チビの通う幼稚園の入り口付近に彼岸花が咲いていた
ある人が言っていた
「植物は賢いですよ
誰も言わないのにその季節には花を咲かせる」
今職場に行く道では、田んぼの畦に彼岸花が群生している
子供の頃は細い釣り竿の先でよく切って遊んだ
あの形と色、毒があるという話が
私をこの花から遠ざけていた
上の言葉を聞いてから、この花を見る度に
貴方は賢いねと心の中で褒めている
ちびのママはもう少ししたら帰ってくるだろう
チビはそれを楽しみに今は我慢している
このあたりの彼岸花はみんな赤色だが
この先の上がりがけに白いのが一本咲いていた
ちびママが見ることはないだろう
この花はあっという間に枯れてしまう
なぜそう急ぐのか
今私は貴方を嫌ってはいないのに
そう言うが、それでも彼は急いでしまう
暑さ寒さも彼岸まで
植物だけでなく、人間は賢いなといつも思うのだ