06/10/11 『フラガール』でボロボロ泣き(T-T)

隣の駅前にシネコンができてからというもの娘と頻繁に観に行くようになっている。『フラガール』は実話を基にした物語と知ってから観る気満々。
娘はバイトが休みの10/10に友人と誘い合わせて先に行ってきた。南海キャンディーズのしずちゃんが『ラブ★コン』に続いていいらしいので観たいということだったが、かなり泣けたと報告あり。プログラムを買ってきてもらい、ストーリーを読んだだけで涙が出てくる私。『学校』シリーズのシナリオ読んだだけでも泣いてるし、最近とみに涙腺がゆるい。

翌日の11日はレディースデイ。仕事の後に直行計画を決行。同じように仕事帰りと思われる女性でシアターはいっぱい。
あらすじは以下の通り。
昭和40年代、世の中のエネルギー源は石炭から石油への大転換がすすむ。本州最大の常磐炭鉱もリストラ・転業計画をすすめている。会社は地熱を利用した温泉でハワイアンセンターをつくろうとしている。労働組合も闘っているが人員削減はすすみ、先行きが見えない重苦しさが覆う炭鉱住宅。
ハワイアンセンター担当の吉本部長(岸辺一徳)の元に東京からダンス教師のまどか(松雪泰子)がやってくるが元SKDで活躍していただけに都落ちのほぼアル中状態の惨めな姿をさらしている。
早苗(徳永えり)はハワイアンダンサーの求人の貼紙を見せて親友の紀美子(蒼井優)に一緒にやろうと誘う。早苗は小さい弟妹の母親代わりをしながら中学卒業後は選炭婦として働いている。紀美子の父は落盤事故で亡くなり、母(富司純子)は選炭婦、兄(豊川悦司)が炭鉱夫として働いて紀美子を高校に通わせているのだ。紀美子は家族に内緒で一緒に応募。応募者は吉本が見せたダンス映像におじけづく者が続出。候補生は父に連れられてきた小百合(山崎静代)と会社の総務係で子持ちの初子(池津祥子)と結局4人しか残らない。
まどかは母親の借金を背負い、金が欲しくてここまでやってきた。借金取り(寺島進ほか)も押しかけてやってくる状況。自暴自棄になっている彼女の前に残った生徒たちの真剣さにうたれ、次第に情熱が甦る。次第にダンサー志望者も増えて厳しいレッスンが続く。
いよいよキャラバンツアーが始まるが.....。ここからが泣けるところへ突入。

全国に散っているフラダンサーの第一期生を尋ねて取材もし、しっかり丁寧に書かれた脚本がいい。斜に構えて観るとストーリーは相当クサイかもしれない。しかしこれは時代の変化に翻弄されながらも多様な立場で必死に生きた人々の生き様がしっかり描けている。
今はこんなに死と隣り合わせのキツイ労働現場を想像するのもたやすくない時代になってしまった。坑内の落盤事故で多くの人が亡くなっている。主人公の父もそうだという。しかし残った家族は山を捨てない。「一山一家」の信念で誇りを持って息子は炭鉱夫を継ぎ、女は選炭婦となって働いている。その誇り高さを富司純子が方言バリバリで熱演。
そんな誇りも時代の変化は打ち砕いていく。炭鉱はダメになる動きは加速し、その中でみつけたダンサーになる夢。もちろん食べていくためということも大前提。紀美子は母と対立して家出。稽古場で寝泊りして意地を通す。
男たちも演奏者や植物係、接客スタッフに人事異動になった者が出てくる。食べていくために必死に習い覚えるのだ。もちろんそういう声がかからなかった人間との軋轢も生まれる。
会社が成り立たないと大量解雇が行われる。一緒にやろうと誘った早苗の方が父親の解雇によって夢をあきらめざるを得ないのだが、義理をたてて自分もやめるという紀美子にそんなことをしたら親友やめると言い放って思いを託す。
小百合を連れてきた父がツアー最終日に落盤事故で亡くなる。すぐに戻ろうという吉本部長に小百合自らが「躍らせてくんちぇ」と泣きながら訴える。涙腺決壊~。しずちゃんってちゃんと女優してるじゃない~。

