母娘ともジブリの作品は好きなのでほとんどの作品をビデオや映画やDVDで観て来た。また『指輪物語』『ナルニア国ものがたり』と一緒に映画を観てきたので残る世界三大ファンタジーの一つと言われるこの映画も観ないといけないと思っていた。全く原作についての知識はないものの、映画館の予告編はけっこう観る意欲をそそるものだったし。
ところが今回の作品は娘の仲間うちでも評判があまりよくなかったので娘の方から観たいという声は出なかった。しかしながら、せっかく今月は1日映画の日が娘のバイトの休みの火曜日に重なったのだからと、仕事帰りに待ち合わせして家の近くのシネコンで観てきた。そして抱いた感想は.....
①画質のキメが荒く、ジブリのアニメでこれまで観たことがないレベルでひどい。
②話の展開はそれなりにシンプルなのだが、よく考えると疑問がいろいろ出てきてしまう。まず『ゲド戦記』なのに主人公は謎だし、本当の名前と通称をなぜ使い分けるのかもわからない。
③若いふたりの声優(王子アレンは岡田准一、テルーは新人の手嶌葵)がかなり下手である。声は悪くないが一本調子。声で芝居ができていない。ハイタカ(ゲド)の菅原文太とテナーの風吹ジュンと悪い魔法使いクモの田中裕子など周りのキャスティングのよさで持っている。
④予告編やCMで使われる「テルーの歌」はテルー役の手嶌葵が歌っている。声はまあいいのだが、劇中で2番まで通しであれほど感情表現されないような歌い方で長々聞かされるたのはかなり苦痛だった。『タイヨウのうた』映画版のYUIの歌がダメだったのだがそれと似て私が好きになれない歌い方。映画の劇中の歌はやはり短く印象的でなければいけない。『もののけ姫』の米良さんの歌が懐かしい。
.....ジブリどうしちゃったのよ?
消化不良をひきずってきたが、歌舞伎座に出かけた今日、ゲドの顔が大写しでY新聞の応援ポスターになっているのに遭遇(それを携帯で撮影したのをここに載せておく)。そこで感想をアップするのに重い腰をあげたわけだ。
あらすじなどは省略するが、『ゲド戦記』の全体像については下記のサイトを参照した。概要説明では「太古の言葉が魔法の力を発揮する多島世界・アースシーを舞台とした魔法使いゲドの物語。ただし、ゲドが主人公と呼べるのは実質的に第1巻のみ」となっていた。『ゲド戦記』という訳題がそもそも的確とはいえないらしい。
ウィキペディアでの『ゲド戦記』はこちら
そもそもかなり以前に宮崎駿氏が映画化を申し入れた時には断られ、近年になって原作者側から申し出があったという経過もあるようなので、最近のジブリ側にとってみれば主体的にすすめた話ではないというのがつまずきのもとなのではないか。
他にもネット検索で得た情報を概観すると、本編で5巻、外伝を含むと6巻の話をどのように映画化するかということでジブリ内でも意見が分かれたようだ。3部作くらいにしないと原作を活かせないというグループと1本にまとめようとするグループ。そこで1本派が監督に宮崎駿監督の息子の宮崎吾朗氏を監督にすえて作成したという。真偽のほどはよくわからないが、とにかくジブリの中で世代交代も含めていろいろと不安定期に入ったのではないかと思われるような印象を持った。
近年には高畑勲氏が監督することがなくなり、宮崎駿氏の作品もやや難解になってきていて、そろそろ世代交代の時期かなあということなのだろうと思っていた。『千と千尋の神隠し』『ハウルの動く城』に比べると確かに今回の作品の話の内容はシンプルだとは思う。しかしながら上記①~④にあげたような気に入らない点も多く、とても正規料金を払って観たら相当不満だったことだろう。一人1000円は今後への期待もこめたカンパを含めて支払ったと思えばまあいい。プログラムも結局欲しくもならず欲しがられもせずに買わないまま帰ってきた。
同じファンタジー物とはいえ、歌舞伎座の玉三郎の泉鏡花ワールドとは比べようもなかったのが本当に残念だ。宮崎吾朗監督やジブリの今後に期待したい。
参考までに昨年観た『ハウルの動く城』の感想はこちら
追記
「テルーの歌」のメロディラインがいいと思ったら最後のエンドロールを見ていて谷山浩子さんだってわかって納得。「猫の森には帰れない」を歌いたくなってカラオケで探したらなくてがっかり.....。
ところが今回の作品は娘の仲間うちでも評判があまりよくなかったので娘の方から観たいという声は出なかった。しかしながら、せっかく今月は1日映画の日が娘のバイトの休みの火曜日に重なったのだからと、仕事帰りに待ち合わせして家の近くのシネコンで観てきた。そして抱いた感想は.....
