07/05/20 長年観たかった「藪原検校」!


井上ひさしの初期の作品「藪原検校」をずっと昔から観たいと思っていた。絶版になっている文庫本の表紙イラストと同じデザインのチラシを未練たらしく持っていたくらいだ。
絶版・重版未定の新潮文庫の「藪原検校」
ウィキペディアの「藪原検校」の項はこちら
そうしたら「天保十二年のシェイクスピア」に続く蜷川幸雄演出での今回の公演だ。5/20にしっかり観てきたが感想アップが遅くなった。けっこうよかった。反芻もしながらあたためた感想を書くことにしよう。

出演者は以下の通り。
古田新太/田中裕子/段田安則/六平直政/梅沢昌代/山本龍二/神保共子/松田洋治/景山仁美/壤晴彦
音楽は蜷川作品ではおなじみの宇崎竜童。赤崎郁洋というギター奏者がひとりで全ての音楽を演奏する。とにかくいろいろな音をギターで出すことにこだわっている奏者らしく、素晴らしかった。井上ひさしの音楽劇へのこだわりを楽器面でしっかりと具現化してくれていたと思う。ウィキペディア情報でわかったのだが、井上ひさしの兄がギターで津軽三味線風に演奏する方法をあみだしていてそこから着想したということがあったらしい。なるほど~、ちゃんと蜷川さんは脚本のト書きにも忠実なんだとまたまた納得。
やはりト書き指定のある舞台の上に張り巡らされた綱。場面によって張り方を千変万化させ(そんなには変えてないが)、いろいろな意味を持たせているのも面白かった。
ストーリーはウィキペディアが詳しいのでそちらに譲ろう。
主役以外は一人で何役も演じるという指定になっていて出演者は限定される。それ以上登場させることができないという設定も蜷川さんはしっかり守り、役者さんたちと知恵を絞って工夫していた。場面によって一人の役者が何役も演じ分けるというのはミュージカル「レ・ミゼラブル」にも共通しているが、出演者を減らすことでローコスト上演が可能になるらしいし、観る側も楽しい。出演者もきっと楽しんでいるに違いない。
語り手役の盲太夫は壌晴彦。ここまで膨大な量の語りだが、壌さんだったら安心して任せられるだろうという配役か。狂言仕込みの安定した発声がぐいぐいと芝居を推し進めていくのが心地いい。役者さんたちもそれにしっかり乗っていける感じだ。

それにしても「当道座」という江戸時代の盲人の組織のすごさに恐れ入る。上にいくにしたがって下の者から利権をピンハネできるヒエラルヒー組織。そのトップが「検校」だ。身体障害者の中でも盲人だけがこのような組織がつくれたのは何故だろう。浄瑠璃姫の物語や平家物語を語る琵琶法師たちが社会の中で根を張っていて、社会が既得権として認めざるをえなくなって、それを幕府なども追認していくという感じだったのだろうか。既得権として認めつつも、飢饉などで門付けの報酬を払う余裕がその社会になくなると集団的に抹殺されたであろう歴史も冒頭に語られるのが井上ひさしの作品だけある。社会福祉のレベルは社会にそれだけの余裕があるかどうかを如実に反映する。効率性優先の社会では弱者に手厚い政策への世論が弱くなってしまいやすい。
弱者への逆風が吹く中を当事者がどうしていくのかが問われていく。この作品では古田新太の杉の市(後に二代目藪原検校)と段田安則の塙保己市という全く違う2人の生き方で浮かび上がらせていくのが興味深い。そしてその杉の市に古田新太をキャスティングしただけで今回の舞台は成功したようなものだった。

杉の市を東北出身としたことも井上ひさしらしい。東北独自の奥浄瑠璃を語る座頭・琴の市のところに預けられた杉の市は師匠とは対照的な愛嬌たっぷりの芸「早物語」が得意だった。能と狂言のように組合せがいいのだろう。師匠も杉の市の芸を認めていたわけだ。白黒餅の戦物語を実際に語ってみせる古田は汗びっしょりで演じきった。他愛もない話でこれだけ引きつけるというのは大変な力量だ。
その活力漲る魅力は師匠の妻のお市まで引きつけた。彼女の方から杉の市の身体が欲しくて男女の仲になったんじゃあないのかというくらい、杉の市に首ったけの様子を見せる田中裕子がまたすごい。「ペリクリーズ」の時はお人形さんのような聖女だった。夫に現場に踏み込まれても杉の市に「安寿と厨子王」の絵草紙を読んでやっていると言いつくろい、燃え狂う濡れ場を続行。前回と今回のギャップがあるのがまたいい。それが狙いのキャスティングかもしれないと思ってしまう。最後は彼女がつきまとうことで杉の市が身を滅ぼすという運命の女なのに、淡々と演じているように見える田中裕子。濃厚な古田に淡々の田中という組合せの妙も感じた。

