ピアノの音色 (愛野由美子のブログです)

クラシックピアノのレッスンと演奏活動を行っています。ちょっとした息抜きにどうぞお立ち寄り下さいませ。

心の通うレッスン

2014年03月24日 | レッスンメモ
教室の生徒とは平均すると10年くらいのおつきあいになります。小さなお子さんの場合ずっとみていると、大体小学校の高学年や中学生くらいから自我が芽生えてきて、変化が現れてきます。それまであまり物を言わなかった子がよくしゃべるようになってくれたり、逆に無口になったり、ちょっと反抗期だったり。皆それぞれにちょっと揺れ動く季節などがやってきます。ピアノのレッスンを通じて、そんな生徒一人ひとりの心身の成長を見守っています。

教室のレッスンでは、より良い音楽を奏でるためのピアノの弾き方を教えます。私が持っているものをどう伝えるか、様々工夫して教えています。ただ、どんなに「教えて」も相手側に「学ぶ」気持ちがないとそれは伝わりません。壁に向かっていくら教えても壁はピアノを弾けるようにはならいのです。普段は私の教えることをどんどん吸収して学んでくれる生徒でも、気持ちの乗らない時があったりします。こちらは仕事としてやっているわけですから、いつでもどんな時でも誰に対してでも、しっかり「教える」のですが、相手の方が「学ぶ」モードになってない、私の伝えようとしていることを前向きに受け取ろうとしていないという時があります。そんなときは、イライラしないで、こちらが少し待って眺めるということも必要だと思っています。もちろん、レッスン中、ずっとじっとして何もしないわけではありません。あれやこれやいつも通り、あるいはいつも以上に色々と「教え」ますが、私の気持ちの中でその子の様子を「眺める」のです。

そういう生徒のそれまでのいつもの姿を知っているので、こんな時期はちょっとしたきっかけでいずれ過ぎ去って、またすぐ落ち着いてくるということを知っています。そういう時期を経て、また再び素直になった生徒たちは、今度は、もっと気持ちが大人になって成長しています。そんな生徒たちとはこれまで以上に心の通うレッスンができるようになると感じています。先生に教えられたことを一生懸命学ぶ、というどちらかというと一方通行の関係から、一皮むけて、自分の考えや感じ方をきちんと整理して、それを自分なりに表現しようという意志が確立してきます。このようにしてピアノに向き合うようになると、益々音楽の楽しみを味わえるようになると思います。生徒の成長が楽しみです。

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