ピアノの音色 (愛野由美子のブログです)

クラシックピアノのレッスンと演奏活動を行っています。ちょっとした息抜きにどうぞお立ち寄り下さいませ。

ベートーヴェン・ピアノソナタ作品101

2010年03月24日 | レッスンメモ
今、ベートーヴェンばっかり弾いています。あさっての公開レッスンまでに準備が間に合うか、ぎりぎりの攻防です。

この作品、弾けば弾くほど好きになります。このソナタは、ベートーヴェンの後期の作品に属するのですが、その特徴でもあるシンコペーション、独特なトリルの使用、カノン風、フーガ風のエピソードを用いる対位法の要素などが盛り込まれています。1楽章は、優しく、ごく自然に語りかけるような口調で始まり、曲全体に明るく美しいイ長調が支配しています。語り口調で始まるこの1楽章が私は大好きです。

この曲は、「私が何度も考察しあなたの才能と人格への私の傾斜のよすがとなるものです。どうぞ、お受け取りください」という献呈文とともに、エルトマン夫人に献呈されています。ベートーヴェンの死後、机の秘密箱から、出てきたラヴレター(結局送ることのなかったもの)のお相手は、エルトマン夫人ではないかという説もあります。控えめで謙虚にしかし、たっぷりの愛情が感じられるこの曲は、そういったエピソードも反映しているかもしれません。

1楽章、3楽章は控えめで詩的な感じに対し、2楽章と4楽章は、男性的で能動的な要素を持っていてコントラストをなしています。不安や怒りから解き放たれ始めたベートーヴェンの後期の作品の特徴がよく出ています。まさに「苦しみを突き抜けて歓喜に至れ」という感じですね。


そういう曲なので、弾いていると私も暗い気持が吹っ飛んで、喜びが生まれるというか、とても練習が楽しいのです。この素晴らしい曲をもっともっと自由自在に弾きこなせるようになるために公開レッスンを受けに行きます。どんなことを学べるか、楽しみです。

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