Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

バラの名前の閉じられた世界

2011-06-21 | 
先の短いメルケル首相のことを挙げた。さすがに首相としては女性の口の巧さだけでは用を足さないので、如何せん重要な発言は保守党政治家に通じる修辞法の巧みさとして表現される。とは言ってもそれほど複雑なものではなく、精々ドイツ語の初学者が基本文法として習うほどの構文なのだが、その内容は義務教育を受けたものから高等な教育を受けた専門家までに一様に伝わる類のものである。

要するに修辞法のその論理がはっきりしているのである。それを前提としてはじめて高度な修辞がはじめて可能となる。

ウムベルト・エーコの小説「バラの名前」の映画の撮影の地を再び訪れた。案内にエバーバッハ修道所を訪れ、そこで試飲してきた。この一年で三回目の訪問である。州立の醸造所がここを個人対面販売の拠点としている。山の上にあるので一寸離れているが、平日の人の少ないときは態々訪れるにふさわしい場所である。

2010年産は、減酸してもまだ強い酸が特徴であるが、その質が問われる。試飲して例年に増して素晴らしかったのはシュタインベルクである。壁に囲まれた一時は甘口の生産地と知られたその区画の土壌とミクロ気象が大変活きていて、それがQbaクラスでもっとも功を奏している。上級のものが今ひとつバランスが悪い理由は分からないが、そこの地下の新設醸造システムを使った成果がこれに最も表れていて、今後とも注目の歴史的地所の名前である。そうした継承された技術や知識の発展や革新こそが科学技術であり、批判的な経験の積み重ねの中に文明がある。

そのような文明の見通しが利くかどうかで核開発や遺伝子工学利用への市民の理解が得られるわけであって、なんら想像できないもしくは情報も与えられていなくては一方的な安全神話が構築されてしまっていて当然なのである。ゆえに開かれた批判的な議論が文明には欠かせないのである。
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