<前編> からのつづき
この辺りまでくると 木道が乾いていてホッとする。
ホッとはするけど 実は 「今日のゴール、さっきの熊沢田代でもいいくらい」
なぁ~~んてひっそりと思ってたワタシ。
いつも以上に弱気なワタシ。
身体が重い。
それは自分が悪い。 別の言葉で自業自得とも言う。
ありゃりゃりゃりゃ・・・
下り・・・やだな・・
しかし、今は下りのことよりも まず目の前のことを考えよう。
ん? 何だか すごく懐かしさを感じる道だ。
そう感じたのは私だけじゃなかったみたいで、
3人で 「どこだっけ?」 「あそこじゃなかった?」 「いや、違うでしょ」 と、しばし記憶を呼び戻す会話が繰り広げられる。
しかし、結局3人が合致する山名は上がらず、尻切れトンボで話は終わった。
つまり・・・・山なんだから どこも似た箇所があるってことか。
樹林の中をずっと歩いていると こんなちょっとの開けた箇所にも心が躍る。
でもその先には大抵、急登が待っていて心が折れる。
そんな時は振り返って 来た道を眺めるのさ。
そして、こんなに上がってきた自分をちょっとだけ褒めてあげるのさ。
いっぱいだと図に乗るからね。
ん? パパの横顔がなんだかちょっといい男に見える・・・・
ひょっとして・・
やっぱり!
頂上だ~~!
ほんとに 着いたのね~~~~~~~~~~!!
あれは、尾瀬沼なのね~~~~~~~~~~~~~!!
しかし・・・狭い・・・
私が苦手とするイワイワゴロゴロの狭い頂上。
全然落ち着けない・・・
尾瀬沼はきれいだけど 落ち着けない・・・
とりあえず 三角点タ~~~ッチ!
今居る場所は俎嵓。(マナイタグラ。絶対読めない)
向こうに見えているのは柴安嵓(シバヤスグラ)。
今日の私は弱気なので ここがゴールでもいいかぁ・・ってちょっと思ったりもしたのですが
何しろここは狭くて落ち着けない。 今、私はとても落ち着きたい。 落ち着きたいのに落ち着けない。
じゃあ、どうするか。 今でしょ。 違う、行くしかないでしょ。
柴安嵓へ。
私が驚いたのはパパさんです。
いつもなら 「ここで待ってる」モードになるのは必ずと言っていいほどパパなのに
今日はその言葉が一度も出てこない。
私の弱気な葛藤をよそに グングン前に進んで行く。
カッコいいぞ、パパ。
さっきの御光で何か特別な力が注がれたのか?
だとしたら、その力・・・私にも分けてちょうだ~~~~~~い!
はぁ~ 疲れたなぁ~ 下りたのはいいけど また登るのかよ・・・
この時の私はそんな気分。
何か特別な力が注がれたパパは そんな愚痴は一切言わない。
でもって、パパ、完全にこちらを向いてますが向かっているのはパパが背にしている方ですから。
コバイケイソウに ちょっとだけ元気もらった。
いっぱい、って言えなくてごめんね。
はぁ~ 始まったよ、登りが・・・
疲れたよぉ~
山って やっぱり大変なのね。
あら、でも着いた。
そう、登ればいつかは着くのも また山なのである。
墓石(かわみんちゃん、もらった!) みたいな標柱みっけ。
ポレポレ隊、燧ケ岳、2356m ゲットしました~!
おめでとう!
ありがとう。
ついでにタッチもこれでやっちゃえ。
お疲れ!
おお! 全然落ち着けなかった俎嵓に比べると こんなに平な場所がある!
やっぱり来て良かった。
ガスが上がってるし、視界もクリアじゃないけれど
一応目の前に広がる尾瀬ヶ原と その向こうの至仏山は鳥瞰成功!
これで両方の山からお互いを観るってことは達成できたことになります。
なんか嬉しい。
できれば 今すぐ至仏の頂上に飛んで行ってあっちからこっちを見てみたい気分。
あっち行ったりこっち来たりしながら、空飛べたらいいのになぁ~ ・・・・
って 真剣にそう思ってしまった瞬間でした。
あらら・・・会津駒方面、真っ白けだね。
そういえば・・・燧ケ岳って俎嵓と柴安の双耳峰かと思ってたら違うのですね。
その二つに御池岳、赤ナグレ岳、ミノブチ岳を加えた五峰から成っているって、初めて知りました。
その中の最高峰、柴安嵓に 今、私は立っている・・・
さて、そろそろ山ごはんにしよ。
今日は、クッパにしてみました。
疲れがひどいと あまり空腹を感じないんだけど こういうのだとサラサラって食べられてgoodです。
下山と、その後の家までの長いドライブ時間を考えると ゆっくりしてる場合じゃない。
もう行かなくちゃ。
弱足さん・・・この時、帰り道を考えて吐きそうでした。
なんか白毛門が蘇る・・・・大丈夫かなぁ。
とにかく一つずつ目標を決めよう。
スモールステップで、まずは俎嵓を目指して。
わかった。 頑張るよ。
背丈を覆い尽くすような笹をかき分けて俎嵓へ。
俎嵓と柴安嵓間は、地図では20分となってますが、私は35分ほどかかりました。
どんだけ遅いのかわかるでしょ?
こんな調子で歩いてて、いったい何時に御池に着くのかな・・・
はぁ~~~