地震・噴火・気象災害への対応 文学・文化論攷

地震・噴火・気象災害への対応 文学・文化論攷、副題( 森鴎外と福沢諭吉、三田文学における その後 ・・・ )

原発ゼロを進めるドイツで、ついに深刻な「電力不足」が発生

2018年04月29日 | 郵政民営化問題
原発ゼロを進めるドイツで、ついに深刻な「電力不足」が発生

4/27(金) 10:00配信

寒い冬がようやく終わり

今年は桜の季節に日本で過ごせると喜んだのもつかの間、これまでに無くひどい花粉症に悩まされた。しかし、花粉もようやく下火。暑くも寒くもない良い季節がやってきた。今、日本は新緑の若葉がきれいだ。東京を歩いても、道路脇にさりげなく植え込まれたツツジが満開になっていたり、どこかの家の塀からレンギョウが垂れ下がっていたりで、街中のそんな花々を見るたびに、なんと美しい季節かと感動する。冬が長く厳しいドイツでは、5月に春が突然やってくる。果樹としての桜や桃が一斉に花をつけ、丘一面が白い霞のようになって、こよなく美しい。この時期ドイツでも、白樺やらハーゼルナッツなど様々な花粉が飛び、皆が悩まされるのは日本と同じだが、それでも春を待ちわびた人々の喜びは果てしない。モーツァルトの有名な「五月の歌」も、単純に春の喜びを表した歌曲だ。ちなみに、今年の2月、ドイツは記録的な寒さだった。2月末には、比較的温暖なシュトゥットガルトでも、気温が昼でも氷点下から上がらない日々があった。零下10度を過ぎると、風に向かうと顔が痛い。たくさん着込んで、携帯カイロをくっつけていても、腿のあたりがジンジンと冷えてくる。とはいえ、ちょっと雪が降ると、高速道路が閉鎖になり、人々がすってんころりんと転ぶ日本とは違い、ドイツ人が寒さに強いことは確かだ。長年の勘もある。

厳冬期ドイツの電力不足

さて、今年の冬はそのドイツで不思議なことが起こった。ドイツ全土で時計が遅れたのだ。テレビや食器洗い機などに付いているデジタル時計である。こういう、コンセントにつながっている電気器具に内蔵されている時計は、電気の周波数を利用して時を刻んでいる。ところが、本来、正確であるはずの周波数が落ちたため、時計が遅れてしまったという。実は、私も自宅の電子レンジの時計が遅れていることに気づいて、もうすぐ電子レンジが壊れるのかと懸念したのだが、そうではなかったらしい。数日で6分も遅れたというから、ラジオ内蔵の目覚まし時計などを使っていた人は、電車に乗り遅れても不思議はなかった。では、なぜ、周波数が落ちたかというと、流れる電気の量が減ってしまったからだ。なぜ、流れる電気の量が減ったかというと、電気が足りなかったからである。電流が落ちると、電圧も周波数も下がる。それを一定の範囲に収めるために、電力会社は常に発電量を調節している。ドイツは現在、2022年の原発ゼロに向かって原発を止めようとしている。2015年6月に1基止めたのに続いて、去年の12月31日に2基目を止めたが、両方とも、産業の盛んな南ドイツの原発だ。寒い国であるドイツでは、夏よりも冬に電力需要が増える。太陽光の発電施設は多く、普段は太陽が照ると電気が余りがちだが、冬は陽があまり差さないので、ほとんど役に立たない。さらに不都合なことに、冬は凪が多いので風力発電まで止まってしまうことがある。厳寒となった今年は電気が足りなくなり、待機していた国外の火力まで総動員されたが、それでも供給はカツカツだった。普段なら周波数の揺れなどすぐに調整できるそうだが、今回はそれどころではなかったらしい。昔、私が子供だった頃は、急激な経済成長に電気の供給が追いつかず、ときに電球が揺らめいたことがあったが、現在のような高度な社会では周波数の揺れなど許されない。電圧や周波数が不安定になると、精密機械が故障するし、緻密な製品にムラが出る。メルケル首相は最近さかんに「EUの電力統合」ばかり言っている。早い話が、EU国家間の送電線を強化して、電気のやりとりのパイを増やそうということだ。これからさらに7基の原発を止めれば、電力不足が深刻になるのは想定済みなのだ。