自分のせいでお市が夫を殺し、はずみで自分が母親を殺してしまったことから無邪気な不良盲人だった杉の市が、生きていくため運命とたたかっていくためにどんな事でもやっていこうと決意して江戸に出てからの後半生。前半の無邪気さと後半の凄みのきいた強気の生き方の両方がまた古田の魅力。
江戸では学問で有名になっている塙保己市と知り合うが、盲人でも堂々と世渡りしていくための手法の違いが際立つ。保己市は盲人としての分は守って健常者からも一目置かれる存在になるためにストイックに勉学に励んでいる。そういうことができる環境にあったというのも大きいと思う。一方は貧しい家に生まれて己の器量で無法な手段も用いてのし上がっていく杉の市。当初のふたりは平行線のまま。

しかし杉の市が二代目藪原検校の地位を得て、成功者どうしとして語り合った時に心が通った。お互いの手法の違いはどうあれ、社会の中に盲人の居場所を確個としてつくりたいという志があることをわかりあったのだ。
そこからが急転直下、事態は一変。死んだと思ったお市が再び現れてつきまとうのを嫌った杉の市はお市を刺し殺す。逃げられずにつかまってお上の沙汰を待つ身に。
お上は藪原検校の処刑方法を知恵者の保己市に相談する。保己市は藪原検校となった男を最も残酷な方法で処刑することを提案する。人心を引き締めて平安な社会にするための手段とし、そのことで心の通じた男を生きた価値があった存在にするためだった。
果たしてその処刑方法は「三段斬り」。もちろん人形を使っての見せ場。蜷川さんの「タイタス・アンドロニカス」でおなじみのまっ赤なリリアン状の布のひもが、頭を切り落とした胴体側の首から床にザザっと垂れてきた。そうなるように処刑前に蕎麦を腹いっぱい食わせろという指示までがあったのだが、こんな手法だといつもの蜷川さんの血のひもだ~くらいの感じで綺麗に決まった~という印象が残った。

蜷川さん自身が今年は「民衆4部作」といっている。支配者は民衆の人心をどのように操作するかということに腐心し、民衆はしっかりとそれに振り回されたり、それはそれでしたたかに暮らしていたりする様を「コリオレイナス」 「ひばり」 「恋の骨折り損」、そしてこの作品で続けて見せてくれたと思う。残虐な処刑の場面を日々のつらい暮らしを忘れるためのイベントとして楽しみ、それでまた萎縮させられる民衆の姿は「ひばり」とこの「藪原検校」が連続する。もしかして蜷川さんはこの処刑場面があるからこの作品を選んだのかもしれないとかも思いついてしまった。

プログラムに蜷川さんが「今回が成功したらまた井上ひさしの作品をやりたい」と言っているということが載っていた。同じ年齢なのに演劇界にいた場所が違うためにこれまではあまり一緒にやる機会がなかったのだという。しかし戦中・戦後と同じ時代を共有しているし、卑猥や猥雑さの感覚が似ているとか民衆への関心が似ているとも言っている。私はお二人をそれぞれずっと追いかけてきているのも実はその辺の感覚が気に入っているからに他ならない。ぜひともお二人による舞台をこれからも定期的に取り組んでいただければと願っている。

うーん、それにしても「天保十二年のシェイクスピア」に引き続き、字幕の電光板が大活躍だった。卑猥な言葉もいっぱいだけど、専門用語すぎてききとれない。字幕があると尚更そのすごさがわかる。さすがにストリップ小屋でコントの台本を書いていただけある。そういう下世話なところへのこだわりこそ、高尚でなく日々を生きる人間のエネルギーを感じさせるというものだ(こういうの大好きだし(^^ゞ)。

