ピアノの音色 (愛野由美子のブログです)

クラシックピアノのレッスンと演奏活動を行っています。ちょっとした息抜きにどうぞお立ち寄り下さいませ。

涙しました

2009年10月12日 | コンサート
カツァリスのコンサート、行ってきました。いやぁ、わざわざ、泊まりがけで博多までいった甲斐がありました。彼は、裏切りませんでした。ものすごくいいコンサートでした。ものすごくよかったです。

ヒュッテンブレンナーとシューベルト、ベートーヴェン、それに、シューベルトの未完成交響曲のピアノ用編曲、ベートーヴェンの交響曲7番の2楽章をピアノ用に編曲など、「ウィーンの友情」とタイトルを銘打ってのコンサートでした。

福岡シンフォニーホールは、ピアノソロの会場には、少し大きすぎるとは思いますが、ホールとシャンデリアの美しさも、楽しみの一つと感じながら、ゆったりと聴きました。

コンサートは、CDでは味わえない、その場にわざわざ行って聴くだけの演奏家と観客で作り出す良さ(時には、悪さにもなりえる)があります。今回のこのコンサートには、そんな2者で作り出す音楽の美しさや静けさや充実がありました。それを解さず、たった一人の早まった拍手が残念でしたが、ほかのみんなが同じ気持ちでカツァリスの音楽の醸し出す雰囲気と美しさを、受け入れ、受け取っていました。

彼は、ピアノを弾きながら指揮をします。その気持ちもわかるだけに、とても納得のいく見ていても心地よいものでした。

大喝采の嵐に、アンコールを5曲も弾いてくれました。月光の1楽章、ショパンノクターンの遺作、ゴンチャックのバンジョウー、ここで、彼の芸当を披露され、観客は絶頂に達し、ここで終わりかと思ったら、なんと大サービス。ここから、「Do You like Tschaikowsky?」と聞いてきて、みんなで「Yes」と答えたら、四季の10月を演奏したのです。これは、私が去年、絶対彼の演奏を生で聴きたいと感動した曲です。これを、本当に聴けるなんて・・・・!私は、この曲を涙を流しながら聴きました。

彼の演奏の美しさ、彼の観客への思い、そして、思いがけず、憧れのこの曲を生で聴ける幸せ、今、私が背負っている現実の生活などが、ないまぜになって、涙がでたのでした。

心に残るコンサートでした。
コメント
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