、とても奇妙な物語らしい

2016-11-21 11:05:19 | トピックス

今日の朝日の朝刊の文芸欄に、村上春樹さんの記事が載っていました。

タイトルは「村上春樹さん デンマークで語る(上)」

原文は下記に引用させてもらったけど、

ねえ、新しい小説を執筆中みたいですね。

一人称で語る物語で、『1Q84』より短く、『海辺のカフカ』よりも長い作品。

とても奇妙な物語らしい。

いつ刊行されるのでしょうね。

楽しみです。

 

<朝日新聞11月21日朝刊より引用>

 作家の村上春樹さん(67)が、童話作家アンデルセンにちなむ「ハンス・クリスチャン・アンデルセン文学賞」の受賞者に選ばれ、10月末にデンマークで開かれた授賞式に出席した。普段は公の場にあまり姿を見せない村上さんだが、セレモニーだけでなく現地の図書館や大学を訪れ、創作について語った。

 「みにくいアヒルの子」「マッチ売りの少女」などで知られるアンデルセンの生誕地、デンマークのオーデンセ。駅のそばの図書館で開かれたイベントに登場した村上さんは、約150人の来場者を前にゆったりと椅子に腰掛け、「35年前に書いた、とても短い作品を読みます」と英語で切り出した。

 「僕は自分の小説を読み返しません。読むと恥ずかしくなるし、今ならもっとうまく書けるはず、と思ってしまうから。でもこの話はよく読み返します」

 「四月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて」。初期の短編集『カンガルー日和』に収録された、ごく短い一編だ。自分にとって100%ぴったりの女の子とすれちがった「僕」が、あの時どうすればよかったのか、と思いをめぐらせる。

 「こんなふうには、今はもう書けないと感じる。若かったから書けたのだと。この話が好きなんです」

 村上さんはこの短編を、日本語で朗読した。翻訳者のメッテ・ホルムさんが隣に座り、デンマーク語で一段落ごとに同じ箇所を読み上げた。

 「僕は作家になる前、東京で小さなジャズクラブを経営していました。書くためのさまざまなことを、音楽から学んだのです」。村上さんは来場者たちに語りかけた。

 「僕にとってリズムとメロディーとサウンドは、書く上でとても大切なことです。だから今日は、日本語の音とリズムを楽しんでほしい」。時に小さな手ぶりを交えて朗読は進み、村上さんが最後の1行を読み終えると、会場は拍手に包まれた。

 村上さんは午前中に図書館のイベントに登壇し、午後は授賞式に出席。翌日は近くの大学で「鏡」という短編を、そしてその次の日は別の会場で再び「100パーセントの女の子」を朗読してから、来場者の質問などに答えた。

 いずれも朗読は日本語とデンマーク語で交互に読み進めるスタイルだったためか、作品の翻訳についての質問が相次いだ。「なじみの薄い言語に翻訳される場合、どう訳されたか確認できないことが気にならないか」との問いに、村上さんは「僕は自分も翻訳者だから、翻訳の力を信じています」と答えた。

 「もちろん、翻訳を通して失われるものはある。でももしそれがよい物語なら、翻訳されたとしてもエッセンスは失われずに残るはずです」

 「初めて小説を書いてから今に至る旅のあいだで、重要だったことは何ですか」という質問には、「うーん。長い道のりでしたね」。少しおどけて答えてから、「僕は一人称で小説を書き始めた。主人公に名前がない。名前をつけられなかったのです」と語った。

 「『世界の終(おわ)りとハードボイルド・ワンダーランド』では『僕』と『私』という二つの一人称を使い分けた。『海辺のカフカ』で一人称と三人称の両方を使い、『1Q84』で純粋な三人称を使いました。長い道のりです」

 そして、次の作品のことも口にした。「でも今書いている小説では、一人称に戻ります。また名前がなくなる」

 別の会場で、来場者から「次の作品は」と問われたときには、もう少しだけサービスした。

 「今、新しい小説を書いています。『海辺のカフカ』より長く、『1Q84』より短い小説。とても奇妙(ストレンジ)な物語になります」(柏崎歓)



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