写真は、シアターコクーンの公式サイトより宣伝画像。
追記
「当道座」について、コメント欄で玲小姐さんがいろいろ情報をお寄せくださった。感謝m(_ _)mウィキペディア情報もあわせてこちらにご紹介(→こちら)。なぁるほどである。
コメント ( 18 ) | Trackback ( 7 )


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コメント
 
 
 
日曜日拝見します。 (とみ)
2007-06-07 12:43:11
>ぴかちゅうさま
詳細レポありがとうございます。後ほどゆっくり拝読します。
謎解き命題「処刑」ですね!キレイに書きたいな。しかし,もう睡眠時間の絞込み限界なんです。
 
 
 
ヒェ~~絶版っ! (かしまし娘)
2007-06-07 16:36:47
ぴかちゅう様、まいど!
う~ん、社会に対する作者の厳しい視線が、舞台から私にはあまり伝わってこず残念でした。
もっと強烈に来ると思ってたんですが…。
出演者の個性は強烈で嬉しかったですっ!
アンコールに投げキッスしちゃうふるチンには悩殺されました。
舞台はあのままなのに…。「それでもそれやるんかい!」って。
投げキッスはちゃ~んと心でキャッチしたし!グハハ。

一度、地人会でこの作品を観てみたかったです。

絶版してるんですかっっ!ヒェ~~!もったいねぇ~。今なら売れるのに(笑)
私がブックオフでゲットしたものは、S60年発行です…。ぴかちゅうさんの情報で貴重な本となりました。
 
 
 
絶版なんですか・・・(涙) (恭穂)
2007-06-07 19:28:04
こんばんは!
感想読ませていただきました。
戯曲は絶版なんですね・・・「ひばり」といい、残念です。

この舞台はベテランさんばかりでしたが、どなたも新しい魅力を見せてくださったような気がします。田中裕子さんも、確かに「ペリクリーズ」は綺麗な、ある意味現実感のない女性だったのに、今回は本当に生身な感じでしたね。
 
 
 
皆様TB、コメント有難うm(_ _)m (ぴかちゅう)
2007-06-08 01:39:36
★「風知草」のおとみ様
>もう睡眠時間の絞込み限界......me tooでございます。しかし寝付けない病にかかってもう何年たつのかという私です(^^ゞ
「処刑」というキーワード、実は東宝ミュージカルの「マリー・アントワネット」にも連なって、昨今の日本社会への演出家の皆様の問題提起をも感じている次第です。これら舞台の民衆から現代社会に生きる私たちはどのくらい進歩したのでしょうか。
★かしまし娘さま
>社会に対する作者の厳しい視線が、舞台から私にはあまり伝わってこず......地人会公演だとどうだったのでしょうか。ただしコクーンをソールドアウトにするくらいの観客に伝えるための演出だとこれくらい抑えた感じがいいのでしょうか。しかし反芻するとけっこうきています。
>ヒェ~~絶版っ!......この表紙の画像があったのもこのセブン&アイの書籍サービスサイトだけで、他はノーフォトでした。デザインをどうしても載せたくて必死にさがしてリンクしました。ぜひ重版してほしいです。
(注)かしまし娘さんの記事はお名前の欄をクリックすると読むことができます(^O^)/
★「瓔珞の音」の恭穂さま
恭穂さんの記事2本に励まされ、ようやく感想アップしました~m(_ _)m
さすがに井上ひさし作品でした。社会的弱者をどのように社会が内包していけるかというのはやはり大きな課題。江戸時代よりもちろん前進していますが、GNP大国にふさわしいレベルにはないと思っているのでこういう作品で刺激されることが大切だと思っています。
それにしても古田さんの無邪気さエロさに人間の活力をすごく感じてしまいました(^^ゞ彼がこんなに魅力的な杉の市だったことで作品の魅力も増したように思います。それを受ける田中裕子さんもこれまで知らなかったような魅力全開でした。
プログラムに蜷川さんが「今回が成功したらまた井上ひさしの作品をやりたい」と言っているということが載っていました。私はお二人をそれぞれずっと追いかけてきているので、ぜひともお二人による舞台をこれからも定期的に取り組んでいただきたいなぁと思うのでした。
 
 
 