まどか先生がアル中生活から立ち直っていくのも、若い教え子たちが必死にひたむきに自分を頼ってくる気持ちに応えようとしたのだ。当初のまどかの態度のひどさに激怒した吉本部長が「アンタ、いい女になったな」とまで言わしめるのだ。松雪泰子がその幅のある演技をなかなかに演じてくれて見直した。岸辺一徳はTVCMの面白さそのままにいい味を出している。

私はダンスはあまりどうでもいい人間であるが、ダンスシーンは見ごたえがあった。まどか先生が稽古場でひとりで踊ったタヒチアンダンスの迫力は紀美子を本気にさせる。稽古を積んだ紀美子が稽古場でひとり踊る。届け物にきた母がそれを見て心を動かされる。
温泉パイプ工事の遅れから枯れそうになった椰子の木を石油ストーブで暖めてなんとかオープンにこぎつけた。
いよいよハワイアンショーが始まり、ゆったりとしたフラから激しいタヒチアンダンスまで。見せる魅せる!メインキャスト以外は現役のダンサーさんたちなのだが、その中にいてもおかしくないくらいメインキャストたちが立派に踊っている。最後にひとり踊る蒼井優。なぜにこんなに上手なのか?
プログラムを最後まで読んで謎がとけた。ミュージカル『アニー』で舞台を踏んでいた経歴の持ち主だった。なあるほど~。

在日三世である李相日監督の作品は今回が初見。初めてエンタメ路線の作品に取り組んだらしいが、ただのエンタメ作品ではなかった。ちゃんと時代や人間がしっかりと骨太に浮き彫りになっていた。今年の邦画では今のところ『有頂天ホテル』がよかったと思っていたのだが、『フラガール』が邦画のマイベスト1になるのではないだろうか。

『フラガール』公式サイトはこちら)
写真はジェイク・シマブクロによるオリジナルCDの画像。

あっ、しまった。これを書いていたら生協のインターネット注文の締め切り時間を忘れてしまった。来週は配達がない。重量物どうしよう.....。
追記
邦画のマイベスト1予測ですが、「今年の」と書きもらしておりました。紛らわしくて申し訳ございませんでしたm(_ _)mこれまで観てのベスト1って何かな~。ゆっくり考えてみます。
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コメント
 
 
 
いい映画でしたネ♪ (mayumi)
2006-10-26 09:25:03
笑って泣いて...

お金を払って劇場に足を運んだ観客を納得させるだけの

パワーがある作品だったと思います。

邦画ベスト1を決めるのは 私には なかなか難しいのだけど、

上位に食い込むことは間違いありません。



やっぱり『THE 有頂天ホテル』も上質のエンターテインメント

だと思うし、『父と暮らせば』も捨てがたい。

もう随分以前の作品で 知っている人も少ないのだけど

絵本作家 田島征彦と田島征三 双子の兄弟の子ども時代を

描いた作品『絵の中のぼくの村』は、たくさんのひとに

観て欲しいなぁ...と思う作品です。



http://www.cine.co.jp/works1/village/index.html



機会がありましたら、是非どうぞ。

あまりレンタルしてないかも知れないのですけど...。



生協の注文忘れ...

私もよくやります。

先日も、ピックアップだけはしていたのに 気が付いたら

期限日の夜でした
 
 
 
移籍→解雇+トライアウト (ひらりん)
2006-10-28 02:40:22
トラバ・コメントありがとうございます。

ちょっと、簡単に移籍と書いてしまいましたが・・・

リストラ人員整理(解雇)で、仕方なく夕張炭鉱に職探しに行ったのでしたね。

いづれにせよ、石炭堀りはなかなか他の仕事が出来ない・・・という象徴的な出来事でした。

 
 
