ピアノの音色 (愛野由美子のブログです)

クラシックピアノのレッスンと演奏活動を行っています。ちょっとした息抜きにどうぞお立ち寄り下さいませ。

ショパン ノクターン13番

2011年09月27日 | レッスンメモ
昨日、レッスンした曲の中に、ショパンのノクターン13番がありました。その曲が、ずっと今朝になっても頭の中で鳴っています。コンサートを控えた方のレッスンで、しっかり弾きこんであったので、聴きごたえがあり、その音がずっと頭の中から離れなくなりました。私も何年か前にコンサートで弾いて以来、久しぶりの曲でした。

この曲は、ショパンのノクターンの中でも壮大で悲痛に満ちた、傑作の一つだと思っています。1841年の作曲ですが、ショパン自身は、ジョルジュ・サンドと共にノアンの邸宅で生活をしている頃で、心身ともに充実した日々を送っていた頃だと思います。

曲は、ABAの形をとる3部形式の曲で、最初は静かにとても静かに、何かがやってくる足音にも似た音の配置で旋律が進んでいきます。ここでこの旋律の音をいかに美しく出すか、これが鍵だと思っています。中間部はハ長調のコラール。これは左から右まで立ち上がるアルペジオ。これが意外に弾きにくくて、うっかりすると大変なことになります。そして再現部と続きますが、この再現部、同じ旋律なのに、こんなにも狂おしく悲痛な音楽に変化させられるショパンの作曲の力に驚かされます。圧倒的に過激な3連附を演奏しながら、冒頭の静かなメロディと全く同じ旋律を、その激しさの中で浮き立たせるように弾いていく事が大切だと思っています。そして、力尽きて静かに曲が閉じられ、閉じる前にもう一度最後の言葉を添えて、完全に閉じる。こんな風に私は理解しています。

難しいけど、やはりいい曲ですね。来年は、この曲、久しぶりにプログラムに加えようかなと思ったのでした。

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コメント
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