①画質のキメが荒く、ジブリのアニメでこれまで観たことがないレベルでひどい。
②話の展開はそれなりにシンプルなのだが、よく考えると疑問がいろいろ出てきてしまう。まず『ゲド戦記』なのに主人公は謎だし、本当の名前と通称をなぜ使い分けるのかもわからない。
③若いふたりの声優(王子アレンは岡田准一、テルーは新人の手嶌葵)がかなり下手である。声は悪くないが一本調子。声で芝居ができていない。ハイタカ(ゲド)の菅原文太とテナーの風吹ジュンと悪い魔法使いクモの田中裕子など周りのキャスティングのよさで持っている。
④予告編やCMで使われる「テルーの歌」はテルー役の手嶌葵が歌っている。声はまあいいのだが、劇中で2番まで通しであれほど感情表現されないような歌い方で長々聞かされるたのはかなり苦痛だった。『タイヨウのうた』映画版のYUIの歌がダメだったのだがそれと似て私が好きになれない歌い方。映画の劇中の歌はやはり短く印象的でなければいけない。『もののけ姫』の米良さんの歌が懐かしい。
.....ジブリどうしちゃったのよ?
消化不良をひきずってきたが、歌舞伎座に出かけた今日、ゲドの顔が大写しでY新聞の応援ポスターになっているのに遭遇(それを携帯で撮影したのをここに載せておく)。そこで感想をアップするのに重い腰をあげたわけだ。
あらすじなどは省略するが、『ゲド戦記』の全体像については下記のサイトを参照した。概要説明では「太古の言葉が魔法の力を発揮する多島世界・アースシーを舞台とした魔法使いゲドの物語。ただし、ゲドが主人公と呼べるのは実質的に第1巻のみ」となっていた。『ゲド戦記』という訳題がそもそも的確とはいえないらしい。
ウィキペディアでの『ゲド戦記』はこちら
そもそもかなり以前に宮崎駿氏が映画化を申し入れた時には断られ、近年になって原作者側から申し出があったという経過もあるようなので、最近のジブリ側にとってみれば主体的にすすめた話ではないというのがつまずきのもとなのではないか。
他にもネット検索で得た情報を概観すると、本編で5巻、外伝を含むと6巻の話をどのように映画化するかということでジブリ内でも意見が分かれたようだ。3部作くらいにしないと原作を活かせないというグループと1本にまとめようとするグループ。そこで1本派が監督に宮崎駿監督の息子の宮崎吾朗氏を監督にすえて作成したという。真偽のほどはよくわからないが、とにかくジブリの中で世代交代も含めていろいろと不安定期に入ったのではないかと思われるような印象を持った。
近年には高畑勲氏が監督することがなくなり、宮崎駿氏の作品もやや難解になってきていて、そろそろ世代交代の時期かなあということなのだろうと思っていた。『千と千尋の神隠し』『ハウルの動く城』に比べると確かに今回の作品の話の内容はシンプルだとは思う。しかしながら上記①~④にあげたような気に入らない点も多く、とても正規料金を払って観たら相当不満だったことだろう。一人1000円は今後への期待もこめたカンパを含めて支払ったと思えばまあいい。プログラムも結局欲しくもならず欲しがられもせずに買わないまま帰ってきた。
同じファンタジー物とはいえ、歌舞伎座の玉三郎の泉鏡花ワールドとは比べようもなかったのが本当に残念だ。宮崎吾朗監督やジブリの今後に期待したい。
参考までに昨年観た『ハウルの動く城』の感想はこちら
追記