当道座について (玲小姐)
2007-06-08 05:37:43
補足しますね。
平安時代、仁明天皇の皇子が失明して、周囲に盲人を集め管絃を教えたのが始まり、ということです。以降、管絃を生業として、朝廷や幕府もこれを保護してきました。江戸時代には、福祉政策の一環として、一般の商人には認めていない高利貸しを、幕府は許しています。そのため、資産家も少なくなかったようです。
有名な筝曲の演奏家は、明治時代あたりまでは、みんな検校です。

思うに、耳が不自由、手足が多少不自由、というのは、障害があるうちに入らなかったのでは?山本勘助も、足が不自由といわれていますもんね。
重い障害の場合は、そもそも出産に至らないか、生まれても育たないことがほとんどでしょうから、それほど問題にはならなかったでしょう。(医療技術の面で仕方ないことですね)

先天的だけでなく、途中で失明する人も多かったので、盲人に対する何らかの施策、というのは、早くから考えられていたのでは?
ただ江戸時代には、ピラミッド形の身分制度が、あらゆる分野で確立してますからね。それがしっかり、盲人社会にもある、ということです。

塙保己市のモデル塙保己一は、埼玉県が生んだ大学者なんですよ~。数少ない(笑)埼玉出身の偉人のひとりなの。
 
 
 
井上X蜷川 (butler)
2007-06-08 12:36:10
ぴかちゅうさん、こんにちは!

社会的弱者と時の権力者との関係は、井上さんの永遠のテーマですね。
さて、次回は何がいいかと考えてみたのですが、偉人伝記物も昭和物もピンとこないし、音楽劇は蜷川さんあまり得意じゃなさそうだし、忠臣蔵物で『イヌの仇討ち』は如何でしょうか?(笑)
これだと比較的登場人物も多そうだし、いいかもしれません。
上演に際しては、井上さんに今一度改訂していただく手がありそうです
 
 
 
お勉強になりました♪ (かずりん)
2007-06-09 09:13:59
半寝ぼけ状態で観劇しましたので、こちら覗かせていただいて
とってもお勉強になりました。
>血のひもだ~くらいの感じで綺麗に決まった~
うひゃ~~!ぴかちゅうさま!そうなのですねっ!!
私は椅子から飛び上がりそうになりましたよ~~!
蜷川ワールドに馴染むには
うん♪綺麗、今回は・・♪・・・ってぐらいに
ならないと、ダメなんですねえ~。(笑)
まだまだ深いぞ~~~・・。
田中裕子さんはとてもステキでした。能面女・・なんて
以前失礼な事を書いてしまい、今は深く反省です。
とてもステキでした♪♪
 
 
 
皆様、コメント有難うm(_ _)m (ぴかちゅう)
2007-06-09 23:11:44

★玲小姐さま
「当道座」について情報をくださいまして有難うございます。本文中にもウィキペディア情報とともにご紹介させていただきました。これからも歴史情報をよろしくお願いしますm(_ _)m
★butlerさま
TBさせていただいたbutlerさまの記事もこちらでご紹介させていただきます。1974年、西武劇場での再演の時の様子がよくわかります。
http://blog.goo.ne.jp/broadway05/d/20070513
>舞台を仕切るように縦横に綱を張った朝倉摂さんの美術である。これは台本上で作者が指定したもので、・・・(略)・・・この綱がこの芝居のテーマと言っても過言ではない。
じつはbutlerさまの記事をしっかり読んでから観たので、綱の舞台効果が楽しかったです。その場面場面で何を表しているのかを感じ取りながら観ることができました。
>忠臣蔵物で『イヌの仇討ち』......内容は全く知らないのですが、文楽と歌舞伎で忠臣蔵で観たので井上ひさし版のひねった作品も観てみたいです。蜷川さん、どういう作品を選んでくるでしょうか。楽しみに待つことにしましょうか。
★かずりん様
<最悪な状態で観劇・・・。
タイミング最悪でしたねぇ。
蜷川さん、井上さんの脚本に忠実な演出でした。処刑の場面、というより、その場面の意味がすごいと思いました。
また、古田さんだからこその魅力的な杉の市だったと、また見直しました。「エルポポ」私もアマゾンで買いました。今日、娘と最初のドラマ分18分を全部観ました(DVD特典映像はこれからですが)。のっけから鹿賀さまが出てきて「エル・ポポラッチ」の命名場面に狂喜している私って......。ええ、ええ、ちゃんと妖怪役で出る「西遊記」も観る気十分です。
エルポポくんもいい味出してましたね。オイオイついでか~(笑)
 