 
皆様TB、コメント有難うm(_ _)m (ぴかちゅう)
2006-10-29 02:26:49
★「たまごのなかみ」のmayumiさま

邦画ベスト1って今年のことなんです。紛らわしくてごめんなさい。本文にも訂正入れておきました。『絵の中のぼくの村』は予告編で観てけっこう印象に残っている作品です。機会があったら観てみますね。

常磐ハワイアンセンターもスパリゾートハワイアンズになってからも行ったことがないんです。昔は偽ハワイがなんかな~という感じがあったのですが、テーマパークのはしりなんですよね。そういえばハウステンボスとかは行っているのだから先入観持たずに遊びに行っておけばよかったと後悔しています。

もう少し余裕が出てきたら行きたいと思いました。

>姪御さん1・2連れで 女だらけのハワイアンズ☆

という場合、もし泊まりがけなら 観光旅館タイプの本館もいいけどちょっとプチホテルタイプの‘ウィルポート’がお薦めです.....貴重な情報を有難うございますm(_ _)mホント、いつか行けるといいなあ。



★ひらりん様

ご無沙汰しておりました。細かいことを指摘させていただきましたが、気にかけていただきまして嬉しいです。有難うございますm(_ _)m

どんな仕事でも職場を変わる、住むところを変わる、職種を変わるってけっこう負担を伴いますよね。お役人はそういうのは産業構造の転換にともなうことでマクロ的に見るとたいしたことはないとか言うんですよ。そう発言した現場に立ち会ったことがあって、そこで思いやる一言を加えながらしゃべって欲しいものだと思ったものです。

 
 
 
女性のパワー (らぶりー)
2006-10-29 14:10:14
フラガール私も観てきました。

監督さん在日三世なんですか~

ただの実話映画以上の物語・・・今年の邦画でいい所までいきそうな感じがします。
 
 
 
まさに女性パワー! (ぴかちゅう)
2006-10-29 23:08:27
★らぶりー様

李相日監督は女性を主人公にした作品も初めてだそうですが、これまで女性を描けないと言われていたのを吹き飛ばしたと思います。

プロデューサーも石原仁美さんという女性なので、まさに女性パワーが炸裂した作品と思いました!

 
 
 
TBありがとうございます (シキシマ博士)
2006-12-03 00:06:22
先日は、こちらからの「幸福のスイッチ」へのTBに対し、コメント付きで返してくださり、その上「フラガール」のTBまで頂き、本当にありがとうございました。
私も今年の邦画ベスト1候補です。
アカデミー賞の外国語映画賞部門に選出されたというのも納得できますね。
でも、今年は全体的に邦画に傑作が多くて、一番を決めるのは難しいです。
 
 
 
続・皆様TB、コメント有難うm(_ _)m (ぴかちゅう)
2006-12-03 20:48:10

★「明日へのヒント」のシキシマ博士様
>私も今年の邦画ベスト1候補です。
本当にこの作品は予想以上のよさに驚きました。時代の大きな変化の中で一生懸命生きる人々の姿が真正面から描かれていたのがよかったです。
>アカデミー賞の外国語映画賞部門に選出されたというのも納得
アカデミー賞のしくみ自体がわかっていないのですが、ノミネートということですよね。最終的に受賞してもノミネートだけでもすごいことです。やはり監督が在日三世の方ということでただの日本人よりも国際的な感覚があるんじゃないかとも思ってみたりしました。
これからもよろしくお願いしますm(_ _)m
 
 
 
続続・皆様、TB有難うm(_ _)m (ぴかちゅう)
2006-12-07 00:34:39

★「ラスタ・パスタのレレ日記」様
ジェイク・シマブクロさんの音楽についての情報も嬉しいです。
>サントラ盤は、映画をみてこそ完成する.....サントラ盤をお聞きになってから映画をご覧になったのですね。ウクレレを弾いていらっしゃるとか!納得です。
私もミュージカルを観る時に先にCDを聞いてから観ることがあります。音楽面で最初から楽しめるのがけっこう好きです。でも音楽だけで想像をふくらませてしまったイメージからかけ離れた内容だとガクッときたりもしますけれど(^^ゞ
これからもよろしくお願いしますm(_ _)m
 
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