
宿で唐箕を発見!
日本のものと構造もまったく同じ。
しかし、これは不思議でもなんでもなくて、唐箕は読んで字の如く、中国で発明された脱穀機なんですよ。
それがなんと、はるばる南チロルまでやって来ているわけで、これもまた古代中国の偉大な発明のひとつというわけです。
宿の娘に日本の唐箕の写真を見せたら、「なるほど~ こっちでは小麦で使ってるけど、中国や日本ではコメを入れてるわけね」と、なんの感動もありませんでした。文化人類学上の伝播主義にはまったく関心がないらしい。
まあこれ、要するにアメリカに渡ったトラップ大佐一家がやってたことですよ、自給自足の宿屋。
そういう文化がこの辺にはあるんですかね。
ザルツブルグにいたトラップ一家がナチスから逃れてきたのは北イタリアですからね。みんな勘違いしてるけど、山越えてスイスに行ったんじゃないんですよ。
この辺の宿はみんな家族経営なんで、名前覚えないといけんのですよ。宿の娘の名前は、シルビアなんで、ハイジっぽくないんですよ。
みんな馬で出かけてしまって、わたしが誰もいないオープンテラスでキーボードを叩いていると、シルビアが建物の中から窓をコンコン叩いて、わたしを指さしてニコニコしながら電話をかける仕草をしています。これは「甘い生活」のラストシーンのまんまじゃないか・・・汚れた自分を反省しろってか