 
 
悪役・古田さん☆ (Ren)
2007-06-10 16:00:24
こんにちは☆
もっと暗くてどろどろしているのかと思って見に行きました。明るくポップなメロに乗せたグロい歌詞は電光掲示板があって本当に助かりました。
ブログのTB入るように修正しましたのでよろしければまた観劇レポのTB送ってください。ご迷惑をおかけしてすみませんでした。ソネブロのTBの標準設定が変わっていたのに気がつかなかったのです。
 
 
 
なるほど! ()
2007-06-11 21:21:57
読み応えのあるレポ、しかと拝読いたしました。
「当道座」というものを初めて知ったので、
あまりにも緻密に創られたシステムに驚きでした。
これも盲人達が晴眼者ありきの世界の中で、
生きていくために必要だったのでしょうか。

>生きた価値があった存在にするため・・・
同じ盲でありながら、杉の市と保己市との対立、
そして方法は違えども同じ志を持った同志という関係性が、
非常に良くわかりました。
 
 
 
Unknown (ひとみ)
2007-06-11 21:22:49
ぴかちゅう様
詳しいレポ、ありがとうございます。井上ひさしに蜷川、豪華キャスト、羨ましい!
昔この作品をテレビ放送していました。演劇鑑賞会にも井上作品は来てくれてました。
大竹しのぶの「太鼓たたいて笛ふいて」や乃木将軍の馬の話もよかったです。
WOWOWに期待する地方人です。
 
 
 
フルタと段田 (スキップ)
2007-06-11 23:50:22
ぴかちゅうさま
読み応えたっぷりのレポ、心して拝読いたしました。
物語のストーリーだけでなくその背景にあるもの・・とても勉強になりました。ありがとうございました。

ふるちんファンの私は、杉の市はもとよりですが、今回は保己市にかなり心惹かれました。
古田新太と段田安則の役へのアプローチの違いがそのまま杉の市と保己市の違いのようにも感じられ・・・思い込み強すぎですね(笑)。
 
 
 
皆様TB、コメント有難うm(_ _)m (ぴかちゅう)
2007-06-12 23:21:47
★「如意宝珠」のRenさま
井上ひさし作品は社会的な問題を深く掘り下げた内容を飲み込みやすくしてくれているのが素晴らしいので、上演される舞台は極力観るようになっています。
「薮原検校」は初期の頃の作品ですが、蜷川さんの演出や古田さんをはじめとしたキャスティングの妙でちっとも古臭さを感じませんでした。
しかし、古田さんを深く愛する皆さんは「早物語」も必死で聞いていらして愛情の深さを感じます!私はあの場面は頑張る古田さんが作り出す雰囲気を楽しんでおりました。お市さんに道を踏み外させるに十分な活力あふれる杉の市だと納得。知性に生きるお役の段田さんとの対比もきいてました。古田さん、これからも蜷川さんの舞台に出てくれると嬉しいです。Renさんの記事も下記にご紹介させていただきますm(_ _)m
http://blog.so-net.ne.jp/RensGarden/2007-05-28
★「ARAIA -クローゼットより愛をこめて-」の麗さま
もしかして蜷川さんはこの処刑場面があるからこの作品を選んだのかもしれないとか思ってしまいました。蜷川さん自身が今年は「民衆4部作」といっていて、「コリオレイナス」 「ひばり」 「恋の骨折り損」、そしてこの作品と続けて見てきました。支配者は民衆の人心をどのように操作するかということに腐心し、民衆はしっかりとそれに振り回されたり、それはそれでしたたかに暮らしていたりする姿をそれぞれの作品は描き出していました。
残虐な処刑の場面を日々のつらい暮らしを忘れるためのイベントとして楽しみ、それでまた萎縮させられる民衆の姿は「ひばり」とこの「藪原検校」で見ることになります。そういえば東宝ミュージカル「マリー・アントワネット」の最後のギロチンの場面もそうでした。蜷川さんも栗山さんもそこを問題提起してきているようにも思えました。
★ひとみ様
井上作品を観始めたのは樋口一葉の評伝劇からなのですが、ただの評伝劇に終っていないところがいいですね。だから今度の作品「ロマンス」もチェホフの評伝劇なのですが期待が高く、チケットもとれたので楽しみにしているところです。
といいつつ、ひとみさんのコメントに触発されて、井上ひさし作品観劇の記事をリンクする記事もアップしてしまいました。お目通しいただけると嬉しいですm(_ _)m
http://blog.goo.ne.jp/pika1214/d/20070611
★「地獄ごくらくdiary」のスキップさま
>古田新太演じる杉の市こと二代目藪原検校が稀代の大悪党を......っていうキャッチコピーがよくないと思います。元々そういう役じゃないと思いましたけど、そういう文句に期待して集客力のさらなるアップを図るというあまりよくないやり方です。そちらにばかり期待が大きいと肩すかしをくう人もいるのじゃないかと思ってしまいます。
>相容れないと思われた二人が何かしらの心を通わせていく様を二人の台詞の応酬だけで魅せる......そうしておいて最後に保己市は残虐な処刑をさせる。そのねらいは何かとまた考えさせられました。
>古田新太と段田安則の役へのアプローチの違い.......それも大きく貢献してくれていました。
井上作品の底の深さを蜷川さんは丁寧に演出され、役者さんたちの熱演もそれを具現化していたと思います。井上ひさし×蜷川幸雄でまた組んでいただきたいです!
 
