ピアノの音色 (愛野由美子のブログです)

クラシックピアノのレッスンと演奏活動を行っています。ちょっとした息抜きにどうぞお立ち寄り下さいませ。

生徒の成長とピアノの音

2011年04月10日 | レッスンメモ
最近、ぐっと大人になった生徒がいます。もともと素直で純粋な気持ちを持っている生徒です。スケールの全調を勉強したあたりからその変化が見えてきました。練習への取り組みの姿勢が違ってきて、その成果がぐっと出てくるようになりました。本人は、少しピアノの練習が面白くなってきたなと感じる以外は、家での練習などは以前と変わらず淡々とやっているそうです。

でも最近は、私が教えている事をさっと呑みこんで、それがどんどんできるようになってきました。そして、それは本人にとっても、教えている私にとっても快感なので、もっともっと私は深く踏みこむし、生徒もどんどんついてきてくれるようになりました。これはとても良いスパイラルです。こうしてその生徒は今、ぐんぐん伸びて行っています。

もう一人、以前とは変わってきたなあと思う生徒がいます。その生徒はとても気立ての優しい子です。優しくていい子なのだけど、自分にもちょっと甘いところがあって、練習にムラがありました。けれども、だんだん年齢が上がって、しっかり練習してくるようになったら、曲の仕上がりが音楽的にとても魅力的になってきたのです。ある日、そのことをすごく褒めたら、それがとても嬉しかったようで、次の週もその次の週もきちんとやってくるようになりました。今ではその姿勢が定着しつつあります。

この生徒たちのピアノが上達したなと感じられる少し前に、私は二人に共通した変化を感じていました。それは、いつものご挨拶や入室の仕方、楽譜の取り扱いなどの動作、ちょっとした私(先生)との会話の中に落ち着きと礼儀が備わってきたなということでした。そうした変化と同時平行で、ピアノの音自体が変わってきて、そしていつの間にか、ぐっと上達してきたのです。ピアノ上達には指先の訓練だけではなくて、本人の精神的成長が大きく影響しているのかもしれません。

なので私は、生徒を教える時は、なるべく長い目で見て、生徒の側の「学ぶ姿勢」に変化が現れるのを、待っているということも大切なんだと実感しています。


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