『みちしるべ』 by 阪神間道路問題ネットワーク

1999年9月創刊。≪阪神道路問題ネット≫交流誌のブログ版。『目次』のカテゴリーからの検索が便利。お知らせなども掲載。

『みちしるべ』**横断車道(91)**<2018.5. Vol.100>

2018年07月03日 | 横断車道

横断車道―91―

民主主義が何だかおかしい、と思われている方は多いと思う。だけど、単純に非民主的な人物がいるだけと、考えているのも事実。そもそも、民主主義って何だ!その答えに辿り着いていない向きもいる▼ある左派政党の中堅幹部が「民主主義は多数決だ!」と言っているのを聞いた。多数決は民主主義を体現する一手段にすぎず、結果として必ずしも民主主義実現とは限らない▼民主主義とは、国民・市民・人民が主人公であるという思想。日本や世界が、民主主義制度を達成しているかというと、甚だ疑問だ。原始社会から今日まで、様々な非民主的制度が支配してきた。民主主義にしようとするのは、人々の共通理念ではあるが▼さて、現代社会が民主主義を達成しかねている原因は何か?それは市場原理一辺倒の経済社会から来るものであろう。資本主義と社会主義、いずれも市場経済原理が働いている。資本主義はそれのみに固執し、失敗(過剰生産・恐慌・バブル・架空経済)を繰り返しながら、修正して社会主義手法を徐々に取り入れている。どこまで社会主義に近づくのかは、人々の選択による▼社会が膨大化すると、直接民主主義(全員参加議会)は難しく、代表民主主義(選挙による代議員制度)にならざるを得ない。その際、代議員の報酬は、その社会の平均所得を上回るのはマズイ。遠くない過去に、就職の超氷河期があった。500社回っても、内定がもらえない。だったら、市会議員選挙で当選する方が簡単。実際、そういう人物が、多くの自治体議員となっている。そして、若者の平均賃金の数倍の報酬を受け取っている▼地方議会はともかく、国政でも同じ現象。選挙は賄賂でするものという、政治屋界隈では定着。代議士になれば、議員報酬では足りず、収賄は常識。これも市場経済原理というもの。代議士になっても儲からないとなると、今の先生方の何人が残ってくれるのだろうか?▼経済効率を上げるためには、市場経済原理の競争は有効なのかもしれない。だが、その結果において、人々は得をしているのだろうか。真面目に働けば馬鹿を見るが、人を騙せばボロ儲け。競争の行き着く先は、必ずしも幸福が待ってはいないようだ▼民主主義制度においても、選挙・多数決で物事が決まるが、市場経済が介入することによって、当初の目論みは破綻していると言わざるを得ない。日本人は「絶対」という言葉に弱いと言われるが、市場経済が絶対ではあり得ない▼自動車は便利というが、高額の購入費・維持費の分、役に立っているかと言えば否である。みんなが使いだすと、非常に効率の悪い存在となり、公害・事故・不健康をもたらしてしまう。昨今の長引く不況で、若者のクルマ離れが急速に進み、渋滞が減少したのは皮肉と言えよう。歩いて逃げれば助かるものを、地震の際に車の棺桶に入る人が圧倒的。    (コラムX)

コメント (2)
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