「テルーの歌」のメロディラインがいいと思ったら最後のエンドロールを見ていて谷山浩子さんだってわかって納得。「猫の森には帰れない」を歌いたくなってカラオケで探したらなくてがっかり.....。
だいたい、ジブリアニメそのものが、かなり類型化して面白くなくなっていますからね。
ワタシも、高畑さんが携わっていたころのほうが好き。一番は、「ルパン3世カリオストロの城」です。
あと、声優さんでないタレントさんをやたらと使うのにも、批判的な声が出ていますよね。やはり、声だけで表現するトレーニングを積んだ声優さんに、普通の俳優さんは及ばないのです。
ジブリ・・・、次回作は名誉挽回のためがんばっていい作品になるかしら。
「ルパン3世カリオストロの城」はなかなかの作品ですよね。私も好きです。私の一番はやはり「風の谷のナウシカ」かな。安田成美の歌は今ひとつでしたが。主役級はやはり声の芝居ができないようなキャスティングはしないで欲しいです。「もののけ姫」のサン=石田ゆり子も今ひとつ。人間の言葉を使い慣れないから一本調子の方がよかったのかしら??
★火夜さま
予告編でそこまでチェックされてましたか、さすがです。予告編の出来は本編に比べたら相当ましですよ。ゲドがアレンを連れて歩く旅の風景のところで彩色の技術レベルがえ~っ信じられない!というくらいだったんです。これ小さい自宅の画面でDVDとかで見ればあまり気にならないのかもしれませんが。もしかして作業中のモニターチェックの画面が小さかったんじゃないの?とかくだらないことまで邪推してしまいましたよ(笑)
次回は絶対に名誉挽回の覚悟で取り組んで欲しいです。
『未来少年コナン』が 好き。
近未来の荒廃した世界という点で 似ているかも...ね。
世界名作シリーズだと『母をたずねて三千里』が 好き。
(高畑勲:監督、宮崎駿:画面構成...らしい)
坂田晃一の音楽も良かったし...
♪はるかぁ~ そうげんを~ ひとつかみのぉ~ くもぉ~がぁ~♪
音楽も大事ですよね~。歌声も曲自体もよいと相乗効果が上がります。
mayumiさまがハマっているジョニー・デップはまだ未見なのですが、観たくなってきました。まずは『シザーハンズ』のDVDあたりからでしょうかね。
三部作派と一本派に分かれたと言われるとあぁ~と納得してしまいますね。私はテルーの唄自体は好きだったもののやっぱり2番まで延々歌われるのはキツイ…。
友人曰くジブリの声は俳優さんの場合いいとまた他の作品でも起用してるけれど、今知られてる声優さんで昔劇団員時代にジブリの作品に出てた人がいたけれど、その後声優になってからはまったく出てないとの事で…演技どうこうというか声優自体嫌いなんですかね…。
>2番まで延々歌われるのはキツイ…。
そうなんですよね。劇中歌が長いというのは作っている人の自己満足だと思います。
>重要な主人公の魅力に欠けています...あれじゃただのヘタレ不良息子。
笑いました。同感です。お父さんって本当に息子に刺されて死んじゃったんだろうか。
娘は原作読みたいかもって言ってますが、ハードカバー版しかないので場所ふさぎだし今回は絶対に買いません(きっぱり!)。
今日もTBがうまくいかないのでこちらでみらのさんの記事をご紹介させていただきますね(^O^)/
http://d.hatena.ne.jp/cordiary/20060804