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ガーシュイン「ピアノ協奏曲ヘ調」VSラフマニノフ前奏曲「鐘」 フィギュアスケートと音楽Ⅱ

2010-02-26 | ピアノ曲
浅田選手銀メダルおめでとう
本人は悔しかったようですが、これは絶対選曲のせいと思いました。
ジャズ要素の強いガーシュインのピアノコンチェルト。クラシックの形式にとらわれない自由な曲。オーケストラ+ピアノの音色の色彩感。緩急織り交ぜた多彩なテンポとリズム。
一方ラフマニノフの前奏曲嬰ハ短調。
原曲はピアノ独奏小品。音楽院卒業後すぐにこの作品3-2を作曲。クレムリン宮の鐘の音から暗示を受けたそう。その後の作品23の10曲、作品32の13曲とあわせて24曲セット。一連の作品で長短全調カバーしてます。

バッハの「平均率クラヴィーア曲集」に習い、ショパン・ドビュッシー・ラフマニノフ・スクリャービン・ショスターコービチがピアノのための「24の前奏曲」を書いたのは有名な話。
ピアノコンチェルトが24色の濃淡溢れる色彩だとすれば、オケ版とはいえ、前奏曲「鐘」は油絵の具一色で対抗しようとしたようなもの。変化・表現が限定されます。

はじめから終わりまで重々しい雰囲気の鐘。緊張感もはりつめたまま。ロシア人タラソワコーチ好みなのでしょう。この曲をずっと練習してきた浅田選手に心からご苦労様と言いたい。
本人は「今までの自分の雰囲気と違っているけど気に入っている」とも。わかります。その気持ち。
ピアノで弾いていても単調なリズム&重厚な音の連続で体力・気力消耗するため、ランナーズハイのような妙な達成感がある曲です。

選曲だけで言えば、鈴木明子選手の「ウェストサイド・ストーリー・メドレー バーンスタイン(指揮者・作曲家)1918~1990 アメリカ」あたりが一番華やかでフィギア向きだったのでは。ミュージカル音楽で、もともとダンス要素が強い。観客も自然に手拍子。
毎年授業でこの映画生徒に見せてました。最もお気に入りの映画の一つ。

音楽は人の感情を強く刺激します。
「鐘」はずっと短調。「怖い顔で踊る」という指示があったそうですが、最後まで笑顔なしは見てる方もちょっと疲れますよね。

ピアノ協奏曲だけでいったら、ラフマニノフの方が傑作を4曲書いてるんだけどなあ。2番・3番はコンサートで演奏されるピアノ協奏曲のかなりの割合を占めてます。
ガーシュインは似たような形式のオケ+ピアノの「ラプソディー・イン・ブルー」が有名。のだめにも出てきましたね。オケ編曲は「グローフェ 1892~1972 アメリカ 代表曲…組曲グランドキャニオン」が担当。クラシックに強いコンプレックスを持っていたガーシュインが自身でオケ部分も作曲した力作がこのピアノ協奏曲ヘ調。

押しの一手で人を感動させるのは難しい。バランスと変化が表現力を決める。
それにしてもキム選手の精神力の強さ。自分に最も欠ける部分。見習いたい。
浅田・安藤・鈴木選手本当にお疲れさま。エキシビションも楽しみです。

写真は秋に花壇に咲いたサフラン。ヘ調のイメージ?


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