 
 
井上ひさしさんの世界 (ムンパリ)
2007-06-17 03:11:09
ぴかちゅうさま。
井上ひさしさんの作品を見慣れていない私にはこの作品、読み解くのが難しい舞台でした。
三段斬り&血蕎麦の意味ですが、杉の市を捨て石にし、できるだけ残酷に死なせる事で、逆に杉の市の存在価値を作るということなんですね。いただいたコメントの意味、ぴかちゅうさんの考え方、ナルホドと思いました。
なぜ井上さんが二人の対照的な人間を登場させたのか、こちらを読ませて頂き、かなり納得できました。ありがとうございます。
この作品の戯曲を無事ゲットされるようお祈りしてます♪

ぴかちゅうさんがリンクしてくださった井上さんの他の舞台の感想もじっくり読ませて頂きますね!

 
 
 
★「星月夜に逢えたら」のムンパリ様 (ぴかちゅう)
2007-06-17 03:36:02
さっそくTB返しとコメント有難うございますm(_ _)m
「死ぬことでその人が生きた意味を持たせる」という考え方は、コワイことなんじゃないかと最近は考えてもいます。そのことで本当は死にたくない人も死に追いやることができるコワイコワイ手段なんじゃないかということなんです。政治的犠牲者の死を利用しようとする時に為政者が考えそうな理屈だということです。もしかしたら井上さんはそういうことまで考えていたのかもしれないとも思えてきて........。
やはり戯曲を手に入れてもう一回読んで反芻したいと思っています。
 
 
 
Unknown (hitomi)
2010-05-21 22:03:48
藪原検校の録画が見つかりました。冒頭のギター演奏や譲さんの名調子から引き込まれます。
 
 
 
Unknown (hitomi)
2010-05-23 01:36:17
早速ありがとうございます!今、桐原良光著「井上ひさし伝」を読んでいるのですがその中に「頭痛肩こり樋口一葉」(これは生で観ることが出来ました。)ではつかこうへい先生に演出の手ほどきをしてもらったとあり、その後に又いい話があります。
 
 
 
★hitomiさま (ぴかちゅう)
2010-05-23 21:19:57
hitomiさんの感想アップをお待ちしていました。
>これで井上さんがお亡くなりになって7作も!
すぐには観ることができなくても録画をしっかり持っていたのは正解でしたね。すごい集中力で素晴らしいです。
「藪原検校」は木村光一さん演出の時にも観たいと思ったのに機会をつくれませんでした。蜷川さんが井上さんの晩年にタッグを組んでくれたのは嬉しかったです。日本の演劇史に残りますね。
特に初期の作品の暴れるようなエネルギーに蜷川さんが惚れ込んで連続で取り組んでくれ、その後で新作「ムサシ」を生み出したのですから、人と人の出会いの生み出すものの大きさを感じます。
 
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