切羽詰まった東京電力

ところで、厳寒時の電気不足は、実は今年、関東でも起こっていた。太陽光パネルには雪が積もり、その後も雪が溶けるまで発電はほぼゼロだった。しかも、皆が暖房で電気を使う。まさにドイツの冬状態になってしまっていたわけだ。東京電力の送配電会社「東京電力パワーグリッド」では供給がギリギリになり、他の電力会社から7日間、応援融通を受けたという。また、各電力会社は一部の大型需要者との間に、供給が足りなくなりそうなとき使用を減らしてもらう、あるいは、使用時間をずらしてもらうという契約を結んでいる。その代わり、電力料金を少し値引きしているそうだが、東京電力ではその要請を今年の冬は13回も行った。契約では年間12回までだったが、それを1回オーバーした。それほど切羽詰まっていたということだ。東京電力の管轄である首都圏で、供給が需要に追いつかないというような事態が数秒でも起きれば、何が起こるか?まず、周波数が低下し始めると、広域のブラックアウトを防ぐため、緊急に一部の地域を送電線から切り離して停電させることになる。それでも周波数の低下が止まなければ、発電機が故障予防の措置として自動的に停止し始める。それが連鎖反応を起こせば、本当にブラックアウトが起こるという。これらはしかも、数秒単位で進む。万が一、首都圏でそんな事態になれば、修復に数日かかる可能性もある。産業界は未曾有の被害を受けるだろう。電気は、常に、現在の需要に合わせて発電しなければならない。だから電力会社は、最低でも大型火力発電所が突然1基不調になって脱落しても大丈夫なぐらいの余力は見込みながら、発電量を、瞬時、使用量に合わせているわけだ。

島国ニッポンの「不都合な真実」

私がこれまで常に訴えてきたのは、太陽光と風力の発電は、いくら施設を増やし、年間の総発電量を上げたとしても、いざという時ゼロ近くに落ち込んでしまうので、必ずそれ以外にも、最大需要量を賄う発電施設を確保しておかなければならないという不都合な真実だった。そして、その、いざというときの火力発電所は、普段、再エネが発電している間は、発電を抑えなければならない。使える火力を使わずに、いつでも使える状態で待機させておくというのは、経済の観点からいえば、ありえないことだ。はっきり言って、そんな市場で生き残れる火力発電所はない。結局、そのしわ寄せは消費者にくるし、また、安価で安定した電気が保証されなくなった産業界にくる。それが、今年の冬、現実となった。しかも、この状態は、いくら電力事業を自由化しようが変わらない。エネルギーの安全保障は、すべての安全保障に直結することを、私たちはそろそろ真剣に考えるべきだ。ドイツのように、隣の国と送電線を繋げて、足りない時は高くても買い、余った時は、お金をつけてでも引き取ってもらえるという恵まれた国とは一緒にならない。私たちは、この島国の中で、完結した電力システムを作り、産業を回し、生活を守らなければならない。有効で、安価な蓄電方法がまだ現実となっていない今、再エネ電気だけで産業国がやっていけないのは、ドイツの例を見ればすでに明らかだ。そんな中で、原発をゼロにすれば、結局は火力依存になる。石油もガスもない日本が火力に依存するということは、他国に依存するということに等しい。日本のエネルギーの自給率は、たったの8%だ。石油やガスの輸送が滞ったら、いや、値が上がれば、どうするのか? もう少し、国益を見据えた現実的な議論はできないものだろうか。

 追記) ドイツを中心とする欧州のほぼ全域で電力の周波数が低下したことは事実であり、それは、3月上旬にドイツ大手のシュピーゲル誌や経済誌ハンデルスブラットなどが報道したように、広域的に電力の需要と供給がアンバランスな状態に陥ったことを意味する。なぜ、そうした状況が生じたかについては、内外の調査機関が、今、調査中であり、その結果を踏まえ、ドイツと違って周辺国とネットワークが繋がっていない我が国の取るべき道は何かも含めて、このコラムの続報を執筆したいと思う。乞うご期待! 

川口 マーン 惠美 ・・・ 2018/4/28(土) 現代ビジネス 9:45 配信 より

私のコメント : 今年の2月、ドイツは記録的な寒さだった。2月末、ドイツは比較的温暖なシュトゥットガルトでも、気温が昼でも氷点下から上がらない日々があった。 太陽光パネルには雪が積もり、その後も雪が溶けるまで発電はほぼゼロだった。暖房で電気を使う。ドイツは、冬状態になってしまった。太陽光と風力の発電は、いくら施設を増やし、年間の総発電量を上げたとしても、いざという時ゼロ近くに落ち込んでしまう、必ずそれ以外にも、最大需要量を賄う発電施設を確保しておかなければならない。










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