FC piaZZista

”セールスマン”が結成したフットサルチーム「FC piaZZista」の軌跡とキャプテンの私生活。

熊谷達也「モラトリアムな季節」

2010年09月14日 23時00分32秒 | 小説
本日、熊谷達也「モラトリアムな季節」を読み終わりました。

「大学受験に失敗した和也は、仙台の予備校に通うため独り暮らしを始める。思うように成績が伸びず鬱屈した気分のなか、頭をよぎるのは小学校5年生のときに住んでいたO町の仲間たちのことだった。和也に大きな影響を与えた特別な存在。目の前の現実と向き合いながらも、過去に思いをはせる和也だが、ある日、O町の仲間の一人であり、かつて恋心を抱いていたナオミと劇的な再会を果たす。すでに高校時代の彼女とよりを戻しつつあった和也だったのだが…。昭和50年代を舞台に、主人公の姿をみずみずしく描写した青春物語。話題作『七夕しぐれ』の続編、満を持しての登場」

大好きな作家、熊谷達也の作品であったが、期待外れこの上ない作品だった。
最近の熊谷作品の傾向として上げられる残念な一面は、実体験を主流とした安易な内容。
ご多分に漏れず、自己満足のハードロックバンド活動が作中に散りばめられ、ホトホト呆れる。
ネタが無くなった時の作家の悲哀を感じざるを得なかった。
これ以上、この惨劇を繰り返したら、読者が激減するのは目に見えている。
何度も書くが、安易に題材設定したつけが回らない事を祈るばかりである。
やはり、プロならば、綿密な取材の元、問題提起するのが小説家の醍醐味ただと言えるのだが。感想を書くのも憚られる陳腐な私的小説だった。