Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

そして歴史の証人になる

2023-08-11 | 
48時間無料券を引き続き使用。この間二回目のクイズがありそれにも答えた。すると同じコードが送られた。これは参加賞は一度限りかと思った。しかし試しにリンクから入れてみると延長された。これで96時間観れることになった。

既に2月の初めにアーカイヴ化されていた一月末に生中継された夏のツアーの裏プログラムをハイレゾで聴いていたのだが、あまり時間がなく、復活祭で演奏される予定が取り止めになって、実際にじっくり聴く機会がなかった。そして、月末のルツェルンの演奏会でも大スポンサーが、初日の表プログラムの「英雄の生涯」ではなくて、裏のベートーヴェンの八番交響曲へと招待日を定めた故か珍しく裏の方が売り切れに近くなっている。

そして個人的には復活祭で逃したが、このプログラムの最終公演日のルクセムブルクの席をなんとか確保したことから二回聴けることになった。言及済みであるがこのプログラムのシェーンベルクの「管弦楽の為の変奏曲」演奏はフルトヴェングラー指揮の初演からペトレンコにとっては歴史的な指揮であり、「英雄の生涯」でのカラヤン指揮と並んで如何にしても二人を越えなければいけない大課題である。

二月には生放送などをざっと楽譜を捲りながら聴いたりしていたのだが、今回は映像を観ながらも流して耳を傾けていたので、より重要なことが認知できた。多くはBACH主題の展開の仕方や重ね方であるのだが、その時の表情のつけ方やアンサムブルに注視した。音程関係はなによりも重要になる所謂12音技法であるが、一昨年からのスーク作曲「夏のメルヘン」、マーラー交響曲七番、そして「スペードの女王」のバスの付け方やアンサムブルがここに来て一つの成果を出すことを確信した。

その為にもペトレンコ自身が語っているようにこうした曲は反復演奏されて反復聴かれることが重要であるというのを実感できると思う。そして1月には出来ていなかったことがまだまだあると認識した。恐らく月末における演奏は歴史的な演奏になると確信する。

そして改めて聴いてみると「ハイドンの主題による変奏曲」が新たなる価値を醸し出した。実はこの曲も前回聴いたのは1977年の大阪国際フェスティヴァルの初日でのカラヤン指揮の冒頭曲だった。その印象は1976年のEMIの録音そのものだったのだ。そして後半に四番交響曲が演奏された。11月6日のことだった、そして11月10日には「英雄の生涯」が演奏されたのだった。

この夏から秋へと、そしてブラームス交響曲四番は来年の復活祭へと引き継がれる。これほど歴史的にもそしてその前世紀の音楽を今世紀へと引き継ぐプログラミングは他にはないと思われる。

フルトヴェングラー指揮の初演こそは知らないが、まさか自分自身がこうした大管弦楽演奏史の生き証人になるなどは十代の時に考えもしなかった。成程ムラヴィンスキー指揮のチャイコフスキーなど特にその楽団から帝政ロシア時代の息吹が残されてるとかは言われたのだが、まさか20世紀の音楽の歩みがこうした変奏という演奏史を通して一望できるようになるとは思ってもみなかった。



参照:
二つあることは三つめも 2023-01-26 | 雑感
耳に残る1977年の想い出 2021-07-15 | 音

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