ピアノの音色 (愛野由美子のブログです)

クラシックピアノのレッスンと演奏活動を行っています。ちょっとした息抜きにどうぞお立ち寄り下さいませ。

オペラを観よう

2014年02月28日 | レッスンメモ
「ピアノという楽器は誰がどんな風にやっても、とりあえず音がちゃんと出るから便利だねえ」と、ある指揮者の方が言いました。ところが「歌はそうはいかない」というのです。その指揮者の方に言わせると、「ピアニストというのは本当に無造作に音を出す。声楽家がどれほど一音一音に精魂傾けて発声しているかを見習って欲しい」となるのです。

扱う音の数もスピードも違うので、一概にそうは言えないとは思いますけれど、声楽家に見習う点が多いというのは本当だと思います。「もっと歌うように弾いて!」という言葉は世界中のピアノ教室で毎日のように聞こえてくるはずです。逆に声楽の練習で「ピアノを弾くように歌って」とは絶対言われないそうなので、この関係は一方通行のようです。学ぶべきは私たちピアニストの方なんです。

というわけで、最近意識してオペラや声楽のコンサートを観るようにしています。こういうのこそほんとは生で観たいのですが、そうもいかず、もっぱらテレビ観賞です。夜、仕事も食事も終えてゆっくりしたところで、お酒とおつまみを前にテレビをオンです。録画しておいた番組の中から今日は何を観ようかな。これが結構楽しいです。

先日はプッチーニの「三部作」を毎晩、一幕づつ順番に観ました。中でも私が一番感動したのは二番目の「修道女アンジェリカ」です。尼僧院が舞台ということで登場人物がすべて女性だけという珍しいオペラです。真っ白な修道女の衣服を中心に舞台全体に白の世界を演出していたのがとても美しかったです。そして歌、歌、歌の数々。物語の進展に合わせて、感情をこめて、優しく、美しく、意地悪で、冷たい、そして歓喜! 人間のあらゆる心のひだの奥底をふるえさせるような、歌声の数々が素敵でした。

始めのうちはそれぞれの歌手が一音を発するのにどんなふうに細心の注意を払って、そしてそこからどうコントロールしながら一つのフレーズに仕立て上げて行くのか、そんなことを耳を澄まして聴きながら勉強しようと思っていました。ところが、やはりオペラは総合芸術。役柄やストーリーなどにグイグイ引き込まれて、眼も耳も釘づけ。最後の場面では不覚にももらい泣きしてしまってお勉強どころではありませんでした。こうして夜な夜なパジャマコンサートを楽しむのが最近のマイブームです

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